本サイトに掲載されているリンクから商品の購入やサービスの契約をされた場合、本サイトが収益を得ることがあります。

メッシが選ぶ自身の生涯ベストゴールとは? 5人抜きかW杯決勝かそれとも…? 本誌記者も選出

コントリビューター
Kyle Bonn
コントリビューター
小山亮 Akira Koyama
メッシが選ぶ自身の生涯ベストゴールとは? 5人抜きかW杯決勝かそれとも…? 本誌記者も選出 image

「リオネル・メッシ自身が選ぶキャリアベストゴールは何か?」そんな疑問を抱いたことはないだろうか。

史上最高のフットボーラーと称されるメッシが、自身の輝かしいキャリアの中で最もお気に入りのゴールを選出した。その選択は、インテル・マイアミCF財団のプロモーション活動の中で明らかになった。

本記事では、メッシ本人が選んだキャリアベストゴールを紹介するとともに、スポーティングニュース編集部の記者5名がそれぞれ選出したベストゴールと比較しながら、その魅力に迫っていく。

▶AmazonでMLSグッズをチェック!

記者が選ぶ、メッシの至高のゴール5選

2015年CL準決勝 バイエルン・ミュンヘン戦のゴール



バイエルン戦で決めたゴールは、もはやサッカーという競技を超えて”芸術”と評されるべき領域に達していた。彼のドリブルに対応しきれず、バランスを崩したジェローム・ボアテングが倒れ込む場面は、CL史に深く刻まれる象徴的なシーンとなっている。

このゴールには、メッシの卓越した判断力と即興性が凝縮されており、さらに左足に注目されがちな彼だが、このシーンでは右足でもトップレベルのクオリティを誇ることを証明した。しかも、CLという最高の舞台で、名門バイエルンの守護神マヌエル・ノイアーを相手にこのゴールを決めたのだ。—ジョアン・カスタネイラ記者

2011年CL準決勝 レアル・マドリード戦の2点目

2011年4月、わずか17日間の間に3つの大会をまたいで4試合が行われた”クラシコ・ワールドシリーズ”が繰り広げられた。ペップ・グアルディオラ率いるバルセロナとジョゼ・モウリーニョ率いるレアル・マドリードのライバル関係は、かつてないほどの激しい敵対心に包まれており、前者がリーグ戦を、後者がコパ・デル・レイ決勝を制し、国内の主要タイトルを分け合う形となっていた。

しかし、このシリーズのハイライトは間違いなくチャンピオンズリーグ準決勝であり、その試合で素晴らしいゴールが生まれた。メッシはセンターライン付近からセルヒオ・ブスケツへパスを出した後、彼の軽いボールタッチを受け取りに走る。その絶妙なアシストに応えるように、「ここは俺に任せろ」と言わんばかりにボールを受け取った。

彼はまず、ラサナ・ディアラを置き去りにし、セルヒオ・ラモス、ラウール・アルビオル、マルセロを次々と抜き去った。そして倒れこみながらも、利き足でない右足でイケル・カシージャスのゴールを射抜いた。対戦相手や状況、そして厳しいマークを受け続けた中でのこのゴールは、まさに純粋な天才の輝きと言えるだろう。—ジョー・ライト記者

2007年コパ・デル・レイ準決勝 ヘタフェ戦のゴール

19歳のメッシが決めたあのゴールは、彼のキャリアの中でもなお、頂点に位置すると言っても過言ではない。すべてはこの瞬間から始まり、彼は別格の存在として君臨していくことになる。

メッシが持ち合わせていた数々の世界最高レベルのスキルの中で、最初に際立ったのは、代名詞ともいえるドリブルだった。バルセロナの若きスターは自陣でボールを受け取ると、キーパーを含む5人を抜き去る。角度のない位置から放たれたボールは、戻ってきた守備選手の頭上を越えてネットを揺らした。

相手の動きを事前に読み切るようなその一連のプレーは、まさに彼にしかできない芸当だろう。―カイル・ボン記者

2015年コパ・デル・レイ決勝 アスレティック・クラブ戦のゴール

メッシのベストゴールを選ぶなら、2007年のヘタフェ戦、2011年のレアル・マドリード戦、2022年W杯のメキシコ戦も捨てがたい。いずれも難易度やシチュエーションが申し分ないからだ。だが、それらを差し置いて、2015年のコパ・デル・レイ決勝のアスレティック・クラブ戦のゴールこそ、完璧な”ゴラッソ”であり、かつ重要な一撃として際立っていると考える。

中盤付近でボールを受けたメッシは、目も眩むような技術で4人のディフェンダーをかわし、完璧なシュートを突き刺した。この貴重な先制点は、スアレスやネイマールとともにMSNトリオを形成し、バルセロナのシーズン3冠をけん引したメッシの活躍を象徴する一幕となった。— オーガスティン・アボイ記者

2022年FIFAワールドカップ決勝 フランス戦の2点目

利き足ではない足でキーパーのセーブ後に押し込み、ディフェンダーにギリギリ阻まれそうになり、さらにVARの判定見直しまであった変則的なシュートが、メッシのベストゴールになり得るのか?5人、6人、7人も抜き去った華麗なドリブルや、伝説級の強烈シュートがたくさんあるのに?答えは「イエス」だ。理由は簡単で、史上最高のW杯決勝で生まれたゴールだからである。

2022年カタールW杯決勝の延長後半、フランス戦でメッシが決めた2点目は、その重要性も含めて間違いなく彼の最高傑作にちがいない。たとえキリアン・エムバペがその後チームをPK戦に持ち込み、勝利に望みをつないだとしても、このゴールこそが私が選ぶ最高の瞬間だ。— マウリシオ・コドセア記者

メッシ自身が選ぶキャリア最高のゴールとは?

これまで5人の記者がメッシの名ゴールを紹介してきたが、本人が最も気に入っているゴールは一体どれなのか?

2025年5月22日、インテル・マイアミCF財団のイベントにおいて、メッシが挙げた自身のベストゴールはこれだ。
 

「ローマのゴール」と呼ばれるこの一撃は、メッシの比類なきキャリアの中でも傑作中の傑作といえる。今回、このゴールは現代アーティストのレフィク・アナドルによってアート作品として再構築される。すべてはインテル・マイアミCF財団とその慈善活動を支援するためだ。

2009年CL決勝、マンチェスター・ユナイテッドを相手に、バルセロナが1-0でリードして迎えた場面で、シャビのクロスにメッシが頭で合わせた。体を反らせながら放たれたヘディングは、守護神ファン・デル・サールの頭上を抜け、ゴールの右隅に突き刺さった。空中戦を得意としないメッシにとっては異色ともいえるこのゴールだが、だからこそ彼自身がこの得点に感銘を受けたのかもしれない。

「決まった瞬間の意味合い、何を成し遂げたか、忘れられない1年を締めくくったこと。自分にとって最も意味のあるゴールは、あのマンチェスターとの決勝で決めたヘディングゴールだ」とメッシは語った。

このゴールを題材にしたアート作品は、6月11日に公開予定である。

原文:What is Lionel Messi’s best goal? Selecting his top stunners from Barcelona, Argentina, others
翻訳:小山亮(スポーティングニュース日本版)