夏の新潟が開幕! イクイノックスやリバティアイランドも歩んだ“出世ロード”に注目馬が続々登場

加藤雅大 Masahiro Kato

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(Jiji Press)

夏競馬も折り返し地点。今週から札幌・新潟・中京の3会場が開催を迎える。その中でも、新潟競馬場の2歳戦は、見逃せない注目の舞台。クラシックを見据えた素質馬たちが続々と出走を控える。

これまでにもアーモンドアイやイクイノックス、リバティアイランド、リスグラシューなど、数々の名馬が新潟でデビュー。なぜ、これほどまでに新潟から大物へと成長するのか?その背景とともに、今年の注目馬たちを一挙に紹介していく。

イクイノックス・リバティアイランドも歩んだ道

すでに常識となりつつあるが、夏の新潟開催はまさに出世の登竜門。オルフェーヴルやアーモンドアイやイクイノックス、リバティアイランドがこのコースでデビューを果たし、その後の活躍へと繋げている。

新潟デビューの主なGⅠ馬

  • オルフェーヴル
  • リスグラシュー
  • アーモンドアイ
  • ラッキーライラック
  • ウシュバテソーロ
  • イクイノックス
  • リバティアイランド

なぜ新潟芝は“出世ロード”なのか?

新潟競馬場の芝コースは内回りと外回りのコース設計。特に外回りを使用する新潟芝1600m・1800mは、最後の直線は658.7mと日本の競馬場では最長の舞台。馬群がばらけやすいため、紛れが少なく、真っ向勝負の形になりやすい。

夏競馬で開催される他の会場(札幌・函館・中京・福島・小倉)は、いずれのコースも小回りや展開の偏りが結果に影響しやすいコース形態。新潟芝コースは良血馬がその資質をストレートに発揮できる舞台となる。

まだ経験の浅い馬にとってデビューからの数戦は、今後を占う重要なレース。瞬発力を活かす競馬は、今後の舞台へ向けて大きく繋がっていく。これこそが新潟芝から大物が続出する最大の理由だ。

C.ルメール騎手は昨年から主戦場を新潟へシフト

これまで北海道シリーズを中心に騎乗していたルメール騎手だが、昨年からは新潟開催を主戦場にシフト。その背景には、素質馬たちがクラシックを見据えてこの新潟芝でデビューするケースが増えていることが大きな要因。

3週間の夏休みに入っていたが、この新潟開催から復帰。今年もルメール騎手に合わせて、いきなり多くの有力馬が新潟で出走を予定している。

マスカレードボール・エンブロイダリーがクラシックで好走

昨年はこの新潟でデビューしたマスカレードボールが、皐月賞・日本ダービーで好走。また未勝利戦ではあるものの、キャリア初白星を挙げたエンブロイダリーは、桜花賞を制している。

このように、新馬戦だけでなく未勝利戦からも後のクラシック候補が生まれるのが、夏の新潟開催の特徴。この夏に新潟で出走を予定している素質馬に目が離せない。

今夏 新潟芝で出走予定の注目馬

◆ プロメサアルムンド 8/3(日)新潟4R・芝1600m 2歳新馬出走予定

父モーリス× 母アーモンドアイ
史上最多G1 9勝アーモンドアイの2番仔が新潟でデビュー。母のデビューも新潟だっただけに、同じ舞台での初陣は感慨深い。コンビを組むのは母の主戦騎手を務めたC.ルメール騎手。

◆ フィロステファニ 7/27(日)新潟3R・芝1600m 2歳新馬出走予定

父エピファネイア × 母スキア
半兄には皐月賞馬ソールオリエンス、ドバイターフ2着のヴァンドギャルドがいる血統。兄姉の勝ち上がり率も高く期待は大きい。コンビを組むのは短期免許で来日中のR.キング騎手。

◆ ペルウィクトール 7/27(日)新潟3R・芝1600m 2歳新馬出走予定

父サートゥルナーリア× 母ウィクトーリア
母ウィクトーリアはフローラS覇者、祖母ブラックエンブレムは秋華賞馬という良血馬。調教からもかなりの素質を感じさせる動きで、初戦から十分勝ち負けできる逸材。

◆ ゾロアストロ 7/27(日)新潟2R・芝1800m 2歳未勝利出走予定

父モーリス × 母アルミレーナ
近親に日本ダービー4着のグレートマジシャンがいる血統。デビュー戦となった東京芝1600mでは、痛恨の出遅れで勝ちきれず。それでもしっかりと追い上げる脚を見せており、2戦目で確実に勝利を手にしたいところ。

今年の夏も、クラシックを見据えた素質馬たちが新潟芝で出走を予定。瞬発力が問われるコースで、その素質をどこまで証明できるか。新たな主役候補が、ここから現れる。

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加藤雅大 Masahiro Kato

スポーティングニュース日本版コンテンツライター。愛知県出身。大学卒業後、テレビ局でスポーツ番組の制作に携わり、幅広い競技に関わる中でスポーツの奥深さに魅了される。現在はスポーツライターとして活動しており、競馬を中心に、野球やサッカーも担当。レースや試合の展望はもちろん、データや戦術、駆け引きといった要素にも注目。多角的な視点からスポーツの魅力を伝える。