NBA2024-25シーズンの出来事まとめ|プレイオフ・トレードなど

小野春稀 Haruki Ono

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NBAの2024-25シーズンが幕を下ろしてから約1か月になる。ここまでのオフは、サマーリーグ、多くのトレード、FA移籍、契約延長が発表され、ファンにとって目まぐるしいものだった。また7月31日には、NBA Rakutenがサービスを終了した。

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今後も各チームに動きはあるだろうが、オフシーズンは落ち着きを見せ始めている。この辺りで過去を振り返ってみるのもいいだろう。今回は我々に多くの感動をもたらした2024-25シーズンを振り返っていこう。

2024-25シーズンのチャンピオン:オクラホマシティ・サンダー

NBAを制したのはオクラホマシティ・サンダーだった。シーズンMVPとNBAファイナルMVPをダブル受賞したシェイ・ギルジャス・アレクサンダーの圧倒的なスコアリングに加え、相手チームの心を折るようなディフェンスで頂点に上り詰めた。最優秀エグゼクティブ賞に輝いたサム・プレスティのチーム運営も圧巻で、オフにはラストピースとしてアレックス・カルーソとアイザイア・ハーテンシュタインを獲得。ケイソン・ウォレスやアーロン・ウィギンズらの若手も大きく貢献した。

2024-25シーズンの主要アワードの受賞者

Shai Gilgeous-Alexander MVP

NBA.com

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シーズンMVP:シェイ・ギルジャス・アレクサンダー

シーズンMVPにはシェイ・ギルジャス・アレクサンダーが選出された。リーグ1位の68勝14敗の記録を残したサンダーの不動のエースとしてチームを牽引。76試合に出場し、平均32.7得点、5.0リバウンド、6.4アシストをマーク。また1.7スティールに1.0ブロックと攻守でハイレベルなパフォーマンスを披露した。

新人王:ステフォン・キャッスル

新人王にはサンアントニオ・スパーズのステフォン・キャッスルが選出された。81試合に出場し、平均14.7得点、3.7リバウンド、4.1アシストを記録。3Pシュートはまだまだ改善の余地があり、来年以降の活躍に注目だ。

Cleveland Cavaliers Evan Mobley 2024-25 Kia NBA Defensive Player of the Year

NBA.com

最優秀守備選手賞:エバン・モーブリー

最優秀守備選手賞にはエバン・モーブリーが選出。平均1.6ブロック、0.9スティール、9.3リバウンドを記録し、64勝18敗とイーストを席巻したクリーブランド・キャバリアーズの守護神として大活躍した。オフェンス面でも数字を伸ばし、オールスターとオールNBA2ndチームにも選出された。

シックスマン賞:ペイトン・プリチャード

シックスマン賞には、2年連続の60勝越えを果たしたボストン・セルティックスのペイトン・プリチャードが選出された。平均14.3得点、3.5アシストとベンチからスコアリングとゲームメイクをもたらした。FG成功率47.2%、3P成功率は40.7%と効率も一級品であった。

MIP(最成長選手)賞:ダイソン・ダニエルズ

MIP賞にはアトランタ・ホークスのダイソン・ダニエルズが選出された。前年から大きく数字を伸ばし、平均14.1得点、5.9リバウンド、4.4アシストを記録。特に平均3.0スティールは歴史的な記録で、平均3.0スティール以上を記録したのは1994年以来初のことであった。

オールNBAチーム

1st

  • シェイ・ギルジャス・アレクサンダー
  • ドノバン・ミッチェル
  • ジェイソン・テイタム
  • ヤニス・アデトクンポ
  • 二コラ・ヨキッチ

2nd

  • ジェイレン・ブランソン
  • ステフィン・カリー
  • アンソニー・エドワーズ
  • レブロン・ジェームズ
  • エバン・モーブリー

3rd

  • タイリース・ハリバートン
  • ジェームズ・ハーデン
  • ケイド・カニングハム
  • ジェイレン・ウィリアムズ
  • カール・アンソニー・タウンズ
Karl-Anthony Towns, Julius Randle

