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なぜリック・カーライルHCは第3Qで大活躍したTJ・マコーネルをベンチに下げたのか

佐藤瑞紀 Mizuki Sato

Daniel Mader

なぜリック・カーライルHCは第3Qで大活躍したTJ・マコーネルをベンチに下げたのか image

タイリース・ハリバートンが負傷を抱えながらプレイしている中、ペイサーズはNBAファイナル第5戦でバックコートに勢いをもたらす存在を必要としていた。そして、その役割を果たしたのがTJ・マコーネルだった。

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第3戦の勝利でも重要な場面で活躍していたベテランガードのマコーネルは、現地時間6月16日に行われたサンダーとの第5戦でも第3クォーターに存在感を発揮した。次々とショットを決めながら、マコーネルはペイサーズのオフェンスを牽引し、試合を通してリードしていたサンダーに対し、点差を2点まで詰める粘りを見せた。

しかし、第3Qでの活躍後、マコーネルは第4Qの重要な時間帯にほとんど出場することはなく、この采配は試合後に批判を集めることとなった。ペイサーズは120-109で敗れ、NBAファイナルで後がない状況に追い込まれた。

ここでは、第5戦におけるマコーネルのスタッツや彼をベンチに下げたことについてリック・カーライルHCが語った内容をまとめる。

TJ・マコーネルの第5戦スタッツ

  • 出場時間: 22
  • 得点: 18
  • リバウンド: 4
  • アシスト: 4
  • スティール: 2
  • ブロック: 0
  • ターンオーバー: 3
  • ファール: 3
  • フィールドゴール: 8/14
  • 3ポイントショット: 1/2
  • フリースロー: 1/1

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キャリアを通して、ハッスルプレイ、ミドルレンジショット、正確なパスで評価されてきたマコーネルにとって、この試合はキャリア最高の夜だった。

ハリバートンが不調で、以前から抱えているケガの影響が見られる中、マコーネルは何度かオフェンスの指揮を執り、第3Qには特に大きな存在感を見せた。

マコーネルは第3Qだけで18得点中13得点を挙げ、ペイサーズはこのクォーターを34-28で制し、逆転への望みをつないだ。

ハリバートンがフィールドゴール成功なしの4得点に終わったこともあり、マコーネルが第4Qでも多くの出場時間を得ると予想されていた。マコーネルのパフォーマンスはまさに必要とされていたタイミングだった。

しかし、マコーネルは第4Qの最も重要な時間帯にベンチに下がっていた。残り10分50秒で交代し、再びコートに戻ったのは試合残り3分23秒、既にスコアは118-104でサンダーが大きくリードしていた。

ペイサーズのスターター陣も第4Qにいくつか良いプレイを見せたものの、チームで最も好調だったマコーネルにオフェンスを託す機会は訪れなかった。

それでもマコーネルはこの試合で歴史的な記録を達成している。ファイナルの試合でベンチ出場ながら「18得点以上、4リバウンド、4アシスト、2スティール以上」を記録したのは、2012年のジェームズ・ハーデン以来初となった。

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なぜリック・カーライルはTJ・マコーネルをベンチに下げたのか?

第4Qにマコーネルをベンチに下げるという決断は、カーライルにとって簡単なものではなかった。何より、ハリバートンはチームをファイナルまで導いたエースだ。

試合後、カーライルは「ハリバートンはケガの問題を抱えていたが、後半もプレイしたいと本人が望んだ」と語った。

その結果、カーライルは100%ではないスター選手(ハリバートン)を起用し続けるか、それともマコーネルなど他のガードを投入するかという選択を迫られることになった。

最終的に、カーライルはハリバートンを第4Qの大部分で起用し、マコーネルはベンチでその様子を見守ることとなった。なお、アンドリュー・ネムハードも36分間プレイしたが、7得点・3アシストと効果的とは言えなかった。

試合後、ハリバートンは「歩ける限りプレイする。NBAファイナルなんだからね。ここまで来るために人生をかけて努力してきた。ここでプレイしないという選択肢は僕の中にはない」と語った。

また、カーライルは「第4Qのある時点でマコーネルに疲労が見られたため、スターターたちのランに切り替える前に彼を下げた」ともコメントしている。

第4Q残り8分を切ったところで、好調だったパスカル・シアカムも交代させている(この時点でペイサーズは7点ビハインド)。

結局のところ、ケガを抱えながらもハリバートンを信じて起用し続けたカーライルの判断が、歴史的な第3Qを見せたマコネルをベンチに下げる結果につながった。

第6戦に向けて、マコーネルは「すべてを出し尽くさないといけない」と語った。

原文:Rick Carlisle questioned for benching red-hot T.J. McConnell during key Game 5 4th-quarter stretch: 'Fatigue set in'
抄訳:佐藤瑞紀(スポーティングニュース日本版)

佐藤瑞紀 Mizuki Sato

京都府生まれ、立命館大学卒。The Sporting Newsのアシスタントエディター。大学在学中は、ファッションに携わり、Levi'sやセレクトショップでスタッフとしてキャリアをスタート。大学卒業後に上京し、ファッションとカルチャーを結びつけた記事を執筆。バスケ未経験ながら、2015年にカリーのプレーに魅了され、NBA観戦が大好きになる。

Daniel Mader

Daniel Mader is a Content Producer for The Sporting News. He joined SN in 2024 as an editorial intern following graduation from Penn State University. He has previously written for Sports Illustrated, NBC Sports, the Centre Daily Times, the Pittsburgh Post-Gazette, The Daily Collegian and LancasterOnline. Daniel grew up in Lancaster, Penn., with a love for baseball that’ll never fade, but could also talk basketball or football for days.