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マリナーズのブライアン・ウーがヤンキース相手に7回までノーヒットの好投を見せた理由

コントリビューター
石山修二 Shuji Ishiyama
コントリビューター
Anthony Licciardi
マリナーズのブライアン・ウーがヤンキース相手に7回までノーヒットの好投を見せた理由 image

Mandatory Credit: Steven Bisig-Imagn Images

現地10日(木)の夜、シアトル・マリナーズのファンは野球の試合には9イニングあると決めた野球の神様に罵声を浴びせたかったに違いない。

先発のブライアン・ウーは7回まで全く打たれる気配のない見事な投球を続けていた。8回にジャズ・チザムJr.がノーヒットノーランのピッチングを破るまで、ニューヨーク・ヤンキースをほぼ完璧に抑えて見せた。だが、その好投は報われなかった。

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チザムの初ヒットの後、続くヒットと犠牲フライを許し、5-1となったところでウーはマウンドを降りた。その直後ジャンカルロ・スタントンがホームランを放った。

さらに9回、リリーフしたアンドレス・ムニョスが同点にされると、タイブレークの10回、アーロン・ジャッジが3塁にランナーを置いた状態で打席に入った。それで勝負ありだった。

シアトルは6-5で敗れ、このシリーズ3連敗となった。ただマリナーズがこの先、挽回を目指す中、ウーがアメリカン・リーグの最強打線をいかに抑えたかは考えてみる価値がありそうだ。

ウーが見せた配球の違い

木曜日のウーの投球は、投球の組み合わせにこれまでと大きな違いがあった。

103球のうち、10球がスイーパー、9球がチェンジアップ、5球がシンカー、3球がスライダーだった。つまり、残りの76球はすべてフォーシームの速球だった。

ヤンキースが速球に対して強いチームであることを考えると、ウーがこの日、これほど速球に頼ったことは驚くべきことだ。そして他の試合とは明確な違いを見せていた。

ウーはこれまでの18試合の先発登板中10試合で、ファストボール(サブカテゴリーとして)を70%以上投げてきた。しかし、これまではシンカーが重要な役割を果たし、総投球数の19%から42%を占めていた。しかしこの試合ではシンカーの割合はわずか4.8%しかなかった。

ウーは主にストライクゾーン高めに投げ込んで、空振りを10度記録した他、打者の内角をついて6つの見逃しストライクを記録した。ヤンキースの強打者たちに対して恐れずに積極的に攻めた結果、その攻撃性が報われた形だ。

ただ一つ、目立った例外もあった。それは対ジャッジの投球だ。ウーはこの日、スイーパーを10球投げたが、その全てがジャッジに対して投げられたもので、速球は3球、シンカーは1球しかなかった。変化球を外角低めに集めたのが功を奏し、1つの三振と2つのフライアウトに打ち取った。

最終的にウーは7.1イニングを投げ、2安打、2失点、2四球、5奪三振を記録し、防御率を2.59に下げ、初のオールスターゲーム出場を勝ち取った。

ウーがこの先もこの速球とシンカーの組み合わせを続けると期待するのは少し大胆かもしれない。だが必要に応じて速球を頼りにできるとすれば、さらなる勝利につながるだろう。シアトルがプレーオフ進出を果たすには、この日苦戦したブルペンのリリーフ陣の活躍に期待したいところだ。

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原文:Mariners' Bryan Woo nearly threw no-hitter vs. Yankees by spamming one pitch
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)


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