6月1日、中央競馬のクラシック三冠レース第二弾、第92回東京優駿(G1)(日本ダービー)が開催される。
ここでは、昨今話題のAIチャットボットサービスを用いて今年の日本ダービーの1着馬、2着馬、3着馬の予想を出力。先週のオークスはどのAIも勝ち馬カムニャックを3着以内に指名できず。今週は3歳の大一番、日本ダービー。有力馬がハイレベルに並ぶ混戦でチャットボットの巻き返しなるか!
AIに質問した内容
今回もオークスに引き続き、Open AI社のChat GPT、X社のGrok(グロック)、Google社のGemini(ジェミニ)を用いて日本ダービーを予想。それぞれチャットボットには出走馬に関する情報を与えた上で、日本ダービーの1着から3着までの独自の予想を根拠を提示するとともに出力するよう質問した。チャットボットに与えた情報の詳細は以下の通り。
- 枠順
- 血統
- 通算成績
- 前走成績
- 鞍上
- 調教師
Chat GPTの予想
先週は1着にアルマヴェローチェを指名したものの、以下エンブロイダリーとレーゼドラマの予想は振るわずだったChat GPT。逆襲のビタ当てに期待したい今週の予想はこちら。
- 1着:ミュージアムマイル
- 2着:クロワデュノール
- 3着:ファンダム
1着には皐月賞馬ミュージアムマイルを予想。一冠目の覇者を信頼した形だ。Chat GPTは皐月賞組の日本ダービーでの成績に注目。実際に過去10年のダービーの結果を見ると、皐月賞で3着以内に好走した出走馬は日本ダービーでの3着以内率も50%を超えているという頼もしいデータが。名手レーンは2023年に短期免許騎手の身ながらダービージョッキーの栄誉に輝いており、人馬ともに死角なしといったところか。
2着予想はクロワデュノール。前述の通り皐月賞組への信頼でこの評価となったようだ。父キタサンブラックはダービーでは結果が出なかったものの同コースのジャパンカップでの実績があり、母父Cape Crossも種牡馬として中距離の活躍馬を送り出している。しかしこの血統が東京向きな軽さにはつながっていないとし、これを1着予想の馬との差と評価したようだ。
3着は新興勢力では最大の注目馬のファンダムの予想。やはりここまで無敗なのが評価につながっているようで、本馬が制した毎日杯からはシャフリヤール、キズナ、ディープスカイ、キングカメハメハといったダービー馬が輩出されていることも評価ポイントとのこと。しかしここまで経験しているのが1,800メートルまでなこと、G1レース出走は今回が初になることから連対まで評価を上げるには至らなかったようだ。
その他の注目馬にはショウヘイとマスカレードボールをピックアップ。一発のあるかもしれない穴馬を1頭挙げるよう尋ねたところ、トライアル勝者で父スワーヴリチャードにダービー2着の実績のあるレディネスを指名した。
Grokの予想
先週は1着アルマヴェローチェ予想も、Chat GPTと同じくその他2頭が振るわなかったGrok。巻き返しを期す今週の予想はこちら。
- 1着:ミュージアムマイル
- 2着:クロワデュノール
- 3着:マスカレードボール
Grokの本命はこちらもミュージアムマイル。父がキングカメハメハ産駒リオンディーズ、そして母父ハーツクライという構成から東京芝2,400メートル適性は高いとジャッジ。枠も中枠めで、やはり皐月賞組のダービーでの過去成績も重視したとのことだ。
2番手にはクロワデュノール。東京コースでの東スポ杯2歳ステークス勝ち含む実績だけでなく、血統面にも注目した模様。キタサンブラック産駒はイクイノックスとソールオリエンスがダービー2着しているだけでなく、ラヴェル、スキルヴィングといった東京の重賞馬も輩出している。馬場が渋った場合も血統のスタミナで対応可能としたが、皐月賞でミュージアムマイルに敗れているというところから評価を下げたようだ。
3着予想はマスカレードボール。皐月賞の上位3頭をそのまま評価した形となった。しかしただ単純に実績順で18頭の中から3番手評価になったわけではなく、本馬は東京でアイビーステークス、共同通信杯を制している府中巧者。父ドゥラメンテがスターズオンアース、リバティアイランドといった東京芝2,400メートルのG1ウィナーも輩出していることから高評価としたが、やはり皐月賞でのパフォーマンス順から3番手評価に落ち着いたようだ。
Grokが挙げたその他の注目馬はサトノシャイニング、ファンダム、ショウヘイの3頭。ショウヘイはダービー1勝のルメール、ダービー3勝の友道厩舎のコンビが魅力としたが東京経験とG1実績の部分で高評価とはならなかった模様。穴馬には(穴かどうかはともかく)安定感ある走りながら今回若干人気を下げているジョバンニを挙げた。
Geminiの予想
先週は3つのチャットボットの中で唯一エリカエクスプレスの名前を挙げ、興味深い予想を披露したものの的中とはならなかったGemini。内容だけでなく結果もついてきてほしい今週の予想はこちら。
- 1着:クロワデュノール
- 2着:マスカレードボール
- 3着:ショウヘイ
Geminiの1着予想はクロワデュノール。2歳王者の復権に賭けた形だ。父と母父の血から距離延長はプラスになる可能性が高いとの公算で、皐月賞で最後まで粘ろうとしたパフォーマンスから根性の部分も評価。血統のスタミナ色や皐月賞でのパフォーマンスから材料は他馬より多いとし、本命の評価となったようだ。
2番手にはマスカレードボールを指名。父ドゥラメンテに母父ディープインパクトという血統はGeminiに言わせれば「ダービーを勝つために配合されたかのような」馬とのこと。皐月賞でも3着でしっかりと能力の高さを証明し、ホープフルステークスでの大敗除けば成績も安定していることを評価ポイントとした。
3番手には京都新聞杯を制してダービーに滑り込んだショウヘイを推した。既に2,200をこなしていることから距離に不安はなく、鞍上と厩舎の実績も評価。1枠2番も絶好で、上位馬と比べG1レース経験がなく地力が未知数ではあるものの3着には足るとした。
意外だったのは皐月賞馬ミュージアムマイルを3着以内に挙げなかったこと。世代トップの1頭とは認めつつも、父リオンディーズの産駒の距離適性は主にマイルから中距離だとし今回評価を下げたようだ。その他サトノシャイニングは鞍上が魅力なものの大外枠を克服するだけの力があるかは微妙、ファンダムは距離を不安視した。
おすすめの穴馬も尋ねたところ、Chat GPTと同じくレディネスを推薦。鞍上の横山典弘は昨年のダービーを制しているベテランというところもあって、人気以上の走りがあるかもとのことだ。
スポーティングニュース日本版編集部の日本ダービー予想はこちら!
各AIの予想の考察
今週も三者三様の予想が見られた。やはりミュージアムマイルを推すか、クロワデュノールを推すかがバラけたところで、前者を推したChat GPTとGrokも僅差での評価になったようだ。
興味深かったのはChat GPTとGeminiが穴馬として挙げたレディネス。土曜日時点では9番人気だが、たしかに前走トライアル勝ちの末脚は鮮烈。無視はできない不気味な存在だ。ハイレベルな一戦となりそうな今年の日本ダービー、予想の絞り込みに行き詰まった時にはAIの力を借りるのもアリかもしれない。
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