散々たるシーズンを終えたマンチェスター・ユナイテッドは、この夏にチームを全面的に再編し、再び栄光を取り戻すための正念場を迎えている。
プレミアリーグ最終節を前に、ユナイテッドは悲惨にもリーグ16位に沈んでおり、数週間前からクラブ史上最悪の順位が確定していた。
ルベン・アモリム監督は続投し、戦術を植え付けるためのプレシーズンをフルに活用する予定とされており、夏の移籍市場でチームに自身の色を打ち出す絶好のタイミングとなっている。
ヨーロッパの舞台での不振により巨額の賞金を逃したユナイテッドにとって、この夏どれだけの資金を使えるのかは、国内外の競争力を取り戻すうえで極めて重要な要素となる。
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ヨーロッパリーグ決勝敗退で失った収益はどれほど?
2025年のヨーロッパリーグ決勝でトッテナムに1-0で敗れたことで、ユナイテッドは2つの大きな財政的チャンスを逃した。
まず、優勝賞金590万ユーロ(約9億6000万円)を逃した。しかし、これは失った金額の“氷山の一角”にすぎない。
本当の損失は、チャンピオンズリーグ出場権を逃したことによるもので、その出場だけで保証される報酬は1860万ユーロ(約30億1600万円)にのぼる。それに加え、グループステージでの1勝ごとに210万ユーロ、引き分けで70万ユーロ、さらにノックアウトラウンドに進出すれば追加報酬も見込めた。
マンチェスター・ユナイテッドが使える移籍資金はいくら?
特定のクラブが正確にどれだけの移籍資金を使えるかを知るのは難しいが、いくつかの報道により目安となる数字が示されている。
ガーディアン紙のジョナサン・ウィルソンによれば、ユナイテッドはこの夏、選手売却なしで約1億ポンド(約1億1900万ユーロ)の資金を使える見込みとされており、マテウス・クーニャやリアム・デラップといった攻撃陣の補強には売却を伴わないとのことだ。
一方、ESPN FCのガブリエレ・マルコッティとマーク・オグデンによれば、その金額はやや低く8000万ポンド(約9480万ユーロ)と報じられており、これはヨーロッパリーグを制していれば得られたはずの1億3000万ポンドから減額された数字だという。
ESPNの報道では、今夏に1200万〜1500万ポンド分の年俸が帳簿から消える見込みで、追加の売却があればさらに減る可能性もあるという。また、近いうちに大型契約の延長交渉も必要ない。
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ユナイテッドは資金調達のために選手を売却するのか?
前述のガーディアン紙の報道によれば、ユナイテッドは移籍資金を調達するために必ずしも選手を売る必要はないとされているが、さらなる補強が必要と判断すれば売却に踏み切る可能性もある。
同報道では、ヨーロッパリーグ決勝でベンチスタートとなり不満を示したアレハンドロ・ガルナチョに対して、クラブがオファーを受け入れる姿勢であると報じている。
また、今季終了後にローンから復帰する4選手。マーカス・ラッシュフォード、アントニー、タイレル・マラシア、ジェイドン・サンチョの去就も整理しなければならない。4人ともシーズン後半にそれぞれ異なる形で他クラブでプレーしていた。
Manchester Evening Newsによれば、これら4選手すべてが市場に出される見込みで、さらに不調のストライカー、ラスムス・ホイルンドも放出候補となっているという。ユナイテッドはわずか2年前に彼の獲得に7800万ユーロを費やしていた。