4歳世代が重賞8連勝中! 2025年競馬界を席巻するダノンデサイルら“黄金世代”の快進撃

加藤雅大 Masahiro Kato

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Jiji Press

2025年の競馬界で圧倒的な存在感を放っているのが現4歳世代だ。北九州記念でヤマニンアルリフラが重賞初制覇。これで古馬平地重賞では目黒記念から4歳馬が8連勝。すでに4歳馬の古馬平地重賞勝利数は年間22勝に到達し、世代別では最多となっている。

4歳世代が古馬G1を4連勝

まず特筆すべきは、上半期の古馬G1戦線での快進撃。天皇賞・春でヘデントールが初のG1タイトルを掴むなど、4歳馬が1〜4着まで独占。ヴィクトリアマイルでもアスコリピチェーノ・クイーンズウォークがワンツー決着。その後も安田記念をジャンタルマンタル、宝塚記念をメイショウタバルが制し、上半期の古馬G1を4歳馬の4連勝で締め括った。それぞれ異なる4歳馬が勝ち取っており、世代全体の層の厚さを物語っている。

上半期 4歳世代の中央G1勝ち鞍

  • 5/4(日) 天皇賞・春:ヘデントール(牡4)
  • 5/18(日) ヴィクトリアM:アスコリピチェーノ(牝4)
  • 6/8(日) 安田記念:ジャンタルマンタル(牡4)
  • 6/15(日) 宝塚記念:メイショウタバル(牡4)

サウジカップデーの日本馬4勝はすべて4歳世代 さらにドバイでも戴冠

また上半期は国内にとどまらず、海外の大舞台でも4歳世代の活躍が光った。2月に行われたサウジカップデーでは、香港最強馬ロマンチックウォリアーと壮絶な叩き合いを制したフォーエバーヤングら日本馬が4勝を挙げたが、その全てが4歳馬によるものだった。さらに4月のドバイシーマクラシック(G1)では、この世代のダービー馬ダノンデサイル(牡4)が世界の強豪を下して優勝。4歳世代が世界でも通用することを示した。

上半期 4歳世代の海外勝ち鞍

  • 2/22(土) サウジC(G1):フォーエバーヤング(牡4)
  • 2/22(土) ネオムターフC(G2):シンエンペラー(牡4)
  • 2/22(土) 1351ターフスプリント(G2):アスコリピチェーノ(牝4)
  • 2/22(土) レッドシーターフH(G2):ビザンチンドリーム(牡4)
  • 4/5(土) ドバイシーマクラシック(G1):ダノンデサイル(牡4)

※日付は全て現地時間

6月以降は4歳世代が“古馬平地重賞8連勝中”

6月以降に行われた古馬平地重賞では、目黒記念から先週の北九州記念まで4歳世代が驚異の8連勝中。短距離から中長距離、あらゆる条件で結果を残している。

4歳世代の勢いは連勝だけではない。7月7日(月)時点で、4歳世代における今年の古馬平地重賞での勝利数は22勝で全世代中最多。勝率・連対率・複勝率すべてで、圧倒的な成績を残している。

2025年 古馬平地重賞 世代別成績

  • 4歳世代【22-16-14-97/149】勝率14.8% 連対率25.5% 複勝率34.9%
  • 5歳世代【12-14-11-177/214】勝率5.6% 連対率12.1% 複勝率17.3%
  • 6歳世代【6-9-11-148/174】勝率3.4% 連対率8.6% 複勝率14.9%
  • 7歳世代【3-3-3-53/62】勝率4.8% 連対率9.7% 複勝率14.5%

また中央競馬の成績に加えて、先日行われた上半期ダートの大一番・帝王賞では、ミッキーファイト(牡4)が勝利。芝だけでなく、ダートでも主役の座を奪っている。

6月以降の古馬平地重賞勝ち馬

  • 6/1(日) 目黒記念:アドマイヤテラ(牡4)

  • 6/8(日) 安田記念:ジャンタルマンタル(牡4)

  • 6/14(土) 函館スプリントS:カピリナ(牝4)

  • 6/15(日) 宝塚記念:メイショウタバル(牡4)

  • 6/22(日) 府中牝馬S:セキトバイースト(牝4)

  • 6/22(日) しらさぎS:キープカルム(牡4)

  • 6/29(日) 函館記念:ヴェローチェエラ(牡4)

  • 7/6(日) 北九州記念:ヤマニンアルリフラ(牡4)

勝てない世代はいない? 4歳馬は「全路線の主役」に

ここまでの結果を見る限り、4歳世代はほぼすべての路線で主役級の馬を送り出している。唯一、芝スプリントではまだG1勝利がないものの、今夏にはカピリナとヤマニンアルリフラが重賞を制覇。秋のスプリント戦線でも主役に名乗りを上げる可能性は十分にある。

各路線 4歳世代の主な有力馬

  • スプリント:カピリナ、ヤマニンアルリフラ
  • マイル:ジャンタルマンタル、アスコリピチェーノ
  • 中長距離:ヘデントール、ダノンデサイル、ビザンチンドリーム
  • ダート:フォーエバーヤング、ミッキーファイト、サンライズジパング

さらに、昨年有馬記念を制したレガレイラや菊花賞馬アーバンシックら、春に力を発揮できなかった実力馬も待機しており、秋以降は各路線でより熾烈な主役争いが展開される可能性もある。

世界の大舞台へ続々挑戦 夏以降も主役はこの世代か

夏以降も、4歳世代の有力馬は次々と海外G1へ挑戦する。今春の実績を見れば、世界の一線級とも十分戦える力があるのは証明済み。日本馬の「世界制覇」の鍵を握るのは、この世代になるかもしれない。

今年海外遠征を予定している主な4歳馬

  • 8/17(日) 仏・ジャックルマロワ賞:アスコリピチェーノ
  • 8/20(水) 英・インターナショナルS:ダノンデサイル、ヘデントール
  • 9/13(土) 愛・チャンピオンS:シンエンペラー
  • 10/5(日) 仏・凱旋門賞:ビザンチンドリーム
  • 11/1(土) 米・BCクラシック:フォーエバーヤング

※日付は全て現地時間

全路線で躍動する“4歳世代” 勢いは秋以降も続くか

今年4歳世代は短距離から長距離、さらにはダートまで国内外を問わず、あらゆる条件で存在感を示してきた。

特定の馬に偏ることなく、世代全体で主役を張れる馬たちが揃っていることが、この世代の圧倒的な強みだ。さらに重賞勝利を挙げた馬に加え、夏競馬で新たな4歳馬が頭角を現すかもしれない。

この先は、クロワデュノールら3歳世代との対決や、海外G1への参戦が続いていく。今後の戦いで4歳世代はどんな進化を遂げるのか、期待が膨らむ。

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加藤雅大 Masahiro Kato

スポーティングニュース日本版コンテンツライター。愛知県出身。大学卒業後、テレビ局でスポーツ番組の制作に携わり、幅広い競技に関わる中でスポーツの奥深さに魅了される。現在はスポーツライターとして活動しており、競馬を中心に、野球やサッカーも担当。レースや試合の展望はもちろん、データや戦術、駆け引きといった要素にも注目。多角的な視点からスポーツの魅力を伝える。