オフシーズンの動向

カール・アンソニー・タウンズとジュリアス・ランドルのトレード

2024年10月2日、ニューヨーク・ニックスとミネソタ・ティンバーウルブズの間でトレードが成立。タウンズがニックスへ、ランドルとドンテ・ディビンチェンゾらがウルブズへ移籍した。9年間チームに忠誠を誓い、ファンにも愛されていたタウンズの移籍は、リーグに大きな衝撃をもたらした。

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Klay Thompson, Steph Curry

クレイ・トンプソンがダラス・マーベリックスへ

クレイ・トンプソンがゴールデンステイト・ウォリアーズからマーベリックスへとトレードされた。トンプソンの退団は、4度のNBA制覇を果たしたウォリアーズ王朝の終焉を体現し、ファンに時代の変遷を感じさせるものであった。

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その他の主な動き

  • ポール・ジョージ(クリッパーズ→76ers)
  • クリス・ポール(ウォリアーズ→スパーズ)
  • ラッセル・ウェストブルック(クリッパーズ→ナゲッツ)
  • デマー・デローザン(ブルズ→キングス)
  • ミケル・ブリッジズ(ネッツ→ニックス)
  • アレックス・カルーソ(ブルズ→サンダー)
  • アイザイア・ハーテンシュタイン(クリッパーズ→サンダー)

レギュラーシーズン前半戦

Cleveland Cavaliers, Jarrett Allen

キャバリアーズが開幕15連勝を達成

ケニー・アトキンソンのもとで再出発を果たしたキャバリアーズ。その船出は上々で、開幕から勝ち続けた。連勝は11月19日のセルティックス戦に敗れるまで続き、15の勝ち星を積み上げた。キャブスはその後もイーストの1位をキープし続け、サンダーとリーグNo.1チームの座を争い続けた。

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レブロン&ブロニーの親子共演が実現

2024年10月22日、レイカーズ対ウルブズの1戦で、レブロンとブロニーの親子共演が実現した。ブロニーがレイカーズと契約して以降、全世界のファンが待ち望んだ瞬間であった。彼らはNBA史上初の、同時にコートに立った親子となった。

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Giannis Antetokounmpo Milwaukee Bucks

NBA Entertainment

バックスのNBAカップ優勝

NBAインシーズントーナメントからNBAカップへと名前を新たにした本大会は、ミルウォーキー・バックスが栄冠に輝いた。決勝ではオクラホマシティ・サンダーと対戦。ヤニス・アデトクンポが26得点、デイミアン・リラードが23得点をあげ、サンダーに97-81で勝利した。大会MVPにはアデトクンポが選出された。

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ジミー・バトラーとマイアミ・ヒートの確執

2024年の年の瀬から、バトラーとヒートの確執が報道され始めた。契約延長の失敗や、チーム内での役割の変化などからバトラーは不満を露わに。パット・ライリーらチーム側も、出場停止や罰金処分などを科すなどしたため、両者の関係は悪化の一途をたどった。

【まとめ】ジミー・バトラーのウォリアーズ移籍まで

その他の主な出来事

  • ケビン・デュラントが通算3万得点に到達

  • ジェームズ・ハーデンが3Pシュート成功数で歴代2位に

  • キングスのマイク・ブラウンHCの解任

トレードデッドライン(現地時間2025年2月6日)

ルカ・ドンチッチの世紀のトレード

2024-25シーズンのNBAを語るうえで絶対に無視できないことがある。ルカ・ドンチッチのレイカーズ移籍だ。ESPNのシャムズ・シャラニア氏が移籍を報じたとき、世界中のファンは「彼はアカウントをハッキングされている」と考えた、いやそう考えたかったのだ。それほどショッキングなトレードであり、ダラスのファンにとってはまさに悪夢であった。ダラスのニコ・ハリソンGMは「ディフェンスが優勝を勝ち取る」の考えのもと、ドンチッチと引き換えにアンソニー・デイビスの獲得に踏み切ったとされている。

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Jimmy Butler Stephen Curry Golden State Warriors

