【セレクトセール 2025】イクイノックス、初年度産駒がセール上場へ“史上最高額”の行方は?

加藤雅大 Masahiro Kato

【セレクトセール 2025】イクイノックス、初年度産駒がセール上場へ“史上最高額”の行方は? image

(Jiji Press)

 

競走馬市場最大のイベントが、今年も間もなく幕を開ける。7月14日(月)・15日(火)に北海道・苫小牧市のノーザンホースパークで開催される「JRHAセレクトセール2025」。サラブレッド1歳馬・当歳馬を対象とする日本最大級のセリで、国内外のオーナーがこぞって参加する。

昨年は2日間で総額289億円超という過去最高の取引総額を記録。1歳セールではキタサンブラック産駒「デルフィニアⅡの2023」(競走馬名:エムズビギン)が税込6億4900万円で落札され、税込価格としては歴代最高額を更新した。

今年も1歳馬・当歳馬ともに200頭以上が上場予定。注目は、初年度産駒を迎えるイクイノックスや、年々価値を高めるキタサンブラック産駒、そして億超えが確実視される良血馬たち。2025年もまた、記録に残るセールとなるか。

キタサンブラック産駒 再びの歴代最高額更新なるか?

セレクトセールの主役の一角を担うのは、今年のダービー馬クロワデュノールを輩出したキタサンブラック。初年度からG1 6勝馬イクイノックスを送り出すなど、その種牡馬価値は年々上昇。芝・ダートを問わず産駒が躍動しており、今や父としても確固たる地位を築いている。

昨年は「デルフィニアⅡの2023」(競走馬名:エムズビギン)が税込として過去最高額となる税込6億4900万円で取引され、話題をさらった。今年は1歳馬、当歳馬で計24頭が上場を予定している。

1歳馬の注目は、国内外でG1 2勝の母に持つ「ノームコアの2024」や、プリモシーン・ダノンエアズロックの半弟にあたる「モシーンの2024」など。いずれもセール前から注目を集めており、再び歴代最高額の更新も視野に入るラインナップとなっている。

イクイノックス産駒登場!初年度の評価は?

今年の最大の注目と言えるのが、イクイノックス産駒の初上場。キタサンブラックの代表産駒として歴史的名馬となったイクイノックスは、数々の実績を残し2023年末に現役を引退。2024年から種牡馬入りし、その初年度産駒が当歳馬としてこのセレクトセールに登場する。

種付け料はいきなり2000万円に設定され、キズナやキタサンブラックと並ぶ国内最高額。期待の大きさがうかがえる。

当歳馬25頭が上場予定の中で、筆頭格は「ミッドナイトビズーの2025」。母は米国でダートG1を5勝した名牝で、ノーザンファームの吉田勝己氏が550万ドル(約8億円)にて購買した超良血繁殖馬。セリのスタート価格にあたるリザーブ価格が、すでにこのセール最高額となる1億円に設定されており、超高額落札が確実視されている。

そのほかにも、半兄に昨年セレクトセールで5億7200万円の値がついた「コンヴィクションⅡの2023」(競走馬名:サガルマータ)を持つ「コンヴィクションⅡの2025」や、アルゼンチンG1馬を母に持つ「グローバルビューティの2025」など、注目馬が多数揃う。初年度から大物誕生なるか、期待は高まるばかり。

億超え確実!その他注目産駒たち

キタサンブラック、イクイノックス以外にも、注目すべき血統馬は多数いる。

中でも話題を集めそうなのが、サートゥルナーリア産駒となる「ヤンキーローズの2024」。半姉リバティアイランドは2023年に牝馬三冠を達成した名牝。先日香港での悲劇はニュースでも報じられた。過去に同血統からは「ヤンキーローズの2021」(競走馬名:ダノンモンブラン)が4億超えで取引された実績も。設定されたリザーブ価格は1億円で、超高額の取引を予感させる。

また、レイデオロ産駒「フォエヴァーダーリングの2024」にも注目。半兄はサウジCなどを制し世界で名を馳せるフォーエバーヤング。やや低迷している父レイデオロで、取引価格にどれほど反映されるかは大きな焦点。

セレクトセール2025 注目馬

7月14日(月)1歳

  • 「コンヴィクションⅡの2024」牡馬 父:キタサンブラック
  • 「モシーンの2024」牡馬 父:キタサンブラック 半姉:プリモシーン/半兄:ダノンエアズロック
  • 「サザンスターズの2024」牡馬 父:キタサンブラック 半姉:スターズオンアース
  • 「ノームコアの2024」牡馬 父:キタサンブラック おば:クロノジェネシス
  • 「ヤンキーローズの2024」牡馬 父:サートゥルナーリア 半姉:リバティアイランド
  • 「フォエヴァーダーリングの2024」牡馬 父:レイデオロ 半兄:フォーエバーヤング/半姉:ブラウンラチェット
  • 「アスコルティの2024」めす 父:コントレイル 半姉:アスコリピチェーノ

7月15日(火)当歳

  • 「シュガーハートの2025」牡馬 父:コントレイル 半兄:キタサンブラック
  • 「ミッドナイトビズーの2025」牡馬 父:イクイノックス
  • 「デアリングバードの2025」牡馬 父:コントレイル 半姉:デアリングタクト
  • 「リッスンの2025」牡馬 父:スワーヴリチャード 半兄:サトノルークス
  • 「スタニングスターの2025」牡馬 父:ナダル おば:ソウルスターリング
  • 「コンヴィクションⅡの2025」めす 父:イクイノックス

今年もまた、新たな歴史が生まれるか

日本競馬の未来を占う2日間、「JRHAセレクトセール2025」。昨年以上の熱気と話題性、そして過去最高額の更新なるか。

加藤雅大 Masahiro Kato

スポーティングニュース日本版コンテンツライター。愛知県出身。大学卒業後、テレビ局でスポーツ番組の制作に携わり、幅広い競技に関わる中でスポーツの奥深さに魅了される。現在はスポーツライターとして活動しており、競馬を中心に、野球やサッカーも担当。レースや試合の展望はもちろん、データや戦術、駆け引きといった要素にも注目。多角的な視点からスポーツの魅力を伝える。