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ラッセル・ウェストブルックへの批判は間違い? ヨキッチ&ナゲッツと完ぺきにフィットする理由

コントリビューター
Stephen Noh
コントリビューター
坂東実藍 Miran Bando
ラッセル・ウェストブルックへの批判は間違い? ヨキッチ&ナゲッツと完ぺきにフィットする理由 image

ラッセル・ウェストブルックがデンバー・ナゲッツと2年680万ドル(約10億7440万円/1ドル=158円換算)の契約を結んだ際、反応は大半がネガティブなものだった。

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確かに、元MVPながら、ウェストブルックはロサンゼルス・クリッパーズでフィールドゴール成功率26.0%とプレイオフのシリーズをひどく終えたところだった。3ポイントショットのなさは大きな懸念だった。もうローテーションプレイヤーとして役立つことはないとの声もあった。

そんなウェストブルックを強く信じた人物がいる。『DNVR』のハリソン・ウィンド記者によれば、彼を獲得するために「舞台裏でプッシュした」のは、ニコラ・ヨキッチだったそうだ。ヨキッチは、多くの人が見逃していたことを見ていたのである。まだウェストブルックが得意とすることが、ナゲッツにとって非常に大きな利益になり得るということだ。

ウェストブルックのショットがあまり相手の脅威になっていないことは変わらない。だが、彼はナゲッツで最も頼りになる選手のひとりとなっている。スターティングラインナップで見事に負傷したアーロン・ゴードンの代役となっているのだ。

ここでは、多くの評論家が見落としている、ウェストブルックにまだできることをまとめる。

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ラッセル・ウェストブルックとナゲッツの相性に関して評論家は何を見落としているか

ウェストブルックとニコラ・ヨキッチのケミストリー

ウェストブルックはショットの苦戦ぶりやボールを持つ必要性から、ヨキッチとうまくプレイできないと懸念する声があった。だが、実際はまったく逆になっている。

ヨキッチは常にチームメイトのベストを引き出してきた。それはウェストブルックに関しても同じだ。『PBP Stats』によると、両選手がコートに立っている時のナゲッツは、対戦相手に100ポゼッションあたり11.5点差をつけている。その原動力は、過小評価されているウェストブルックのパスとヨキッチの卓越した力だ。ウェストブルックは常にヨキッチを探し、チームの誰よりもアシストしている。

また、ウェストブルックはヨキッチと組んで攻撃面で脅威となってきた。スポットアップシューターとして素晴らしくないのは変わらない。だが、ナゲッツが優勝した時のブルース・ブラウンの役割を担い、素晴らしいオフボールカッターとなったのだ。これまでのウェストブルックがあまりやってきたことではない。だが、NBAのスタッツによれば、今季はポゼッションの8.2%を記録しており、これは自己最高の数字だ。

ヨキッチの見事なパスが、ウェストブルックにそういった動きをさせるようになったのである。

ロサンゼルスでのウェストブルックは、攻撃時にポゼッションを強奪していると批判された。だが、デンバーではそういうことが起きていない。喜んでファシリテイターの役割をこなしている。

ウェストブルックの守備はこれまでの評価以上

キャリア後半のウェストブルックは、特に優れたディフェンダーと評価されていなかった。そのため、プレシーズンにマイケル・マローン・ヘッドコーチがウェストブルックの守備を頼りにするつもりだと明かしたのは、やや驚きだった。

マローンHCはメディアデーで「ウェストブルックのことになると、本当に誰も守備について触れないね」と述べている。

「試合の終盤で彼はいつも相手のベストプレイヤーを守っていたんだよ」

指揮官は正しかった。ウェストブルックは守備で奮闘し、シーズンを通じて称賛され、何度かコーチから試合の最優秀守備選手に選ばれた。勝利に導くようなディフェンスも見せている。

ウェストブルックはパスレーンで積極的で、多くのスティールを記録している。ヘルプとしても、ボールマンとしても活躍し、リバウンダーとしても役立ってきた。

シーズン序盤にナゲッツがオクラホマシティ・サンダーに勝利した際、マローンHCは報道陣に「彼は間違いなくロックスターだと思う」と述べている。

ウェストブルックのトランジションは健在

ウェストブルックはチームに溶け込むのが簡単な選手ではない。本人もトレーニングキャンプ最初の練習後に認めていた。

ロサンゼルスでうまくいかなかった理由を問われると、ウェストブルックは「正直、(自分のスキルセットは)独特なんだ。そしてそうなれるようなポジションになかった。自分のポジションでプレイしていなかった」と話している。

「マローンHCは僕のスピード、トランジションスキル、味方を生かす力、試合を簡単なものにする力を発揮させてくれるんだ」

この発言はソーシャルメディアで大きく批判された。しかし、100%正しいと示されている。ウェストブルックがはるかに良くなったのは、ナゲッツが彼にトランジション攻撃をけん引させているからだ。ナゲッツのトランジション頻度は昨季の16位から今季は3位に上昇した。

ウェストブルックは執ようにボールを運び、特にヨキッチをうまく見つけたり、3Pを打たせている。コートに立てば有数のアグレッシブな選手であることは変わらない。そしてその年齢にもかかわらず、アーリーオフェンスを容易にさせられる。

ウェストブルックのような選手はリーグにほかにいない。状況が悪ければ、彼も悪く見えることがある。だが、デンバーでは良い状況に出会った。優雅にキャリアを締めくくることができるはずだ。

原文:Russell Westbrook critics were wrong: Why Nikola Jokic and Nuggets have been the perfect fit for former MVP(抄訳)
翻訳:坂東実藍