5月25日、中央競馬の牝馬三冠レース第二弾、第86回優駿牝馬(オークス)(G1)が開催される。
ここでは、昨今話題のAIチャットボットサービスを用いて今年のオークスの1着馬、2着馬、3着馬の予想を出力。先週のヴィクトリアマイルはGrokが1着にアスコリピチェーノ(1番人気)、2着にクイーンズウォーク(4番人気)を予想。さらにその他の注目馬として3着シランケド(7番人気)も挙げており、馬券圏内の好走馬を全て指名する大活躍を見せた。
これまでAIチャットボットの好予想があったのは桜花賞とヴィクトリアマイルの2回で、どちらも牝馬限定G1。ともすれば今週のオークスでも期待必死なのは間違いない!
AIに質問した内容
今回もヴィクトリアマイルに引き続き、Open AI社のChat GPT、X社のGrok(グロック)、Google社のGemini(ジェミニ)を用いてオークスを予想。それぞれチャットボットには出走馬に関する情報を与えた上で、オークスの1着から3着までの独自の予想を根拠を提示するとともに出力するよう質問した。チャットボットに与えた情報の詳細は以下の通り。
- 枠順
- 血統
- 生産者
- 通算成績
- 前走成績
- 鞍上
- 調教師
Chat GPTの予想
先週は1着アスコリピチェーノ、3着クイーンズウォークという予想で、2着予想はアルジーヌ(4着)と惜しい展望は披露したChat GPT。オークスこそはクリーンヒットを出したい今週の予想はこちら。
- 1着:アルマヴェローチェ
- 2着:エンブロイダリー
- 3着:レーゼドラマ
1着にはアルマヴェローチェを予想。2歳女王の巻き返しに期待した形だ。父ハービンジャーは現役時代に芝2,400メートルのG1であるKGVI&QESでレコード更新の大楽勝を収めており、産駒成績でもちょうど昨年チェルヴィニアがオークスを制したところ。血統面に加えて前走内容と追い切りの動きの良さも評価し、勝ち馬候補に指名したようだ。
2着予想はエンブロイダリー。父がマイルのG1馬で不安もあるとしたものの、母系を通じて欧州中距離血統も所持していると分析。血統表を確認すると、かなり遠いがたしかに3代母ビワハイジの父がCaerleonとなっている。鞍上ルメールにも信頼が置け、2,400メートルへの延長でも末脚を活かせると評価。しかしやはりアルマヴェローチェち比べると父の距離適性の差はあるとして、ここは2着の評価としていた。
3番手にはトライアル勝ち馬のレーゼドラマ。前走フラワーカップを押し切った勢いと、そのレースで発揮したスタミナと持続力を評価した模様で、父キズナが中距離の活躍馬を輩出していることも予想材料とした。
1着2着予想には足りなかった点としてChat GPTはG1経験のなさをピックアップ。他にも末脚がキレるタイプではないことや、いわゆる王道路線ではないフラワーカップ組で、権利取りのための前走の疲れがある可能性を指摘した。
Grokの予想
前述の通り先週は大活躍のGrok。2週連続の好指名に期待したい今週の予想はこちら。
- 1着:アルマヴェローチェ
- 2着:エンブロイダリー
- 3着:リンクスティップ
Chat GPTと同じくGrokも1着はアルマヴェローチェ、2着はエンブロイダリーという結論になった。やはりGrokも父の違いに注目し、2,400メートルの舞台ではハービンジャー産駒のアルマヴェローチェに分があると評した。
しかしエンブロイダリーは名手ルメールが騎乗の予定で、桜花賞馬の底力もあるとし2番手評価。3着予想はリンクスティップで、Grokの予想は桜花賞の1〜3着と同じメンバーということになった。
リンクスティップは中長距離適性の高いキタサンブラック産駒であるものの、AIはここまでの戦績を見て既にG1勝ちのあるアルマヴェローチェとエンブロイダリーが地力の面で優っているとジャッジした。
桜花賞組からはエリカエクスプレスを同じくピックアップしたものの、こちらは大外枠とキャリアの浅さを指摘。トライアル組では、3着以内の予想には入らなかったもののフローラステークスの覇者で中距離の名門・友道厩舎が手掛けるカムニャックが高評価。その他サヴォンリンナ、レーゼドラマの名前を挙げたものの、こちらは桜花賞組との力関係を不安視し馬券圏内の評価とはならなかったようだ。
Geminiの予想
先週はアスコリピチェーノを1番手評価したものの、2着3着の予想は振るわずだったGemini。しかし牝馬三冠レース第一弾の桜花賞では鋭い予想を見せただけに、大きな期待がかかる今週の予想はこちら。
- 1着:エリカエクスプレス
- 2着:リンクスティップ
- 3着:アルマヴェローチェ
なんとなんとGeminiの1着予想はエリカエクスプレス。エンブロイダリー同様2,400への不安が競馬ファンの間で囁かれている一頭だが、父エピファネイアに母父Galileoという中長距離色の強い組み合わせから距離延長はプラスと評価。桜花賞はややスピードが足りなかったとジャッジし、その中で5着と健闘したこともこの予想へと繋がった模様だ。大外枠の厳しさこそあれど、鞍上の戸崎がスムーズに位置を取らせれば一気に突き抜ける可能性はあるとGeminiは結論づけた。
2着のリンクスティップはGeminiが桜花賞で3着予想した馬。ここでも出番となった。キタサンブラックは現役時の戦績だけでなく産駒の活躍距離からもスタミナが武器とわかる種牡馬で、本馬の母父Kitten's Joyもアメリカの中距離G1ウィナー。鞍上デムーロの経験豊富さも評価ポイントとした。
3着にはアルマヴェローチェを指名。桜花賞2着の実績だけでなく父ハービンジャーがオークスで実績のある種牡馬であることを取り上げ、実際にチェルヴィニアやナミュール、モズカッチャンらがこの舞台で活躍している。スタミナ比べになった際に上位評価2頭とどれだけ勝負できるかが鍵としたものの、最内枠の利を活かして粘りこむことを想定した。
そしてやはり気になるのはChat GPTとGrokが2着予想したエンブロイダリーを外したこと。能力はトップクラスと認めた上で、Geminiは今回よりスタミナのありそうな血統を優先的に評価したとコメント。しかし名手ルメールが導いて距離をこなせてしまえばあっさり勝つ可能性も秘めると付け加えた。
その他の注目馬にはカムニャックとサヴォンリンナを指名。ともにトライアル勝ちで、血統的にも中距離が合いそうな不気味な存在と評した。
各AIの予想の考察
昨年から連載する本企画だが、最も予想が面白くバラけた回と言えるかもしれない。Chat GPTとGeminiは1着2着の予想は同じだったものの、前者はトライアル勝ちの新興勢力を、後者は距離延長の合いそうな桜花賞組を3着に推した。
今回の注目はGeminiの予想。他2つのAIチャットボットは全く毛色の違う展望で、見どころのある指名を披露した。アルマヴェローチェ、エンブロイダリーの桜花賞ワンツーの評価を下げた根拠も興味深い。実績上位馬の距離適性が大きな焦点となる一戦、AIの導き出した結論にも一見の価値アリだ。
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