ヨーロッパ王者パリ・サンジェルマン(PSG)がアメリカでクラブワールドカップに出場している最中、フランスリーグから衝撃的なニュースが発表された。
フランスの名門クラブ、リヨンがリーグ・ドゥ(2部)へ降格するという決定が下されたのだ。リーグ・アンで7度の優勝、チャンピオンズリーグ準決勝進出を2度経験したクラブが、下部リーグに追いやられることとなった。
昨シーズン、リヨンはリーグ戦を5位で終えており、通常であれば降格圏に該当しない。したがって、この決定は多くの人にとって混乱を招くものとなっている。
なぜリヨンはリーグ・ドゥに降格したのか?
フランスサッカーの統括機関は火曜日、同国屈指のビッグクラブであるオリンピック・リヨンが、財政上の問題と経営難のためにリーグ・ドゥに降格することを発表した。
昨年11月には、DNCG(フランスサッカー経営管理総局)により暫定的に降格処分を受けており、それ以降もクラブの状況改善の取り組みは、DNCGの納得を得られなかった。
『レキップ』によれば、リヨンの会長ジョン・テクスターとフットボールディレクターのミヒャエル・ゲルリンガーが決定当日の火曜日にDNCGに対して行った最終的な弁明も、1部残留への説得には至らなかったという。
その数日前、テクスターは保有していたプレミアリーグのクリスタル・パレスの45%の株式(評価額2億ユーロ)を売却。さらに夏には、主力フォワードのライアン・シェルキをマンチェスター・シティに4200万ユーロで売却していた。
「我々はここ数週間、さまざまな投資を行ってきた。財政面は問題ない」と、テクスターは数日前に『レキップ』に語っていた。
なお、リヨンにはこの決定に対して異議申し立てをする権利があり、『Get French Football News』によれば、クラブは当然その方針で動いている。
リヨンの財政状況はどれほど悪いのか?
昨年秋、リヨンは約5億500万ユーロ(約532.6億円)の負債を報告しており、そのうち短期債務は1億6170万ユーロにのぼり、前年より6100万ユーロ増加していた。
この問題を緩和するため、リヨンはアメリカ女子プロサッカーリーグ(NWSL)のクラブ「OLレイン(現レインFC)」を売却し、さらに自クラブが所有するスタジアム「グルパマ・スタジアム(OLヴァレ・アリーナ)」の持ち株も手放している。
しかし『レキップ』は、これらによる資金流入がDNCGの審査に間に合わなかった可能性を指摘している。
リヨンの今後はどうなるのか?
まず、リヨンはこの降格処分に対して異議申し立てを行うことができ、そして実際に行う予定である。もしその異議申し立てが却下された場合、リヨンは来シーズン、リーグ・ドゥで戦うことになる。クラブはすぐに1部へ再昇格を目指す戦力を保持しつつも、財政の立て直しという難しいバランスを求められる。
シェルキの売却により一時的な資金は得られるが、戦力の面では大きな痛手となっている。さらに、アレクサンドル・ラカゼット、ネマニャ・マティッチ、コランタン・トリッソなど、高額年俸の主力選手を売却する必要もあるかもしれない。
また、昨季の成績により獲得したヨーロッパリーグの出場権も危うい状況にある。『GetMetSport』のベン・ジェイコブズによると、UEFAの「クラブ財務管理委員会(CFCB)」はまだリヨンの状況を審査しておらず、その審査結果によってはリヨンが出場権を失い、代わりにストラスブールにその座が譲られる可能性もあるという。
原文:Why were Lyon relegated? French giants sent down to Ligue 2 amidst massive financial issues, can appeal
翻訳:小鷹理人(スポーティングニュース日本版)
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