6月1日(日)、東京競馬場で日本ダービー(G1、芝2400メートル)が行われる。3歳馬頂点を決める戦いに今年も豪華メンバーが名を連ねた。主役はホープフルS覇者で断然1番人気が想定されるクロワデュノール(牡3、斉藤崇)。皐月賞の雪辱を果たせるか。
2冠をねらう皐月賞馬ミュージアムマイル(牡3、高柳大)、同3着で出世レース・共同通信杯覇者のマスカレードボール(牡3、手塚)がそれに待ったをかける。今年も見逃せない戦いが府中で繰り広げられる。
日本ダービー2025 予想のポイント
過去10年で1番人気はわずか2勝。同10年の優勝馬でその後国内G1を勝利した馬はわずか3頭。力通りの決着にはなりづらく、その時点での調子や完成度、レースの流れによって着順が大きく変わるのが特徴だ。
展開の想定
今年の特徴は「明確な逃げ馬の不在」と「ファウストラーゼンの存在」の2つだ。逃げ馬が不在だとペースは流れ辛い。同様だった昨年ダービーはスローになり、内を通った馬と先行馬に流れが向いた。その結果、ラチ沿いをロスなく運んだ伏兵の9番人気ダノンデサイルが勝利。今年もスローになった場合、内枠の馬と道中をロスなく運んだ先行馬が優位になる。
しかし、そこでもう1つの特徴「ファウストラーゼンの存在」が大きなポイントになる。同馬は3戦連続でまくり(レースの途中で位置を上げること)をみせており、今回も同様の手段を取ることが考えられる。レースの途中で同馬のような動きがあると、先行馬はマイペースで運ぶことが厳しくなり、途端に不利になる。鞍上が杉原騎手からM・デムーロ騎手に変わったことで戦法が変わることも想定される。週中の関係者のコメントをチェックし、まくりが想定される場合は差し馬を。まくりがない場合は先行馬に流れが向くと考え、予想をしたい。
日本ダービー2025 出走馬全頭調教診断
近年の好走馬の調教パターンは1週前の内容が濃い。併せ馬を追走の形からスタートし、直線馬なりで先行馬に並びかけ、仕掛けの合図が送られると一瞬にして加速して併せ馬を置き去りにする形。それらに似た形で追い切られている馬を高く評価したい。
以下、全頭診断では各馬の1週前と最終追いの動きに関してポイントを記した。最後に全頭の調教評価を5段階で記した。
エムズ
最終追い:ウッド単走追い。リズム重視で追い切られる。スムーズな動きでまずまずといったところ。
エリキング
1週前追い:ウッド追走の形でスタート。馬なりで先行馬に並ぶことはできなかったが、促されてからの加速力は一級品。フットワークが大きく東京が向きそうだが、まだ完成は先か。
最終追い:前走同様坂路単走馬なり。フットワークも前走並みで調子はまずまず。
カラマティアノス
1週前追い:ウッド追走の形でスタート。道中頭高く、物見しながら先行馬に並びかけるなど、まだ幼さ残る。手応えからももう少し突き放して欲しかった。
当週追い:ウッド追走の形でスタート。池添騎手騎乗の効果か、1週前より集中力増す。手前の替えも右回り時よりスムーズ。
クロワデュノール
1週前追い:ウッド2頭追走の形でスタート。大外を回りながらも馬なりで先行馬に追いつき、やや強めのサインを送るだけで突き抜ける。好走パターンだ。
当週追い:ウッド追走の形でスタート。前走の最終追い切りでなかなか替えられなかった手前をスムーズに替えられていた。状態良化は間違いない。
サトノシャイニング
1週前追い:ウッド追走の形でスタート。馬なりで楽々と相手に並びかけ、仕掛けられてからはじわじわと伸びる。時計自体も前走よりも大きく詰めてきた。
当週追い:前走同様坂路単走追い。仕掛け方など一緒だったが、時計は大幅良化。状態は前走以上か。
ショウヘイ
1週前追い:ウッド追走+先行の形でスタート。馬なりで直線は抜け出し、終始楽な反応で先着した。スイッチが入ると首が深く沈み込むことから、体の連動が上手な馬。状態はよさそう。
当週追い:前走同様Pコース単走追い。前走以上に負荷を掛けていることから、本気度がうかがえる。毛ヅヤは大幅に上昇、体も全体が大きく使えている。フットワークも大きく、東京向き。
ジョバンニ
1週前追い:ウッド追走の形でスタート。馬なりで直線は並びかけ、そのまま抜け出す。ほぼ馬なりで好時計を記録した前回よりもインパクトは薄いが、完成度は高い。
当週追い:前走同様坂路単走追い。1週前の時計が弱かった分と騎手騎乗の分か、スムーズな動きで時計が良化。
トッピボーン