ジミー・バトラーのウォリアーズ移籍

バトラーのトレード騒動にも終止符が打たれた。ステフィン・カリー体制での優勝を目指すウォリアーズがバトラーを獲得。アンドリュー・ウィギンズらと引き換えに35歳のバトラーを獲得し、高額の延長契約を結んだこともあって、トレード当時は多くの批判があった。しかしバトラーの加入はリムアタックとディフェンス、そしてエネルギーをもたらし、バトラー加入後のウォリアーズはリーグ屈指の勝率を記録した。

ディアロン・フォックスのスパーズ移籍

サクラメント・キングスとの決別が決定的とされ、トレードの噂が出ていたフォックスがスパーズへと移籍した。これによりビクター・ウェンバンヤマとの強力なデュオが誕生し、スパーズはウェンバンヤマがルーキー契約の間に勝負をかけるという姿勢を示すことになった。

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その他の主なトレード

  • ドリアン・フィニー・スミス(ネッツ→レイカーズ)
  • ブランドン・イングラム(ペリカンズ→ラプターズ)
  • クリス・ミドルトン(バックス→ウィザーズ)
  • カイル・クーズマ(ウィザーズ→バックス)
  • ディアンドレ・ハンター(ホークス→キャバリアーズ)

オールスターまでのカンファレンス順位

イースト

順位チーム勝敗
1キャバリアーズ44-10
2セルティックス39-16
3ニックス36-18
4ペイサーズ30-23
5バックス29-24
6ピストンズ29-26
7マジック27-29
8ホークス26-29
9ヒート25-28
10ブルズ22-33
11ネッツ20-34
1276ers20-34
13ラプターズ17-38
14ホーネッツ13-39
15ウィザーズ9-45

ウェスト

順位チーム勝敗
1サンダー44-10
2グリズリーズ36-18
3ナゲッツ36-19
4ロケッツ34-21
5レイカーズ32-20
6クリッパーズ31-23
7ティンバーウルブズ31-25
8マーベリックス30-26
9ウォリアーズ28-27
10キングス28-27
11サンズ26-28
12スパーズ23-29
13トレイルブレイザーズ23-32
14ジャズ13-41
15ペリカンズ13-42
Stephen Curry

オールスター

2025年のNBAオールスターゲームでは新しいフォーマットが導入された。オールスターに選出された24選手が3チームに分かれ、そこにライジングスターズで優勝したチームが加わる4チームのトーナメント方式が採用された。

また、3チームそれぞれに個性が見られたことも注目ポイントだった。チーム・シャックにはレブロン(怪我で欠場)、カリー、デュラントらの往年のスーパースターが集結。チーム・ケニーにはアンソニー・エドワーズ、ケイド・カニングハムら若手のスターが結集した。チーム・チャックにはヨキッチ、SGA、ウェンバンヤマらグローバルなスーパースターが名を連ねた。

トーナメント決勝では、チーム・シャックとチーム・チャックが対戦。41-25でチーム・シャックが勝利し、12得点をあげたカリーがMVPに選ばれた。

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レギュラーシーズン後半戦

オールスターブレイク以降、サンダーが圧倒的な勝率を誇った。24勝4敗とリーグ1位の成績を残し、プレイオフに向けて万全の体制を整えた。

またバトラーを獲得したウォリアーズ、前年王者のセルティックス、ファイナルに進出するペイサーズもオールスターブレイク以降調子を上げた。

好調だったチーム(オールスターブレイク後)

  • サンダー(24勝4敗)
  • ウォリアーズ(20勝7敗)
  • ペイサーズ(20勝9敗)
  • セルティックス(22勝5敗)
  • ロケッツ(18勝9敗)
Nikola Jokic Denver Nuggets

NBA Entertainment

ヨキッチの歴史的なトリプルダブル

3月7日のナゲッツvsサンズの1戦で、ヨキッチが歴史的なトリプルダブルを記録した。オーバータイムにもつれる激闘となったこの試合で、ヨキッチは31得点、21リバウンド、22アシストを記録。30-20-20でのトリプルダブルはNBA史上初めての快挙であった。

