デリック・ローズのキャリアは、常にNBAの歴史で最も大きな「もしも」で語られるだろう。
2010-2011シーズン、ローズはシカゴ・ブルズをリーグ最高成績に導き、22歳にしてリーグ史上最年少でのMVP受賞を達成した。だが、2012年のプレイオフでひざの前十字じん帯を断裂して以降、ローズとブルズは決してそれまでのようにはいかなかった。
通算で16シーズンを戦ったローズだが、2012年以降は再度オールスター選出に近づくことがなかった。
そのローズがこれほど多くのケガに見舞われていなかったら、どうなっていたのだろうか。その答えを知るために、『ChatGPT』でローズが大きなケガを負わなかった場合のキャリアをシミュレーションしてみた。
注目記事：RIZIN.48 サトシ・ソウザ vs グスタボ、井上直樹 vs キム・スーチョルなど全カード最新オッズ（外部配信）
デリック・ローズがケガをしていなければどうなっていた？
1～3年目
負傷する前のキャリア最初の3年は、実際と同じという回答だった。
ローズは1年目に新人王に輝き、2年目と3年目にオールスター選出。3年目はMVPも受賞した。ブルズはイースタン・カンファレンス・ファイナルでマイアミ・ヒートに敗れたが、大きな優勝の可能性を持つ若きチームのようだった。
4年目
実際のスタッツ：平均21.8得点、7.9アシスト、3.4リバウンド
シミュレーション：平均23.5得点、8.0アシスト、3.9リバウンド、オールスター選出
ここから実際とずれていく。
2011-2012シーズン、ローズはレギュラーシーズンのうちから負傷し始め、出場39試合にとどまった。そしてプレイオフのファーストラウンドで前十字じん帯を断裂している。
その負傷がないシミュレーションの世界では、ローズはMVP級の得点をあげ続けた。チームは再び東地区決勝に進み、2年連続でヒートに敗れているという想定だ。
5年目
実際のスタッツ：全休
シミュレーション：平均22.0得点、7.9アシスト、4.5リバウンド、オールスター選出
実際のローズは全休。シミュレーションでは、再びオールスターに選ばれ、低調だった3ポイントショットにも取り組んで成功率36％を記録。ブルズはカーメロ・アンソニーが活躍のニューヨーク・ニックスを相手にセカンドラウンド敗退となっている。
6年目
実際のスタッツ：平均15.9得点、4.3アシスト、3.2リバウンド
シミュレーション：平均24.2得点、9.0アシスト、4.2リバウンド、オールスター選出
シミュレーションでのローズは、再びオールスターに選出。静かなるリーダーかつメンターとして役割を確かにしていく。ブルズは再びプレイオフで東地区決勝まで勝ち進むも、ローズがポール・ジョージに守られ、インディアナ・ペイサーズに敗れるという結果になった。
7年目
実際のスタッツ：平均17.7得点、4.9アシスト、3.2リバウンド
シミュレーション：平均26.1得点、8.5アシスト、5.0リバウンド、オールスター選出
ここが26歳でローズのピークとなっていただろう。
シミュレーションでは、ローズは平均得点やFG成功率など、いくつかの攻撃のカテゴリーでリーグをけん引。ブルズは東地区決勝まで勝ち進むが、レブロン・ジェームズとカイリー・アービングを擁するクリーブランド・キャバリアーズに敗れる。
8年目
実際のスタッツ：平均16.4得点、4.7アシスト、3.4リバウンド
シミュレーション：平均25.0得点、7.5アシスト、4.8リバウンド、オールスター選出、オールNBAファーストチーム選出
シミュレーションでローズはエリート級のパフォーマンスを続け、東地区決勝にブルズを導き、ジェームズと再戦。第7戦でキャバリアーズに敗れる。
注目記事：大谷翔平の最新成績＆ランキングまとめ（外部配信）
9年目
実際のスタッツ：平均18.0得点、4.4アシスト、3.8リバウンド
シミュレーション：平均24.0得点、7.3アシスト、4.5リバウンド、オールスター選出
シミュレーションでブルズはまたも東地区決勝でキャバリアーズと対戦。今度は第6戦で敗れる。ジェームズがローズ擁するブルズをポストシーズンで沈めるのは、9年間で6回目という想定だ。
現実のローズは、9年目のシーズンを前にニックスにトレード。ブルズを退団した。
10年目
実際のスタッツ：平均8.4得点、1.5アシスト、1.4リバウンド
シミュレーション：平均23.0得点、7.0アシスト、5.0リバウンド、オールスター選出
シミュレーションでローズは得点よりもプレイメークとリーダーシップを重視。ポストシーズンはジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウン率いるボストン・セルティックスに第5戦で敗れる
11年目
実際のスタッツ：平均18.0得点、4.3アシスト、2.7リバウンド
シミュレーション：平均22.0得点、6.5アシスト、4.2リバウンド、オールスター選出
ローズを擁するブルズは、ヤニス・アデトクンボ率いるミルウォーキー・バックスにセカンドラウンドで敗れるというシミュレーションだった。
12年目
実際のスタッツ：平均18.1得点、5.6アシスト、2.4リバウンド
シミュレーション：平均21.5得点、7.2アシスト、4.3リバウンド、オールスター選出
シミュレーションの世界でブルズはついにマイケル・ジョーダン時代以来の優勝を果たす。ジェームズを退け、NBAファイナルでロサンゼルス・レイカーズを倒しての優勝だ。
プレイオフでローズがジェームズを沈めるのは7回目にして初めて、そしてどちらの選手もNBAファイナルに勝ち進むのはこれが最後になるという想定だった。
13年目
実際のスタッツ：平均14.7得点、4.2アシスト、2.6リバウンド
シミュレーション：平均20.0得点、6.8アシスト、4.0リバウンド
想定でのローズはさらにベテランの役割を担うようになり、ブルズの若いタレントたちの成長を助けるかたちで貢献を続ける。ブルズは42勝30敗でプレイオフに進出するも、セカンドラウンドでケビン・デュラント、ジェームズ・ハーデン、カイリー・アービングを擁するブルックリン・ネッツに敗れるというシミュレーションだった。
14年目
実際のスタッツ：平均12.0得点、4.0アシスト、3.0リバウンド
シミュレーション：平均18.5得点、6.0アシスト、3.5リバウンド
これがローズにとって最後のシーズンになるというシミュレーションだ。ブルズを45勝に導くも、プレイオフ・ファーストラウンドでフィラデルフィア・76ersに敗れる。
そしてローズは余力を十分に残したまま引退、14年のキャリアをすべてブルズで過ごし、オールスター選出11回、オールNBAファーストチーム選出2回、MVP受賞1回、得点王1回、NBA優勝1回というシミュレーションだった。
原文：What if Derrick Rose never got injured? AI predicts how many championships, MVP awards Bulls legend would've won（抄訳）
翻訳：坂東実藍