イングランドサッカーのリーグカップは1960年に創設された。1960-1961シーズンを皮切りに、これまで23クラブが優勝を果たしている。イングランドサッカーリーグが運営し、イングランドの上位4ディビジョンの全92クラブがタイトルを競う。
優勝クラブには、UEFAヨーロッパリーグ(UEL)のプレイオフラウンド出場権が与えられる。プレミアリーグでトップ5に入り、すでにUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)やUELの出場資格を持つクラブがリーグカップで優勝した場合は、プレミアリーグの6位チームに権利が移行する(FAカップ優勝クラブがプレミアリーグのトップ6入りチームだった場合は7位に移行)。
ここでは、イングランド・リーグカップの最多優勝クラブなどをまとめる。
カラバオカップ(リーグカップ)最多優勝クラブ
特に優勝回数が多い4クラブは以下のとおりだ。
リバプール
- 優勝:10回
- 準優勝:4回
- 優勝年:1981年、1982年、1983年、1984年、1995年、2001年、2003年、2012年、2022年、2024年
直近の2024年に優勝したリバプールは、通算優勝回数でトップに立っている。
2024年は延長戦の末にチェルシーを1-0で下して優勝。その2年前にも同じチェルシーを相手にPK戦の末に戴冠を果たした。
2000-2001シーズンにはバーミンガムをPK戦の末に5-4で下し、リーグカップ、FAカップ、UEFAカップの三冠を達成している。
マンチェスター・シティ
- 優勝:8回
- 準優勝:1回
- 優勝年:1970年、1976年、2014年、2016年、2018年、2019年、2020年、2021年
近年、カラバオカップで強力な存在となったのがマンチェスター・シティだ。ジョゼップ・グアルディオラ監督の下で2017-2018シーズンから2020-2021シーズンまで4連覇を達成した。
2021年4月に行われたトッテナム戦では、82分にケビン・デ・ブルイネのフリーキックからアイメリク・ラポルテのヘディングで1-0と勝利している。
連覇に終止符を打たれたのは2021年10月。ロンドン・スタジアムでのラウンド16でウェストハムにPK戦で3-5と敗れた。
マンチェスター・ユナイテッド
- 優勝:6回
- 準優勝:4回
- 優勝年:1992年、2006年、2009年、2010年、2017年、2023年
マンチェスター・ユナイテッドは2023年のカラバオカップ決勝でニュカーッスルを下し、6年ぶりの優勝を果たした。
通算優勝回数は6回だが、そのうち5回が2006年以降に果たしたものだ。リバプールとともに、10回超の決勝進出回数を誇る。
ユナイテッドはサー・アレックス・ファーガソンの下、5年間で3回の戴冠を果たした。ファーガソン体制では1992年にも優勝している。そのほかにオールド・トラフォードのクラブでリーグカップを制した指揮官は、ジョゼ・モウリーニョとエリク・テン・ハーフだ。
アストン・ビラ
- 優勝:5回
- 準優勝:4回
- 優勝年:1961年、1975年、1977年、1994年、1996年
通算優勝回数で4位のアストン・ビラだが、最後に優勝したのは決勝でリーズ・ユナイテッドを下した1996年だ。
ここ20年はなかなか大会を上位で終えることができていない。だが、2009-2010シーズンと2019-2020シーズンで決勝に駒を進めている。
ただ残念ながら、ユナイテッドとシティのマンチェスター勢に敗れ、どちらも優勝には至っていない。
カラバオカップ歴代優勝クラブ(1961~2024年)
カラバオカップでは、有力と見られていなかったチームが金星をあげて成功することもあった。常に各ディビジョンのチームにチャンスがあり、21世紀に入ってからもスウォンジー・シティやミドルスブラといったクラブが戴冠を果たしている。
イングランドサッカー界はリソースの格差が広がっているかもしれない。それでも、トーナメント形式の大会では常にサプライズの可能性がある。
1961年から2024年までのカラバオカップ優勝クラブは以下のとおりだ。
| 優勝年 | 優勝 | 準優勝 | 決勝スコア |
|---|---|---|---|
| 2024 | リバプール | チェルシー | 1-0(延長) |
| 2023 | マンチェスター・ユナイテッド | ニュカーッスル | 2-0 |
| 2022 | リバプール | チェルシー | 0-0(PK) |
| 2021 | マンチェスター・シティ | トッテナム | 1-0 |
| 2020 | マンチェスター・シティ | アストン・ビラ | 2-1 |
| 2019 | マンチェスター・シティ | アーセナル | 0-0(PK) |
| 2018 | マンチェスター・シティ | アーセナル | 3-0 |
| 2017 | マンチェスター・ユナイテッド | サウサンプトン | 3-2 |