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ヘッドコーチの電撃解任

レギュラーシーズン最終盤にはヘッドコーチの電撃解任が見られた。ナゲッツのマイケル・マローンHCはレギュラーシーズン残り3試合というところで解任。2023年にチームを優勝に導いたこと、ウェスト上位をキープしていたこともあってリーグに衝撃が走った。グリズリーズのテイラー・ジェンキンズHCもシーズン残り9試合というところで解任された。

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その他の主な出来事

  • レブロンがレギュラーシーズン・プレイオフ通算5万得点に到達

  • カリーが3Pシュート成功数4000本を突破

レギュラーシーズン終了時点の順位

イースト

順位チーム勝敗
1キャバリアーズ64-18
2セルティックス61-21
3ニックス51-31
4ペイサーズ50-32
5バックス48-34
6ピストンズ44-38
7マジック41-41
8ホークス40-42
9ブルズ39-43
10ヒート37-45
11ラプターズ30-52
12ネッツ26-56
1376ers24-58
14ホーネッツ19-63
15ウィザーズ18-64

ウェスト

順位チーム勝敗
1サンダー68-14
2ロケッツ52-30
3レイカーズ50-32
4ナゲッツ50-32
5クリッパーズ50-32
6ティンバーウルブズ49-33
7ウォリアーズ48-34
8グリズリーズ48-34
9キングス40-42
10マーベリックス39-43
11サンズ36-46
12トレイルブレイザーズ36-46
13スパーズ34-48
14ペリカンズ21-61
15ジャズ17-65

プレイオフ

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1回戦

イースト

イーストは上位シードが順調に勝ち進んだ。ニックスとピストンズのシリーズは第6戦までもつれる激闘となった。ケイド・カニングハムを中心にプレイオフの舞台に返り咲いたピストンズは、ニックスに引けを取らない強さを見せつけた。

  • キャバリアーズ 4-0 ヒート
  • セルティックス 4-1 マジック
  • ニックス 4-2 ピストンズ
  • ペイサーズ 4-1 バックス
Aaron Gordon

ウェスト

ウェストでは2つのシリーズが第7戦までもつれる死闘となった。ウォリアーズはオフェンスの決定力を欠いたロケッツをわずかに上回った。クリッパーズはオールスターに返り咲いたハーデン、健康を維持したレナードを中心にナゲッツを追い詰めた。シリーズはアーロン・ゴードンのブザービーターアリウープで第4戦を制し、ヨキッチの支配力でわずかに上回ったナゲッツが勝利した。

  • サンダー 4-0 グリズリーズ
  • ロケッツ 3-4 ウォリアーズ
  • レイカーズ 1-4 ティンバーウルブズ
  • ナゲッツ 4-3 クリッパーズ

カンファレンスセミファイナル

Tyrese Haliburton Indiana Pacers

NBA Entertainment

イースト

イースト準決勝は、シーズン60勝越えの2チームが敗れるという大波乱となった。ペイサーズはチームオフェンスでキャブスを圧倒し、第2戦ではハリバートンのクラッチショットも炸裂した。ニックスは勝負強さと、ディフェンスでセルティックスを上回った。ミケル・ブリッジズは第1、2戦で試合を決定づけるスティールを記録した。

  • キャバリアーズ 1-4 ペイサーズ
  • セルティックス 2-4 ニックス

ウェスト

SGAとヨキッチ、2人のMVP候補の直接対決となったサンダーvsナゲッツ。第1戦はゴードンのクラッチショットでナゲッツが勝利。それ以降も紙一重の試合が続き、最終的にはサンダーが第7戦で勝利した。ウルブズはエドワーズ、ランドルを中心にウォリアーズを圧倒。2年連続のカンファレンス決勝進出を決めた。

  • サンダー 4-3 ナゲッツ
  • ティンバーウルブズ 4-1 ウォリアーズ

カンファレンスファイナル

Tyrese Haliburton

イースト

2年連続のプレイオフでの対決となったニックスとペイサーズ。第1戦で再びハリバートンがクラッチショットを沈め、ペイサーズが先勝。その後も、ペイサーズが速い展開に持ち込めば、ニックスもハーフコートでの強さを発揮するなど接戦に。最終的に第6戦でペイサーズが勝利した。

