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安田記念2025予想ポイント・全頭調教診断

阿部泰斉 Taisei Abe

安田記念2025予想ポイント・全頭調教診断 image

6月8日(日)、東京競馬場で安田記念(G1、芝1600メートル)が行われる。春のマイル王を決める戦いに、今年も注目メンバーが名を連ねた。

主役はソウルラッシュ(牡7、池江)。昨秋マイルチャンピオンシップでG1初制覇を果たすと、今春ドバイターフでは香港の最強馬ロマンチックウォリアーを破る大金星を挙げた実力馬だ。

昨年のNHKマイルCを制したジャンタルマンタル(牡4、高野)は、初の古馬G1制覇を目指してエントリー。13着に敗れた昨年12月の香港マイル以来となる実戦でいきなり結果を出せるか。調教を必ずチェックしたい。

G2を3勝しているシックスペンス(牡4、国枝)はG1初制覇を目指す。1番人気に推されながら7着に敗れた4月大阪杯の雪辱に挑む。

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■安田記念2025予想のポイント

①瞬発力

東京の古馬マイルG1で必要なのは瞬発力だ。同じ1600メートルの古馬G1であるマイルチャンピオンシップが京都で行われているが、近2年のレース後半3ハロン(600メートル)時計は34秒5、34秒3。一方安田記念の同時計は33秒9、33秒8。長くいい脚を使うことが求められる京都に対し、東京は一瞬の切れ味が求められる。

②外枠の差し馬

また、今年は開催期間で雨が多かったこともあり、芝コースは内が荒れ加減。加えて今年は圧倒的な逃げ馬が不在で道中はスローが想定される。この2つが重なると、内枠の馬で先行脚質の馬や、ラチを頼って運びたい馬は本来のパフォーマンスが発揮されづらい。普通は不利とされる外枠も、特に足をためる脚質であればアドバンテージとなることを覚えたい。


■安田記念2025出走馬全頭調教診断

近年の好走馬を見ると、調教でしっかりとした負荷を掛けられ、それにダイナミックな動きで応えている馬が好走しているレースと言える。

特に昨年優勝馬のロマンチックウォリアー、22年23年連覇のソングラインなどに共通して言えるのは、コース追い切り(東京競馬場芝コースや、美浦・栗東でのウッドコース)で直線での豪快な突き抜け方を披露した点。今年もそれに似た動きをしている馬がいた。

(※以下、「1週前」とはレース1週間前の調教の内容。現在の調教では、この1週前にしっかりとした負荷を掛ける厩舎が多く、そこでの動きがレースに直結することが多い。「当週」はレース当該週の調教。こちらでしっかりと負荷を掛ける厩舎もある)

ウインマーベル【上昇中】

1週前:ウッドコースで併せ馬。先頭に立つまではスムーズな動きを披露。しかし、そこから思ったように伸びなかった。全体的なフットワークや時計の負荷は良かった。

当週:ウッドコースで併せ馬。全体時計としては軽めの調整も、手応え良く先着。先週の追い切りを経て、調子は上昇中。

ウォーターリヒト【強調ポイントなく…】

1週前:ウッドコースで併せ馬。直線で追われたが、思ったように伸びず。時計の負荷も休み明けとしてはもう少し欲しかった。

当週:坂路で単走追い。時計の負荷は軽め。先週の調教の内容からももう少し攻めて欲しかった。

エコロヴァルツ【上半期3戦目も上積みありそう】

1週前:ウッドコースで単走追い。大阪杯時と比較しても強い負荷が掛かられた。首がグっと使えるようになり、スピードの乗り方も上昇している。

当週:坂路で単走追い。鞍上の手綱は持ったままだったが、馬の気持ちは前へ前へと向いていかにも調子が良かった。

オニャンコポン【状態はまずまず】

当週:ウッドコースで単走追い。間隔詰まって調教の本数は1本のみだが、毛ヅヤよく状態は安定している。G1と考えるともう少し攻めて欲しかったが、元気いっぱい。

ガイアフォース【海外帰りがポイントに】

当週:坂路単走追い。海外帰りで調教本数が少ない点は減点だが、強い負荷が掛けられて馬もそれに対応。若干テンションが高い点がこれまでにはなかった点で、気になるところ。

グラティアス【出来キープ】

1週前:坂路単走追い。リズムよく登坂。時計の負荷がそこまで強くない点が気になる。

当週:坂路単走追い。一直線に登坂し、集中力の高さは評価できる。良くも悪くも、前走と比較しても動きは遜色ない。

サクラトゥジュール【鞍上と手合う】

1週前:ウッドコースで併せ馬。道中行きたがる面あったが、直線に入ると集中力がグっと入った。時計負荷がしっかりと掛けられてる点はプラスで、レーン騎手との相性も良い。追われてからもう少し突き抜けて欲しかった。

当週:ウッドコースで単走追い。引き続き道中は行きたがったが、いつも通り。全体時計としては息を整える程度で、状態は悪くない。

シックスペンス【上昇度は低く】

1週前:ウッドコースで併せ馬予定も、単走追いに。同じくG1出走のブレイディヴェーグと併せ馬の予定で行われたが、ルメール騎手騎乗でも道中はスピード乗りが遅く、全体時計としても遅いものになった。本来の出来まではまだまだか。

当週:ウッドコースで併せ馬。しっかりと追われての好時計をマーク。前走の大阪杯時はそこまで追われずとも直線では加速して先着したが、その時の比較ではポジディヴな印象は持てない。

