ジャンルイジ・ドンナルンマの移籍の噂|PSG守護神がマンチェスター・シティと「契約合意」か

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Kyle Bonn
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小鷹理人 Masato Odaka
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ジャンルイジ・ドンナルンマは、ACミランからパリ・サンジェルマンへ衝撃的な移籍以来、ワールドクラスのキャリアを歩んできた。

このイタリア人守護神は、10代の有望株としての期待に応え、世界で多くのタイトルを獲得し、ワールドクラスのGKの一人へと成長した。26歳にしてPSGをクラブ初のチャンピオンズリーグ制覇に導き、バロンドール2025の候補にも名を連ねた。

しかし、この夏、その栄光は一気に崩れ落ちた。クラブは後任候補を獲得し、ドンナルンマを今後の構想から外そうとしている。

スポーティングニュースは、ドンナルンマが欧州制覇からわずか数か月でPSGを去る可能性が高い理由と、その移籍先候補を解説する。

ドンナルンマ移籍の最新の噂とは?

最新の報道によれば、ドンナルンマはプレミアリーグに可能性がある。8月12日、彼がマンチェスター・シティと個人条件で合意したとされ、今後はシティがPSGと交渉できる段階に入ったという。マンチェスター・ユナイテッドも関心を持っていると伝えられている。

PSGはドンナルンマとの対立で強硬姿勢を崩さず、このイタリア人GKは退団が濃厚と見られている。

ドンナルンマは、昨季CL王者とEL王者が激突するUEFAスーパーカップ(対トッテナム)のメンバーから外された。ルイス・エンリケ監督はこれは自分の判断だと主張し、新シーズンは新たな守護神で臨みたいと説明した。

この夏、PSGはリールからGKリュカ・シュヴァリエを4000万ユーロで獲得しており、ドンナルンマは構想外となった。本人も監督の判断に「失望し、落胆している」と語っている。

一部では、ドンナルンマが残留して定位置争いをする可能性も報じられているが、スーパーカップからの除外は、PSGが今季のプランに彼を含める意思がないことを強く示すものであり、来夏にフリーで失うより今売却したほうが良いという明確なメッセージになっている。

少なくとも、PSGでの時間は大幅に制限されるか、すでに終わっている可能性が高い。

ドンナルンマがPSGの新契約を拒否した理由とは?

ドンナルンマの現行契約は来夏で満了するため、PSGは契約延長を提示した。

しかしタブロイド紙の報道によれば、その契約内容には年俸を現行の1,000万ユーロから800万〜900万ユーロに減額する案が含まれていたという。このため、正式な契約オファーに至る前に交渉は事実上頓挫したとされる。

26歳で全盛期にある世界屈指のGKに対する年俸減額案は、本人にとって侮辱と映っても不思議ではない。しかもドンナルンマはヤシン・トロフィー(世界最優秀GK賞)の最有力候補であり、2025年バロンドール候補30人の中で唯一のGKでもある。

こうした背景から、減額案はクラブからの「退団勧告」と受け取られても仕方なく、彼が契約を拒否したのは当然ともいえる。

ドンナルンマの移籍先は?

PSGでの状況から、ドンナルンマの市場価値は能力と実績に比して意外なほど低くなっている。

報道によれば、契約が残り1年であり、クラブが売却を望んでいるため、移籍金はわずか3000万ユーロ(1ユーロ=172円換算で約51億円。以下同)程度になる可能性があるという。ただし、ドンナルンマが年俸を現行の1000万ユーロから1200万ユーロに引き上げようとしていることが、多くのクラブにとって足かせとなりうる。

有力な移籍先としてまず挙がったのはマンチェスター・ユナイテッドだ。正GKアンドレ・オナナの不振で新守護神探しを進めているが、ブライアン・エンベウモ、マテウス・クーニャ、ベンヤミン・シェシュコの獲得で資金難が指摘されており、さらに欧州大会に出場しない今季の状況も、トップGKを説得するには不利に働く。

一方、同じ都市のクラブ、マンチェスターのシティも動きを見せている。今夏にGKジェームズ・トラフォードを獲得しているが、正守護神エデルソンの去就が不透明で、ドンナルンマの存在が新SDウーゴ・ヴィアナにとって魅力的に映っているという。

8月12日、移籍専門ジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏はガラタサライがエデルソン獲得でシティに接触し、シティもドンナルンマ獲得の可能性を探っていると報じた。

最も理にかなっている移籍先はバイエルン・ミュンヘンかもしれない。39歳のマヌエル・ノイアーは衰えが見え、契約も来夏で切れる。バイエルンにとって、世界的な後継者を迎える絶好の機会になる可能性がある。

さらにサウジアラビア勢も忘れてはならない。アル・ヒラルはヤシン・ブヌが守護神だが、アル・ナスルはベントやナワフ・アルアキディの上位互換として動く可能性があり、アル・イティハドもGK補強を検討できる。

バイエルンやユナイテッドが動かない場合、他クラブにもチャンスが広がるだろう。プレミアの多くの上位クラブはGKが安定しているが、チェルシーやニューカッスルのような移籍に積極的なクラブは、この低めの移籍金に惹かれるかもしれない。

仏『RMCスポーツ』は、ユナイテッドとチェルシーがドンナルンマに注目していると報じているが、チェルシーは現状のGK陣に満足しており、獲得レースには加わっていないとの情報もある。

原文:Gianluigi Donnarumma transfer news, latest rumours as 'disheartened' PSG goalkeeper 'agrees terms' with Man City
翻訳:小鷹理人(スポーティングニュース日本版)

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