  • ニックス 2-4 ペイサーズ

ウェスト

サンダーは圧倒的なディフェンス力で、ウルブズの両エースを苦しめた。ウルブズもエドワーズ、ランドルを中心に気を吐いたが、王者の前に屈した。

  • サンダー 4-1 ティンバーウルブズ
Pacers x Thunder

NBA/Divulgação

NBAファイナル

  • サンダー 4-3 ペイサーズ

下馬評を全て覆してきたペイサーズ、開幕から圧倒的な強さでリーグの頂点に立ったサンダー。第7戦までもつれた両者の対決はファンを大いに熱狂させてくれた。

ペイサーズは、第1戦でハリバートンがクラッチショットを再び沈めた。パスカル・シアカムもシリーズを通じて攻守に安定したパフォーマンスを披露した。アンドリュー・ネムハードは、激しくも賢いディフェンスでSGAを苦しめた。ベンチからはTJ・マコーネルがエナジーと正確無比なミドルジャンパーを、ベネディクト・マサリンが得点を、オビ・トッピンが3Pと豪快なダンクをもたらした。

サンダーは、SGAが理不尽な個人技とゲームメイクで、チームのオフェンスを動かし続けた。ジェイレン・ウィリアムズは時にはSGAが霞むほどの輝きを見せ、第5戦では40得点を記録した。ベンチから出てくるカルーソはまさに「優勝請負人」の働きであった。

最終的には、第7戦でサンダーがペイサーズを破り、NBAの歴史にその名を刻んだ。​​

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Shai Gilgeous-Alexander Jalen Williams Oklahoma City Thunder

NBA Entertainment

2024-25シーズンはどんなシーズンだったのか?

2024-25シーズンはサンダーの年であった。1年間を通じてリーグ最強のチームであり続け、SGAはMVPとファイナルMVPを受賞した。チーム運営も的確で、自前の若手を育てて、ラストピースとしてベテランを連れてくるという理想的なチーム構築をやってのけた。まだまだ若いチームであるため、サンダー王朝が始まるのか来年からも目が離せない。

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若いチームの台頭も顕著であり、サンダーはもちろんロケッツ、ケイドを中心に躍進したピストンズなどがプレイオフで確かな爪痕を残した。一方でレブロン、カリー、デュラント、レナード、ハーデンといったスーパースターたちは早々にポストシーズンから姿を消した。

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スター選手の離脱が、かなり多かった印象を持っている方は多いはずだ。ウェンバンヤマは右肩の血栓で2月に離脱、ドンチッチを失ったマーベリックスを支え続けたカイリー・アービングも左膝前十字靭帯を断裂し3月に離脱した。プレイオフではリラード、テイタム、そしてハリバートンがアキレス腱を断裂し、離脱を余儀なくされた。彼らの怪我は、今オフの動向に大きな影響を与えている。

またチーム運営の重要性がより認識されたシーズンでもあった。セカンドエプロンの導入により、ロスターの維持・強化に苦しむチームが多くみられた。BIG3がサラリーの大部分を占めていたサンズはセカンドエプロンを超過し、トレードなどによるチーム強化に大幅な制約が科された。ナゲッツも、主力選手にMAX契約を渡したことで選手層の薄さに悩まされ続けた。ファイナルに到達したサンダー、ペイサーズが贅沢税を払っていなかったというのは興味深い話だ。

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圧倒的なサンダーにペイサーズの躍進、世紀のトレードと話題に欠かなかった2024-25シーズン。若いスターやチームの台頭が目立ち、新しいルールの下でチーム運営の重要さはかなり増した。2024-25シーズンはNBAの新時代の到来をより一層感じさせるものであったといえるだろう。2025-26シーズンはどんな物語が待っているのだろうか。

小野春稀 Haruki Ono

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。大学生。元はスポーティングニュースのNBAニュースを毎日楽しみにしていた読者であったが、今では縁あってライターとして活動している。小学生の時にカイリー・アービングのドリブルに魅了されNBAの虜に。その影響で中高6年間はバスケに熱中した。主にNBAの記事を執筆している。