レーバー・カップとは?『テニス界のライダーカップ』の歴史、過去の対戦成績一覧

Joe Wright

石山修二 Shuji Ishiyama

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2025年のレーバー・カップは9月にサンフランシスコで開催される。チーム・ワールドは昨年チーム・ヨーロッパに劇的な展開で奪われたタイトルの奪還を目指す。

2017年に創設されたばかりのこの大会は、男子テニスの歴代名選手たちによって多くの印象的な瞬間を生み出してきた。今年の大会も例外ではないだろう。

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過去の実績ではチーム・ヨーロッパが優位だが、チーム・ワールドも過去3大会で2勝を挙げ、前回大会は2ポイント差の惜敗だった。2025年のレーバー・カップはこれまでで最も激しい戦いとなる可能性を秘めている。

ここではレーバー・カップの歴史を改めて紐解くとともに過去の戦績を紹介する。

レーバー・カップとは?

レーバー・カップは2017年から毎年開催されているテニストーナメントだが、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により中止となった。

通常、屋内のハードコートで開催されるこのトーナメントでは、ヨーロッパの選手で構成される『チーム・ヨーロッパ』と、ヨーロッパ以外の選手で構成される『チーム・ワールド』の2チームの男子選手各6名ずつが対戦する。

レーバー・カップは個人タイトルではなくチームとして競うという点で、ゴルフのライダーカップというよりはテニスのデビスカップと似た大会だ。各チームの編成は、その年の6月の全仏オープン後の月曜日のATPシングルスランキングで出場資格を得る3人と、キャプテンが選出する3人の選手でチームを構成する。

Laver Cup 2024

レーバー・カップのフォーマット、スコアリング

レーバー・カップでは3日間のトーナメント期間中、シングルス9試合とダブルス3試合が行われる。各試合の勝利は、1日目1ポイント、2日目2ポイント、3日目3ポイントとしてカウントされる。そして13ポイントを先取したチームの勝利となる。

3日目終了時点で両チームが12ポイントで並んだ場合には、タイブレイクが行われる。

選手は参加費と、チームが優勝した場合には25万ドルの賞金プールから分配される賞金を受け取る。ただし、これはATP公認のイベントであるものの、このトーナメントでATPツアーの個人ポイントは発生しない。

レーバー・カップの歴代優勝チーム・試合結果

過去の対戦成績はチーム・ヨーロッパが5勝、チーム・ワールドが2勝でチーム・ヨーロッパがリードしている。ヨーロッパは最初の4回ですべて勝利を収めたが、ロンドンのO2アリーナで開催された2022年大会で 13-8 で敗れた。この大会では、ロジャー・フェデラー(スイス)が引退前の最後の試合として、長年のライバルであるラファエル・ナダル(スペイン)とダブルスを組んで出場した。

Roger Federer
Getty Images for Laver Cup

優勝チームスコア準優勝チーム開催地
2024チーム・ヨーロッパ13 - 11チーム・ワールドドイツ・ベルリン
2023チーム・ワールド13 - 2チーム・ヨーロッパカナダ・バンクーバー
2022チーム・ワールド13 - 8チーム・ヨーロッパイギリス・ロンドン
2021チーム・ヨーロッパ14 - 1チーム・ワールドアメリカ・ボストン
2020----
2019チーム・ヨーロッパ13 - 11チーム・ワールドスイス・ジュネーブ
2018チーム・ヨーロッパ13 - 8チーム・ワールドアメリカ・シカゴ
2017チーム・ヨーロッパ15 - 9チーム・ワールドチェコ・プラハ

レーバー・カップで最も勝利を挙げている選手は?

レーバー・カップで最も成功を収めている選手と言えば、チーム・ヨーロッパの 5 回の優勝に貢献しているアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が挙げられる。

過去、この大会に5回出場した選手はズベレフとフランシス・ティアフォー(アメリカ)0の2人しかいない。

出場試合数と勝利試合数では、いずれもジャック・ソック(アメリカ)が最多(16試合に出場して10勝)となっている。

ズベレフはトーナメントでの合計獲得ポイント数(21ポイント)の最多記録を保持しており、カルロス・アルカラス(スペイン)は1大会での最多勝利数(2024年に8勝)を記録している。

原文:What is the Laver Cup? History, all-time results of tournament considered 'Ryder Cup of tennis'
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)


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Senior Editor

Joe Wright

Joe Wright is a Senior Editor at Sporting News, overseeing global soccer and multisport. He was previously a sub editor and writer for Goal.com before spending six years as part of the Stats Perform news service, covering major global sports news, data analytics, features and video content. Joe has extensive experience covering some of the biggest events in football, including two UEFA Champions League finals, Euro 2016, the Confederations Cup 2017 and the 2018 World Cup, which included the final in Moscow.

石山修二 Shuji Ishiyama

スポーティングニュース日本版アシスタントエディター。生まれも育ちも東京。幼い頃、王貞治に魅せられたのがスポーツに興味を持ったきっかけ。大学在学時に交換留学でアメリカ生活を経験し、すっかりフットボールファンに。大学卒業後、アメリカンフットボール専門誌で企画立案・取材・執筆・撮影・編集・広告営業まで多方面に携わり、最終的には副編集長を務めた。98年長野五輪でボランティア参加。以降は、PR会社勤務・フリーランスとして外資系企業を中心に企業や団体のPR活動をサポートする一方で、現職を含めたライティングも継続中。学生時代の運動経験は弓道。現在は趣味のランニングで1シーズンに数度フルマラソンに出場し、サブ4達成。