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タイガースのスコット・ハリスGMはすでにタリク・スクーバル抜きの未来を受け入れている?

石山修二 Shuji Ishiyama

Matt Sullivan

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デトロイト・タイガースはタリク・スクーバルという現在のメジャーリーグ(MLB)屈指の好投手を擁している。このサウスポーは2026年シーズン後にフリーエージェントとなるため、タイガースが頂点を目指すチャンスもこの先、自ずと限られてくるのではと懸念されている。

タイガースの野球部門社長であるスコット・ハリス氏は、地元紙『デトロイト・フリープレス』のエヴァン・ペッツォルド氏の記事の中で、スクーバルのいる間が優勝を狙うチャンスだと考える、いわゆる『スクーバル・ウィンドウ』について心配はしていないと明かした。

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この言葉、裏を返せば、ハリス氏がすでにスクーバルをデトロイトに引き留める自信がないと示唆しているようにも受けとれる。

「タリック・スクーバルは確かに先頭に立って、チームを引っ張っている」とハリス氏は述べた。「しかし、現在ビッグリーグにも才能あふれる選手は大勢いるし、システムを昇格してきている選手たちもいる。私は今の状況を『ウィンドウ』と見ていない」

ハリス氏は、スクーバルが現在のチームにとって不可欠な存在であると言う一方で、スクーバルの他にも貢献できる選手は数多くいると指摘している。

組織内に強力な選手層があることは良い兆候だ。2026年に『スクーバル・ウィンドウ』が終わった時、タイガースは確実に他の選手への依存を高めることになるからだ。

ハリス氏はスクーバルがチームを離れたとしてもこのチームの「ウィンドウ」が閉じる、つまり優勝のチャンスがなくなるわけではないと言っている。そしてスクーバルがフリーエージェントとしてチームを離れる懸念は認めながら、『スクーバル・ウィンドウ』そのものを信じていないとしてさらに説明した。

「決して将来のために現在を犠牲にしようとしているわけではない」とハリス氏は語った。「ただ、ポストシーズン進出はできる限り毎年達成すべきことなので、ウィンドウという概念が自分の頭には浮かんでこないだけだ」

確かに毎年ポストシーズンへ進出することは目標とすべきものだ。だが、2024年にア・リーグのサイ・ヤング賞を受賞し、再度の受賞も視野に入れているスクーバルのような投手がいれば、ポストシーズン進出への道のりを確実に後押ししてくれることだろう。

『スクーバル・ウィンドウ』を信じないと言うハリス氏のコメントはスクーバルのいない未来を示唆する。スクーバルを残留させることへの自信を示すことで「ウィンドウ」を否定するわけではなく、ロスター上のスクーバル以外の選手たちに焦点を当てることで「ウィンドウ」を否定しようとしている。

そもそもスクーバル残留に自信があるのなら、『スクーバル・ウィンドウ』は存在しないし、懸念材料にもならない。しかし、ハリス氏はスクーバル残留ではなく他の選手の活躍で「ウィンドウ」の懸念を払拭しようとしている。

ハリス氏の言葉は、すでにスクーバル不在の未来を受け入れているかのように聞こえてくるのだ。

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原文:Scott Harris's comments on Tarik Skubal show Tigers don't feel confident in keeping him
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)

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石山修二 Shuji Ishiyama

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。生まれも育ちも東京。幼い頃、王貞治に魅せられたのがスポーツに興味を持ったきっかけ。大学在学時に交換留学でアメリカ生活を経験し、すっかりフットボールファンに。大学卒業後、アメリカンフットボール専門誌で企画立案・取材・執筆・撮影・編集・広告営業まで多方面に携わり、最終的には副編集長を務めた。98年長野五輪でボランティア参加。以降は、PR会社勤務・フリーランスとして外資系企業を中心に企業や団体のPR活動をサポートする一方で、現職を含めたライティングも継続中。学生時代の運動経験は弓道。現在は趣味のランニングで1シーズンに数度フルマラソンに出場し、サブ4達成。

Matt Sullivan

Matt Sullivan is a freelance writer for The Sporting News, predominantly covering MLB. Matt is a native of Pennsylvania and has worked with Athlon Sports, Last Word on Sports, and other outlets.