本サイトに掲載されているリンクから商品の購入やサービスの契約をされた場合、本サイトが収益を得ることがあります。

河村勇輝のNBAスカウティングリポート グリズリーズと2ウェイ契約で2024-2025シーズンに何を期待できる?

コントリビューター
Stephen Noh
コントリビューター
坂東実藍 Miran Bando
河村勇輝のNBAスカウティングリポート グリズリーズと2ウェイ契約で2024-2025シーズンに何を期待できる? image

河村勇輝は物語のような1年を過ごしてきた。

[AD] 完全無料でアマギフ500円分をGET! 今週のスポーツ結果予想クイズのテーマは?

日本代表としてパリオリンピック2024に出場し、1試合平均20.3得点を記録してNBAチームの注目を集めた。それから数か月、河村はトレーニングキャンプのロスター入りを経て、メンフィス・グリズリーズと2ウェイ契約を結ぶに至ったのだ。

あらゆる意味で、河村がその契約を勝ち取るとは予想されていなかった。身長はわずか5フィート8インチ(約173センチ)。今季のリーグで最も身長が低い選手だ。また、日本のBリーグからNBAにやってきた初の日本人選手でもある。

より大きくて優れたアスリートたちに河村のプレイは通用するのか、多くの疑問があった。ここでは、彼がNBAでやれると証明できた理由をまとめる。

[AD] 楽天モバイル『最強プラン』なら追加料金なしでNBA全試合見放題!

河村勇輝のスカウティングリポート

河村は非現実的なパサー

河村はリーグ有数の優れたパサーとしてNBAに臨む。36分あたり10.0アシストという数字は、プレシーズンに75分超出場した選手の中で3位の数字だ。

関連記事:八村塁、河村勇輝が挑戦するNBAの今季展望・優勝予想オッズ|10.23開幕 2024/2025シーズン(外部配信)

そしてそれらは、基本的なパスとはかけ離れたものだった。河村のようにプレイを読む選手はほとんどいない。そして彼は素早くプレイを読むことができる。

グリズリーズの放送局は「勇輝のパスはすべてノールックだ」と冗談を飛ばした。その評価は決して的外れではない。彼はまるで頭の後ろに目があるかのようだ。

まだ、自分より大きなディフェンダーたちがそろう中でフィニッシュするやり方を見いだしてはいない。プレシーズンマッチで決めた2ポイントショットはゼロだ。だが彼は、ドライブする中でどこからともなくチームメイトを見つけることで、それを補ったのである。跳びながらパスのターゲットを変えることで、極めてうまく相手の裏をかく。

そしてフィニッシュに関しても、いずれ決まるようになるはずだ。オリンピックではルディ・ゴベアやビクター・ウェンバンヤマを相手にショットを決めている。今のところは、そのパスだけでNBAの守備に対して十分なインパクトだ。

河村は守備で奮闘

一般的に、小さい選手は守備において不利だ。だが、河村はそれを覆して武器とする方法を見いだしている。

河村の最大の強みは、何があっても全力を尽くすことだ。グリズリーズのプレシーズン最終戦の終盤も、各選手がシンプルに時間を進めようとする中で、河村はボールに向かってダッシュし、ダブルチームをして、相手のターンオーバーを誘おうとした。

そんなハッスルぶりは、河村のパフォーマンスで何度も目にする。フルコートで相手を追い、バックコートでいつも相手をとらえる。ボールを奪う機会があれば、身を投げ出すこともいとわない。

河村はフィジカルな戦いを恐れず、NBAのセンターたちが相手でも飛び込んでいく。また、非常に素早く、スクリーンをかけるのが難しい。そういった傾向はプレシーズン初戦にも見られた。この試合で河村は守備で大きなインパクトを残している。

注目記事:大谷翔平の最新成績&ランキングまとめ(外部配信)

フロア上でのポジショニングは総じて卓越している。河村は賢いディフェンダーで、テコのトリックをうまく使い、自分より大きな選手たちを前に入り込む。身長の低さは問題となるだろうが、ほかのやり方でそれを補うのだ。

河村に必要なのはNBAの3ポイントラインへの適応

オリンピックでの河村は3ポイントショットが優れていた。1試合平均約11本の試投で成功率40.6%を記録している。だが、プレシーズンマッチでその力を発揮することはほとんどできなかった。3P成功率は25.0%、フィールドゴール成功率も21.1%にとどまっている。

河村がリーグでローテーションプレイヤーとして出場時間を得るためには、プルアップからの3Pを決められるようにならなければいけない。それが、オリンピックで彼が成功した要因のひとつだったのだ。リリースは速く、フォームも良い。いずれ決められるようになることが期待される。

2024-2025シーズンの河村に期待できること

河村はグリズリーズで2ウェイ契約を勝ち取った。そのため、NBAとGリーグ傘下のメンフィス・ハッスルを行き来する。今季のNBAレギュラーシーズンで出場可能なのは最大50試合だ。

グリズリーズにはすでに多くのガードがいる。開幕を迎えるにあたり、ジャ・モラント、マーカス・スマート、デズモンド・ベイン、ルーク・ケナード、スコッティ・ピッペンJr.は、いずれも河村の前にいる選手たちだ。河村が出場時間を得るのは難しいだろう。

今のところは、そういった選手たちが負傷した場合などに備えておくことが必要となる。23歳という年齢から、グリズリーズは今現在よりも彼の将来に投資しているようだ。

原文:How good is Yuki Kawamura? Scouting report and what to expect from Grizzlies guard in 2024-25 season(抄訳)
翻訳:坂東実藍