| 2016 | マンチェスター・シティ | リバプール | 1-1(PK) |
| 2015 | チェルシー | トッテナム | 2-0 |
| 2014 | マンチェスター・シティ | サンダーランド | 3-1 |
| 2013 | スウォンジー | ブラッドフォード・シティ | 5-0 |
| 2012 | リバプール | カーディフ・シティ | 2-2(PK) |
| 2011 | バーミンガム・シティ | アーセナル | 2-1 |
| 2010 | マンチェスター・ユナイテッド | アストン・ビラ | 2-1 |
| 2009 | マンチェスター・ユナイテッド | アストン・ビラ | 0-0(PK) |
| 2008 | トッテナム | チェルシー | 2-1 |
| 2007 | チェルシー | アーセナル | 2-1 |
| 2006 | マンチェスター・ユナイテッド | ウィガン | 4-0 |
| 2005 | チェルシー | リバプール | 3-2 |
| 2004 | ミドルスブラ | ボルトン | 2-1 |
| 2003 | リバプール | マンチェスター・ユナイテッド | 2-1 |
| 2002 | マンチェスター・シティ | アストン・ビラ | 2-1 |
| 2001 | リバプール | バーミンガム・シティ | 1-1(PK) |
| 2000 | レスター | トレンメア | 2-1 |
| 1999 | トッテナム | レスター | 1-0 |
| 1998 | チェルシー | ミドルスブラ | 2-0 |
| 1997 | レスター | ミドルスブラ | 1-0 |
| 1996 | アストン・ビラ | リーズ・ユナイテッド | 3-0 |
| 1995 | リバプール | ボルトン | 2-1 |
| 1994 | アストン・ビラ | マンチェスター・ユナイテッド | 3-1 |
| 1993 | アーセナル | シェフィールド・ウェンズデイ | 2-1 |
| 1992 | マンチェスター・ユナイテッド | ノッティンガム・フォレスト | 1-0 |
| 1991 | シェフィールド・ウェンズデイ | マンチェスター・ユナイテッド | 1-0 |
| 1990 | ノッティンガム・フォレスト | オールダム | 1-0 |
| 1989 | ノッティンガム・フォレスト | ルートン・タウン | 3-1 |
| 1988 | ルートン・タウン | アーセナル | 3-2 |
| 1987 | アーセナル | リバプール | 2-1 |
| 1986 | オックスフォード・ユナイテッド | QPR | 3-0 |
| 1985 | ノリッジ | サンダーランド | 1-0 |
| 1984 | リバプール | エバートン | 1-0 |
| 1983 | リバプール | マンチェスター・ユナイテッド | 2-1 |
| 1982 | リバプール | トッテナム | 3-1 |
| 1981 | リバプール | ウェストハム | 2-1 |
| 1980 | ウォルバーハンプトン | ノッティンガム・フォレスト | 1-0 |
| 1979 | ノッティンガム・フォレスト | サウサンプトン | 3-2 |
| 1978 | ノッティンガム・フォレスト | リバプール | 1-0 |
| 1977 | アストン・ビラ | エバートン | 3-2 |
| 1976 | マンチェスター・シティ | ニュカーッスル | 2-1 |
| 1975 | アストン・ビラ | ノリッジ | 1-0 |
| 1974 | ウォルバーハンプトン | マンチェスター・シティ | 2-1 |
| 1973 | トッテナム | ノリッジ | 1-0 |
| 1972 | ストーク・シティ | チェルシー | 2-1 |
| 1971 | トッテナム | アストン・ビラ | 2-0 |
| 1970 | マンチェスター・シティ | ウェスト・ブロム | 2-1 |
| 1969 | スウィンドン | アーセナル | 3-1 |
| 1968 | リーズ・ユナイテッド | アーセナル | 1-0 |
| 1967 | QPR | ウェスト・ブロム | 3-2 |
| 1966 | ウェスト・ブロム | ウェストハム | 5-3(合計) |
| 1965 | チェルシー | レスター | 3-2(合計) |
| 1964 | レスター | ストーク | 4-3(合計) |
| 1963 | バーミンガム | アストン・ビラ | 3-1(合計) |
| 1962 | ノリッジ | ロッチデール | 4-0 (合計) |
| 1961 | アストン・ビラ | ロザラム | 3-2(合計) |
※この記事はスポーティングニュース国際版の記事を翻訳し、日本向けに一部編集を加えたものとなります。
翻訳:坂東実藍
編集:スポーティングニュース日本版編集部
