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【NFL】ラマー・ジャクソンとジョシュ・アレン、MVPに値する活躍を見せたQBはどっちだ?

コントリビューター
Vinnie Iyer
コントリビューター
石山修二 Shuji Ishiyama
【NFL】ラマー・ジャクソンとジョシュ・アレン、MVPに値する活躍を見せたQBはどっちだ? image

NFLの年間最優秀選手賞(MVP)はすっかり、MVPの賞となっている。2024年シーズンは、ワイルドカードプレーオフに登場する2人のクォーターバック(QB)、ラマー・ジャクソン(ボルティモア・レイブンズ)とジョシュ・アレン(バッファロー・ビルズ)の争いとなっている。

MVPの次の栄冠というべき年間最優秀攻撃選手の候補には、セイクワン・バークリー(フィラデルフィア・イーグルス)、ジョー・バロウ、ジャマール・チェイス(いずれもシンシナティ・ベンガルズ)といった選手たちが挙げられるが、MVP候補となるとジャクソンとアレンの2人は飛び抜けた存在となっている。

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ジャクソンはすでにMVPを2度受賞しており、ジム・ブラウン(元クリーブランド・ブラウンズ)、ジョニー・ユナイタス(元ボルティモア・コルツほか)、ブレット・ファーヴ(元グリーンベイ・パッカーズほか)、ペイトン・マニング(元デンヴァー・ブロンコスほか)、トム・ブレイディ(元ニューイングランド・ペイトリオッツ)、そしてアーロン・ロジャース(ニューヨーク・ジェッツ)という、3回以上MVPを獲得した6人のエリート選手たちの仲間入りを狙っている。そうなれば、プロフットボール名誉の殿堂入りは有力といっていいだろう。

また、ジャクソンがもし今年MVPを獲得すれば、ブラウン、ファーヴ、マニング、ロジャース、ジョー・モンタナ(元サンフランシスコ・49ナーズほか)に次ぐ史上6人目の2年連続MVP受賞者となる。

それらの栄冠を阻止するかもしれない存在がアレンだ。アレンが受賞すれば、1991年のサーマン・トーマス以来となるビルズからのMVP受賞者になる。

ここでは、ジャクソンとアレン、どちらがMVPにふさわしいか、2人のスタッツを比較していく。

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ラマー・ジャクソン vs ジョシュ・アレン:パス成績比較

スタッツラマー・ジャクソンジョシュ・アレン
パス成功率66.763.6
パス獲得ヤード4,1723,731
パスプレー1回あたりの獲得ヤード8.87.7
タッチダウン・パス数4128
インターセプション46
QBレイティング119.6101.4

両選手とも17試合に先発出場し、第18週はジャクソンがゲームの大半に出場したのに対し、アレンは最初のスナップだけしか出場しなかった。その上で両者の数字を比較すると、2024年シーズンはジャクソンの方がより優れたパフォーマンスをみせ、しっかりと結果を残した、効率的なパサーであったということができるだろう。

また、ジャクソンは過去にMVPを受賞した2019年、2023年を上回る、自身のキャリアイヤーというべき活躍を2024年に見せている。2023年、パスプレー1回あたりの獲得ヤード、QBレーティングではジャクソンがトップだったが、タッチダウン数、パス獲得ヤードではバロウがトップの座を占めていた。

アレンのインターセプト数がキャリアで最も少ない6本だったことは称賛に値するが、他の記録はどれも個人的なキャリアハイでもなければ、2024年のリーグトップの数字でもない。単純に数字だけを並べて比較すれは、ジャクソンに軍配が上がる。アレンはランニングゲームでこの評価を覆すことができるだろうか。

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ラマー・ジャクソン vs ジョシュ・アレン ラン成績比較

主要QBスタッツラマー・ジャクソンジョシュ・アレン
ラン獲得ヤード915531
ランプレー1回あたりの獲得ヤード6.65.2
タッチダウン・ラン数412

ラン成績でも、ジャクソンが2つのカテゴリーでアレンを上回っている。唯一アレンが上回ったのはタッチダウン・ランの数で、ジャクソンの3倍の数字をマークしている。だが、パス・ランを合計したタッチダウン数で見れば、ジャクソンの45個に対してアレンは40個とジャクソンに軍配が上がる。

レイブンズのランニングバック、デリック・ヘンリーは、1回平均5.9ヤードで16回のラッシングTDを記録している。一方、ビルズのランニングバック、ジェームズ・クックは、1回平均4.9ヤードで16回のタッチダウンを記録しており、その数はヘンリーと並んでリーグトップタイだ。違いがあるとすれば両者のキャリー回数で、レイブンズがヘンリーを325回走らせたのに対し、クックのキャリー数は207回に留まった。

ランニングが勝敗を分ける要素であるとすれば、アレンにはジャクソンが与えられているようなラニングゲームはない。お互いの対戦も含め、ビッグゲームでの活躍が決め手となる。

ラマー・ジャクソン vs ジョシュ・アレン:戦績 

ジャクソンはレイブンズを12勝5敗の成績に導き、今年もAFC北地区のタイトルを獲得した。一方のアレンは13勝4敗、こちらもAFC東地区のタイトルを獲得している。アレンは実質的に第18週でプレーしていないため、両者の勝ち星の差は2つといっていいだろう。この勝ち星の差が、その他のスタッツの差を埋めるだけの意味を持つと考えられるだろうか。

アレンは最も注目度の高い2つの試合、チーフスとライオンズという両カンファレンスの第1シードとの対戦で勝利を収めている。一方のジャクソンは、NFC第2シードのチーフスとイーグルスとの大一番にそれぞれ敗れている。だがコマンダーズ、バッカニアーズ、ブロンコス、チャージャース、スティーラーズ、テキサンズ、そしてアレン率いるビルズにも勝利しているので、プレーオフ出場チームの半数から勝利を収めている計算になる。

直近の試合結果は別にして第4週に時計を巻き戻すと、レイブンズはビルズとの直接対決で35対10の勝利を収めている。この試合、アレンがラン・パス合計201ヤードを獲得、タッチダウンを奪えなかったのに対し、ジャクソンはパスで156ヤード、2タッチダウン、ランで54ヤード、1タッチダウンを記録している。

ジャクソンはこれまで、アレンよりも自分がMVPにふさわしいと3度にわたって主張している。それが妥当か、もう1度考えてみよう。

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ラマー・ジャクソン vs ジョシュ・アレン: 最も価値あるMVP選手は?

詰まるところ、NFLのMVPを決める上で重要なのは、AP通信社の集計で最も多くの票を獲得することだ。アレンの方が「注目度の高い活躍」をしたという見方もある。アレンのパフォーマンスにはドラマチックなものが多く、より効率的なクォーターバックとしての復活劇を披露しているからだ。

一方のジャクソンは華々しい活躍をコンスタントに見せ続けてきた。NFLで最も難しいのは、素晴らしい活躍を続けることであるのは誰もが認めている。ジャクソンは昨シーズンよりも良い成績を収めており、ライバルと言える存在はもはや自分自身だけといっていいだろう。

オッズと票数からアレンの方がMVP受賞に有利と考えられているが、ジャクソンが2024年に(またしても)オールラウンドな活躍で他のクォーターバックを圧倒したことを考えると、その選択は大きな間違いと言えるだろう。

原文:Lamar Jackson vs. Josh Allen: The key stats you need to know in 2025 NFL MVP debate
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)