1週前追い:坂路単走追い。大きく追われることなく、楽な動きでスムーズに登坂。負荷としては軽めか。
当週追い:坂路追走の形でスタート。終始大きく促されることはなかったが、楽に先行馬に並びかけてそのまま置き去る。馬体も仕上がっていて調子はよさそう。
ドラゴンブースト
1週前追い:坂路で追走の形でスタート。終始手応えは良く、促されてから加速して先着。もう少し突き抜けてほしかった気持ちもあるが、まずまず。
当週追い:初の最終追いウッド単走追い。負荷が弱い分手前最後まで替えず。上積みなく。
ニシノエージェント
1週前追い:ウッド2頭追走の形でスタート。手応え良く直線に入るが、促されてから突き抜けた前走とは一変、反応せず。右回り向きか。
当週追い:追走の形でスタート。右回りだった前走最終追いは同様の負荷で楽に手前を替えたが、今回は替えず。プラスの印象なく。
ファイアンクランツ
1週前追い:ウッド追走の形でスタート。終始馬なりで併入。現状維持を主眼に置いた調整内容で、負荷は軽め。上積みは期待しづらい。
当週追い:ウッド先行の形でスタート。終始大きく仕掛けられることなく併入。坂路だった前回から一転、ウッドで追い切られたことはプラスだが、今年4戦目なだけに上積みは望めない。
ファウストラーゼン
1週前追い:ウッド追走の形でスタート。終始促されることなく併入。明らかに時計と内容ともに負荷が軽くなっており、前走ハイペースでのまくりによる疲れを想像させてしまう。
当週追い:坂路で追走の形でスタート。馬なりで併入。1週前の負荷が弱かった分と併せ馬を行った分、前走より時計は良化。馬体は維持しているものの、前走がメイチか。
ファンダム
1週前追い:ウッド追走+先行の形でスタート。馬なりながら躍動感満点のフットワークで直線へ。大きく先行した僚馬に対し軽く促すだけで追いつくと、反応を加えられるとより大きいフットワークで相手を置き去った。文句なし。
最終追い:ウッド追走+先行の形でスタート。終始大きく促されることなく併入でフィニッシュ。2週連続3頭併せの真ん中と負荷は抜群。仕上がった。
ホウオウアートマン
最終追い:坂路単走追い。直線半ばから追われるとスピードアップ。中1週でも出来は維持。
マイユニバース
最終追い:坂路単走追い。シュタルケ騎手に追われ、勢いよく登坂。調子はいい。
マスカレードボール
1週前追い:ウッド追走+先行の形でスタート。馬なりで直線に入ると、やや促されて先着。今回のメンバーでは最高級のフットワークの持ち主で明らかに東京向き。全体時計の負荷が弱かったのは気になるが、素質はずば抜けている。
当週追い:坂路で追走の形でスタート。合図を出されるとスッと加速し簡単に先着。フットワークも見栄えする。
ミュージアムマイル
1週前追い:ウッド追走の形でスタート。手応え良く直線に。仕掛けられると加速のスピードはじわじわ。フットワークもまずまずでダービー向きではないが、状態は維持かそれ以上。
当週追い:坂路で追走併入。動きは前走同様で文句はつけられない。あとは適性の問題。
リラエンブレム
1週前追い:ウッド追走+先行の形でスタート。前進気勢の強さが気になるが、手前を全く変えられなかった前走1週前とは別馬のような動き。フットワーク良く、一変してきた。
最終追い:坂路単走。終始馬なりだったが、フットワークが良く、馬体も輝いている。出来はいい。
レディネス
1週前追い:ウッド単走扱いだが、同タイミングで調教が始まった他馬たちとは異なる動き。馬なりで終始追われたが全体時計も速く、状態はいい。
当週追い:ウッド単走。リズム重視で運ばれる。調子の維持は出来ている。
調教全頭評価一覧
ここでは出走予定18頭の調教の動きをS、A、B、C、Dの5段階で判定する。Sが最高評価で、是が非でも買いたい。Aは好評価。買いたい。Bは悪くはない馬。買いたい。Cは状況を見て抑えたい馬。Dは今回は見送りか。
- S:ファンダム
- A:クロワデュノール、マスカレードボール、
- B:ショウヘイ、リラエンブレム、ミュージアムマイル、サトノシャイニング、エリキング、ジョバンニ
- C:カラマティアノス、トッピボーン、ファイアンクランツ、レディネス、マイユニバース、エムズ
- D:ドラゴンブースト、ニシノエージェント、ファウストラーゼン、ホウオウアートマン
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