タイリース・ハリバートンが負傷を抱えながらプレイしている中、ペイサーズはNBAファイナル第5戦でバックコートに勢いをもたらす存在を必要としていた。そして、その役割を果たしたのがTJ・マコーネルだった。
第3戦の勝利でも重要な場面で活躍していたベテランガードのマコーネルは、現地時間6月16日に行われたサンダーとの第5戦でも第3クォーターに存在感を発揮した。次々とショットを決めながら、マコーネルはペイサーズのオフェンスを牽引し、試合を通してリードしていたサンダーに対し、点差を2点まで詰める粘りを見せた。
しかし、第3Qでの活躍後、マコーネルは第4Qの重要な時間帯にほとんど出場することはなく、この采配は試合後に批判を集めることとなった。ペイサーズは120-109で敗れ、NBAファイナルで後がない状況に追い込まれた。
ここでは、第5戦におけるマコーネルのスタッツや彼をベンチに下げたことについてリック・カーライルHCが語った内容をまとめる。
TJ・マコーネルの第5戦スタッツ
- 出場時間: 22
- 得点: 18
- リバウンド: 4
- アシスト: 4
- スティール: 2
- ブロック: 0
- ターンオーバー: 3
- ファール: 3
- フィールドゴール: 8/14
- 3ポイントショット: 1/2
- フリースロー: 1/1
キャリアを通して、ハッスルプレイ、ミドルレンジショット、正確なパスで評価されてきたマコーネルにとって、この試合はキャリア最高の夜だった。
ハリバートンが不調で、以前から抱えているケガの影響が見られる中、マコーネルは何度かオフェンスの指揮を執り、第3Qには特に大きな存在感を見せた。
マコーネルは第3Qだけで18得点中13得点を挙げ、ペイサーズはこのクォーターを34-28で制し、逆転への望みをつないだ。
T.J. McConnell spin cycle 🫨 pic.twitter.com/ki2AJJqwAs
— Indiana Pacers (@Pacers) June 17, 2025
MCCONNELL ADDS ANOTHER BUCKET!!
— NBA (@NBA) June 17, 2025
18 PTS in 17 MIN.
13 PTS in the 3Q.
13 of Indy's last 17 PTS.
🤯🤯🤯 https://t.co/I0baBgRDUX pic.twitter.com/fW09WDpFlz
ハリバートンがフィールドゴール成功なしの4得点に終わったこともあり、マコーネルが第4Qでも多くの出場時間を得ると予想されていた。マコーネルのパフォーマンスはまさに必要とされていたタイミングだった。
しかし、マコーネルは第4Qの最も重要な時間帯にベンチに下がっていた。残り10分50秒で交代し、再びコートに戻ったのは試合残り3分23秒、既にスコアは118-104でサンダーが大きくリードしていた。
ペイサーズのスターター陣も第4Qにいくつか良いプレイを見せたものの、チームで最も好調だったマコーネルにオフェンスを託す機会は訪れなかった。
それでもマコーネルはこの試合で歴史的な記録を達成している。ファイナルの試合でベンチ出場ながら「18得点以上、4リバウンド、4アシスト、2スティール以上」を記録したのは、2012年のジェームズ・ハーデン以来初となった。
TJ McConnell in the loss:
— StatMuse (@statmuse) June 17, 2025
18 PTS
4 REB
4 AST
2 STL
The first player since 2012 Harden to reach those numbers off the bench in a Finals game. pic.twitter.com/HjfAwnM6mt
なぜリック・カーライルはTJ・マコーネルをベンチに下げたのか?
第4Qにマコーネルをベンチに下げるという決断は、カーライルにとって簡単なものではなかった。何より、ハリバートンはチームをファイナルまで導いたエースだ。
試合後、カーライルは「ハリバートンはケガの問題を抱えていたが、後半もプレイしたいと本人が望んだ」と語った。
その結果、カーライルは100%ではないスター選手(ハリバートン)を起用し続けるか、それともマコーネルなど他のガードを投入するかという選択を迫られることになった。
最終的に、カーライルはハリバートンを第4Qの大部分で起用し、マコーネルはベンチでその様子を見守ることとなった。なお、アンドリュー・ネムハードも36分間プレイしたが、7得点・3アシストと効果的とは言えなかった。
Rick Carlisle said Haliburton insisted on playing in the second half.
— Scott Agness (@ScottAgness) June 17, 2025
"He’s not 100%. It’s pretty clear. But I don’t think he’s going to miss the next game."
試合後、ハリバートンは「歩ける限りプレイする。NBAファイナルなんだからね。ここまで来るために人生をかけて努力してきた。ここでプレイしないという選択肢は僕の中にはない」と語った。
Tyrese on playing through pain:
— Oh No He Didn't (@ohnohedidnt24) June 17, 2025
"I mean it's the NBA Finals. I've worked my whole life to be here. It's not really a thought of mine to not play here. If I can walk, then I want to play" pic.twitter.com/O78PHJqRvo
また、カーライルは「第4Qのある時点でマコーネルに疲労が見られたため、スターターたちのランに切り替える前に彼を下げた」ともコメントしている。
第4Q残り8分を切ったところで、好調だったパスカル・シアカムも交代させている(この時点でペイサーズは7点ビハインド)。
結局のところ、ケガを抱えながらもハリバートンを信じて起用し続けたカーライルの判断が、歴史的な第3Qを見せたマコネルをベンチに下げる結果につながった。
第6戦に向けて、マコーネルは「すべてを出し尽くさないといけない」と語った。
#Pacers guard T.J. McConnell following the Game 5 loss:
— WISH-TV News (@WISHNews8) June 17, 2025
"Our backs are up against the wall and I know our fans will be fired up and we got to go out there and play and give everything we have." pic.twitter.com/2J5pdzrLzu
原文:Rick Carlisle questioned for benching red-hot T.J. McConnell during key Game 5 4th-quarter stretch: 'Fatigue set in'
抄訳:佐藤瑞紀(スポーティングニュース日本版)