NFL史上最年少のスーパーボウル優勝ヘッドコーチが誕生…36歳22日のマクベイ以前に若き指導者たちの歴史あり

コントリビューター
Edward Sutelan
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ショーン・マクベイは史上最年少でNFLチームのヘッドコーチになった。史上最年少でスーパーボウルに進出したヘッドコーチになった。そして、この輝かしい経歴に新たな勲章がさらに加わった。

2月13日(日本時間14日)、ロサンゼルス・ラムズは本拠地SoFiスタジアムで行われたスーパーボウル56でシンシナティ・ベンガルズを23-20のスコアで下し、スーパーボウル・チャンピオンの称号を獲得した。ラムズがスーパーボウルを制覇するのはチーム史上2度目、そしてロサンゼルスにおいては初めての出来事だった。

マクベイは40歳未満でスーパーボウル優勝を達成した史上3人目のヘッドコーチとなった。後の2人はマイク・トムリン(ピッツバーグ・スティーラーズ)とジョン・グルーデン(タンパベイ・バッカニアーズ)である。

マクベイの偉業は、ほかの若きヘッドコーチの中でどのような位置を占めるのか。スポーティングニュースは探ってみた。

NFL史上最年少のスーパーボウル優勝ヘッドコーチ

マクベイは歴史を作った。NFL史上最年少でロンバルディ・トロフィーを掲げたヘッドコーチになったのだ。マクベイはその日の年齢が36歳と20日だった。それ以前に最年少記録を保持していたマイク・トムリン(ピッツバーグ・スティーラーズ)は36歳10か月と17日で迎えたスーパーボウル43でアリゾナ・カーディナルスを27-23のスコアで下している。

ヘッドコーチチーム年齢スーパーボウル
ショーン・マクベイラムズ3656
マイク・トムリンスティーラーズ3643
ジョン・グルーデンバッカニアーズ3937
ジョン・マッデンレイダース4011
ジョー・ギブスワシントン4317
チャック・ノールスティーラーズ439
ドン・シュラドルフィンズ437
トム・フローレスレイダース4315

もしベンガルズがスーパーボウル56で勝っていたら、ザック・テイラーがトムリンに次ぐ史上2番目に若いスーパーボウル優勝ヘッドコーチになるはずだった。テイラーはその日の年齢が38歳9か月と3日だったのだ。

マクベイとテイラーはスーパーボウル史上で最年少ヘッドコーチの組み合わせでもあった。

ヘッドコーチ年齢スーパーボウル
ショーン・マクベイ33歳、11日53
ショーン・マクベイ36歳、22 日56
マイク・トムリン36歳、10か月と18日43
ビル・カウアー38歳、8か月と21日30
ザック・テイラー38歳、9か月と5日56
マイク・トムリン38歳、10か月と23日45
ドン・シュラ39歳、9日3
ジョン・グルーデン39歳、5か月と23日37
カイル・シャナハン40歳、1か月と20日54
ジョン・ローチ40歳、4か月と26日2

マクベイはスーパーボウルで指揮した史上最年少と2番目に若いヘッドコーチである。この若きヘッドコーチのリストはトムリン、カウワー、テイラー、そしてまたトムリンと続く。

参考までに、スーパーボウルで指揮したヘッドコーチの平均年齢は50歳である。

ショーン・マクベイの門下生コーチたち

マクベイは自身の成功を収めただけではなく、すでに若いコーチたちの系譜をその門下に持っている。

もちろん、その影響が及ぶ範囲はビル・ベリチックやアンディ・リードに及ぶものではないが、マクベイの若さを考えると、まさに驚くべきことである。

かつてマクベイのアシスタントコーチを務めた4人が現在NFLのヘッドコーチになっている。

  • ザック・テイラー、シンシナティ・ベンガルズ
  • マット・ラフルアー、グリーンベイ・パッカーズ
  • ブランドン・ステイリー、ロサンゼルス・チャージャーズ
  • ケビン・オコンネル、ミネソタ・バイキングス*