ジャンタルマンタル【休み明けでも力発揮か】

1週前:坂路単走追い。川田騎手が騎乗し、終始しっかりと追われた。その分フットワークも良く、脚の回転量も多い。休み明けだが、大きく割引する必要もなさそう。

当週:坂路単走追い。昨年の同時期と比較しても脚がより上がるようになり、成長がうかがえる。毛づやが冴え、馬の体調は万全。あとは実戦での動きに連動するかどうか。

シャンパンカラー【調教の負荷と動きは万全】

1週前:ウッドコースで併せ馬。内を通ったが、直線では鞍上の合図が送られると突き抜けた。手前を替えてからのスピードの乗りも良く、調教での動きはやはりG1馬だ。

当週:坂路単走追い。一昨年勝利したNHKマイルC以来となる坂路最終追いは勝ちパターンに戻ったとみていいか。最後までびっしりと追われ、G1に向けてやれることはやった。

ジュンブロッサム【状態キープ】

1週前:ウッドコースで単走追い。手前の替え方は前走よりもスムーズ。それ以外はほぼ横ばい。若干だが、前走時の方が背中使えているようにも見える。

当週:坂路で単走追い。軽めの調整。鞍上が我慢させ続けたことで若干かかり気味になった部分はあるが、前走時と比較して全体的に動きはほぼ横ばい。

ソウルラッシュ【今メンバーで光る動き】

1週前:ウッドコースで併せ馬。直線でじわじわと併せ馬に詰め寄り、合図が送られた途端にスパート開始。一気の加速は今回メンバーとの比較では最高級。海外帰りの心配は無用か。

当週:坂路で単走追い。終いでしっかりと追われた分、ラスト1ハロンは11秒台を記録するなど負荷は十分。G1仕様の調教をしっかりと積めた。

ダディーズビビット【馬の体調はいい】

1週前:ウッドコースで単走追い。終いで促されてからの反応はいいが、間隔空いたわりに全体時計遅い。G1のメンバーでは見劣る。

当週:ウッドコースで単走追い。毛づやが良好で体調の良さは見て取れるが、フットワークが今メンバーでは1枚劣る。

トロヴァトーレ【もう一つ攻め足りず】

1週前:ウッドコースで単走追い。G1にしては全体時計が攻めきれてない。道中頭高く、直線でも追われてからのスピードの乗りが案外。

当週:ウッドコースで併せ馬。先週に引き続き全体時計遅め。調教駆けするタイプではないが、プラスの印象もなく。

ブレイディヴェーグ【光る素質】

1週前:ウッドコースで併せ馬予定も、単走追い。併せ馬予定だったシックスペンスを待った分全体時計は遅くなったが、解放させた瞬間の爆発力は光った。背中の使い方が今メンバーでは最上級で、フットワークの良さも最上級。東京コースは間違いなく合う。

当週:ウッドコースで併せ馬。首をグッと使えるようになり、国内前走の東京新聞杯時との比較でも動きが全く違う。馬体も毛づや抜群。ここまでの過程は文句ないだろう。

ホウオウリアリティ【見送りか】

1週前:ウッドコースで併せ馬。背中の使い方が今メンバーでは流石に劣る。

当週:坂路で単走追い。リズムよく登坂出来ている。馬の体調自体は悪くない。

マッドクール【動きは文句ない】

1週前:ウッドコースで単走追い。脚の回転が速く、勢いが凄まじい。前進気勢が強いだけに、距離延長は大きなポイントになる。しっかり折り合いが付けるか。

当週:坂路で単走追い。首がグッと入り、脚の上がり方が昨年勝利した高松宮記念時と比較しても格段にアップ。実戦で前進気勢が強いところを制御できるかどうか。

レッドモンレーヴ【状態文句なし】

1週前:ウッドコースで3頭併せ。全体時計の負荷もしっかりで、馬の毛づやが今回はとてもいい。直線ではそこまで促されることもなく並びかけ、もっと追えば突き抜けたと思わせる動き。馬体が詰まっている分、距離延長はどうか。

当週:ウッドコースで併せ馬。先週やった分、今週は息を整える程度。その中では満点の動き。引き続き馬体はピカピカで、筋肉のメリハリもついている。

ロングラン【調子はいい】

1週前:ウッドコースで単走追い。全体時計としては軽め。直線でのフットワークも大きく、調子自体は継続か。

当週:ウッドコースで併せ馬。直線での突き抜け方は文句なし。背中がもう少し使えるといいが、調子自体は悪くない。

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■調教全頭評価一覧

ここでは出走予定馬の調教の動きをS、A、B、C、Dの5つで判定する。Sが最高評価で、是が非でも買いたい。Aは好評価。買いたい。Bは悪くはない馬。買いたい。Cは状況を見て抑えたい馬。Dは今回は見送りか。同ランクの中でも、左から順に上位評価とする。

前回の日本ダービーではA評価に挙げた2頭が1着、3着に入った。

  • S:ブレイディヴェーグ、ソウルラッシュ
  • A:ジャンタルマンタル、マッドクール、レッドモンレーヴ
  • B:ウインマーベル、エコロヴァルツ、サクラトゥジュール、シャンパンカラー
  • C:シックスペンス、ロングラン、ジュンブロッサム、ガイアフォース、トロヴァトーレ、ウォーターリヒト
  • D:グラティアス、オニャンコポン、ダディーズビビット、ホウオウリアリティ

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阿部泰斉 Taisei Abe

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。法大を卒業後、スポーツ新聞社に就職。アマチュア野球、競馬の担当を経て2024年に退職。現在はお笑い芸人として日々鍛錬を積んでいる。新聞社時代、野球担当では高校までの野球部経験を活かして甲子園取材を経験。競馬担当では美浦トレーニングセンターでの日々の調教から、競馬場でのレース取材まで幅広く担当。結果を出す馬の特徴を研究した。