マクベイはすでにテイラーと対戦し、ステイリーとは同じ本拠地スタジアムで戦っている。ラフルアーはNFCきっての強豪であるパッカーズを率いている。オコンネルのヘッドコーチ就任はまだバイキングスから公式発表されていないが、多くの報道がそれを予想している。

ラフルアーはアシスタントコーチからヘッドコーチへ昇格していったなかでも、もっとも出世が早かった者のひとりだ。2017年にマクベイの下で攻撃コーディネーターを務めた後、2018年にはテネシー・タイタンズで同じポジションを経験し、2019年にパッカーズからヘッドコーチとして迎えられた。テイラーはラフルアーと同時にラムズから採用され、2017年にはワイドレシーバーのコーチを、2019年にはクォーターバックのコーチを経て、2019年からベンガルズを率いている。テイラーはスーパーボウルでラムズがニューイングランド・ペイトリオッツに敗れたときにチームにいた。

ステイリーは2020年にラムズの守備コーディネーターを務め、2021年NFLシーズン前にチャージャーズからヘッドコーチとして迎えられた。オコンネルは2020年シーズン開幕からラムズの攻撃コーディネーターを務め、バイキングスの次期ヘッドコーチに取り沙汰されている。

NFLで起用された最年少ヘッドコーチたち

マクベイとテイラーがヘッドコーチとして迎えられたとき、NFLチームと契約したヘッドコーチの最年少リストに入っていた。現在のところ、マクベイが最年少記録である。それ以前の記録はレイダースと契約したレーン・キフィンが約1年の差で保持していた。

テイラーはNFLチームと契約したヘッドコーチのなかで史上23番目に若かった。

ヘッドコーチ(チーム)年齢
ショーン・マクベイ、ラムズ30 歳、 11 か月
レーン・キフィン、レイダース31 歳、 8 か月
ハーランド・スヴェール、ラムズ31 歳、 11 か月
ジョン・ミケロセン、スティーラーズ32 歳、 2 か月
ラヒームモリス、バッカニアーズ32 歳、 4 か月
デビッドシュラ、ベンガルズ32 歳、 7 か月
ジョシュマクダニエルズ 、ブロンコス32 歳、 8 か月
ジョン・マッデン、レイダース32 歳、 10 か月
ドン・シュラ、コルツ33 歳、 4 日
アル・デービス、レイダース33 歳、 6 か月
ジョー・コリアー、ビルズ33 歳、 7 か月
ボブ・スナイダー、ラムズ33 歳、 11 か月
ジム・トリンブル、イーグルス34 歳、 3 か月
ジョン・グルーデン、レイダース34 歳、 5 か月
ビル・カウアー、スティーラーズ34 歳、 8 か月と 13 日
ジョー・クアリッチ、カーディナルス34 歳、 8 か月と 25 日
ジャック・クリスチャンセン、49ers34 歳、 9 か月と 10 日
ノーム・ヴァン・ブロックリン、バイキングス34 歳、 10 か月と 3 日
マイク・トムリン、スティーラーズ34 歳、 10 か月と 7 日
ジョーシュミット、ライオンズ34 歳、 11 か月と 23 日
エリック・マンジーニ、ジェッツ34 歳、 11 か月と 28 日
マイク・シャナハン、レイダース35 歳、 6 か月
ザック・テイラー、ベンガルズ35 歳、 8 か月と 26 日

この2人はリーグのトレンドを方向づけたと言えるだろう。2月13日現在、2022年シーズンに向けてこれだけの若いヘッド―コーチが名を連ねているのだ。

ヘッドコーチチーム年齢戦績
ショーン・マクベイラムズ3655-26
*ケビン・オコンネルバイキングス360-0
ザック・テイラーベンガルズ3816-32-1
マイク・マクダニエルドルフィンズ380-0
ブランドン・ステイリーチャージャーズ399-8
アーサー・スミスファルコンズ397-10
ケビン・ステファンスキーブラウンズ3919-14
ニック・シリアニイーグルス409-8
カイル・シャナハン49ers4239-42
マット・ラフルアーパッカーズ4239-10

*オコンネルのヘッドコーチ就任はまだバイキングスから公式発表されていない。

(翻訳:角谷剛)

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