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1巡目指名を終えての注目ポイント:マーベリックスの指名やホークスのトレードなど|NBAドラフト2025

コントリビューター
Stephen Noh
コントリビューター
坂東実藍 Miran Bando
1巡目指名を終えての注目ポイント:マーベリックスの指名やホークスのトレードなど|NBAドラフト2025 image

6月25日(日本時間26日)、NBAドラフト2025の初日が終わった。

決断が正しかったかどうかは、時間が経たなければ分からない。だが、1巡目指名を終えた時点での注目ポイントは見過ごせないだろう。

ここでは、そのNBAドラフト2025の1巡目指名を終えての注目ポイントをまとめた。

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NBAドラフト2025の1巡目指名を終えての注目ポイント

ダラス・マーベリックス

他チームは有望株たちの映像をたくさんチェックしていた。一方で、マーベリックスは気楽にドラフトに臨めただろう。クーパー・フラッグは、歴代でも有数の「全体1位指名間違いなし」という選手だからだ。

マーベリックスがドラフト全体1位指名権を得る確率は、わずか1.8%だった。そしてフラッグは過去10年でナンバーワンの全体1位指名選手だ。オールディフェンシブチーム選出のポテンシャルを持ち、攻撃でもうまくバラナスがとれた、まさに攻守両面に優れたフォワードである。

選ぶのは容易だった。トレードするのではなく、その指名権を使ってフラッグを指名したマーベリックスは正しいだろう。この日の最大の勝者となった。

サンアントニオ・スパーズ

スパーズは興味深い選択肢を抱えてドラフトに臨んだ。ディラン・ハーパーがことしのドラフトで全体2位指名となるタレントなのは明らかだ。しかし、スパーズのガード陣には、ステフォン・キャッスルやディアロン・フォックスといった選手たちがいる。

それでも、スパーズは別の選手を指名したり、指名権をトレードするのではなく、残っている中でベストの選手を指名するという正しい選択をした。これからトレードがあるかもしれない。だが、スパーズは時間をかけて自分たちにとって最善の手を打つことができる。

シャーロット・ホーネッツ

全体4位指名されたコン・カニップルは、ホーネッツに見事にフィットするだろう。優れたシューターで、セカンダリープレイメーカーとしても優秀な彼は、ラメロ・ボールとうまくかみ合うはずだ。最も伸びしろがある選手ではなかったかもしれないが、優れたタレントで安全な指名だ。

ホーネッツにはシューターが必要だった。そして今ドラフトで最高のシューターのひとりを手に入れたのである。

アトランタ・ホークス

ホークスはドラフト前に大胆な動きに出た。全体22位指名権を中心に、クリスタプス・ポルジンギスのトレードに踏み切ったのだ。さらにトレード市場で積極的に動き続け、全体13位指名権をニューオーリンズ・ペリカンズに譲り、引き換えに全体23位指名権と2026年の保護条件なしドラフト1巡目指名権を獲得した。

2026年の指名権は、ファンタスティックな選手を獲得するチャンスとなる。保護条件がなく、ペリカンズとミルウォーキー・バックスのうち、良い条件の指名権となるのだ。2026年のドラフトは有力選手が多くなると見られており、シーズンのどこかでヤニス・アデトクンボがトレードを求めた場合、バックスの指名権は素晴らしいものとなるかもしれない。

また、ホークスは全体23位指名権でエイサ・ニューエルを手に入れた。守備ができる控えビッグマンとなるポテンシャルを持った選手だ。最も伸びしろが期待できるわけではなく、素晴らしいパサーでもない。だが、チームに必要なポジションをうまくとることができる。

ヤン・ハンセン

1巡目指名最大のサプライズだ。2巡目指名が有力視されていたが、ポートランド・トレイルブレイザーズが全体16位で指名して驚かせた。

5年後、この指名は素晴らしかったと言われるかもしれないし、愚かだったとみなされる可能性もある。中国バスケットボール協会でのプレイから評価するのは非常に難しい。国際大会では素晴らしいパスを見せている。NBAドラフトコンバインでは、大きな両手と7フィート1インチ(約216センチ)というサイズを持つことが分かっている。

ヤン獲得は計画のひとつだ。ファンは我慢強くならなければいけない。しかし、サイズは教えることができないものだ。2巡目指名選手としてリーグに割って入っていくのを競うのではなく、保証契約を手にすることができたことを、本人は喜んでいるだろう。

ウォルター・クレイトンJr.

ユタ・ジャズに全体18位で指名された。フロリダ大学で全米王者となり、ドラフトでの株が高まっていった。

ジャズはクレイトンJr.を獲得するために、ワシントン・ウィザーズの指名権をトレードで獲得した。ガードを強化するためだ。彼は優れたシューターで、重要な局面でも恐れないことを証明してきた。彼とエース・ベイリーのコンビを見るのは楽しそうだ。

オーランド・マジック

ジェイス・リチャードソンは一部のドラフト専門家から、ロッタリー指名の終盤になると考えられていた。マジックが全体25位でミシガンステイト大学出身の彼を選んだのは素晴らしい。

リチャードソンじたいにとっても、素晴らしい。トレードでデズモンド・ベインを獲得しても、マジックには攻撃を充実させるための助けが必要だ。リチャードソンはそれをうまくやれる。

エース・ベイリー

ベイリーは事前に何度か全体3位指名候補にもあがっていた。ただ、コンバインで6フィート7.5インチ(約202センチ)と判明。おおかたの見方だった6フィート10インチ(約208センチ)を下回ることが分かったのだ。さらに、ジャズを含む複数チームとの面談やワークアウトを断るという、エージェント主導の不思議なドラフト前戦略もあり、ドラフト当日に指名順位を大きく落とすかもしれないという懸念があった。

ただ、本人があまり乗り気でない様子でも、ジャズにとってベイリーは全体5位で指名を見過ごすわけにはいけないほどのタレントだった(報道では本人は全体6位でワシントン・ウィザーズに指名されるのを望んでいたと伝えられている)。

ラウリ・マルカネンやジョン・コリンズがまだロスターにいるだけに、少しフィットするか不安がある。だが、ベイリーはファンタスティックなスコアラーであり、タフショットも決められる。そしてこれからは、ウィル・ハーディーという攻撃面の指導に優れたコーチの下でプレイできるのだ。

フェニックス・サンズ

全体10位でカマン・マルアチという良い選手を指名した。素晴らしい守備的なセンターで、ロスターの大きな穴を埋めるひとりとなるだろう。

ただ、指名じたいは良かったが、サンズはその後すぐ、全体29位指名権や2029年のドラフト1巡目指名権と引き換えに、マーク・ウィリアムズをトレードで獲得した。サンズは2024-2025シーズンのトレードデッドライン(トレード期限)でシャーロット・ホーネッツからニック・リチャーズという別のセンターも獲得している。

サンズがセンターを、それもスキルセットがかぶるような選手たちを集めている理由はまったくの不明だ。だが、トレードで使える少ない指名権のひとつを使っての動きとしては不思議なものだった。

ニューオーリンズ・ペリカンズ

ペリカンズは全体13位でデリック・クイーンを指名した。だが、そのためにあまりに大きな対価を払っている。ホークスに譲った2026年の保護条件なし指名権だ。

クイーンとザイオン・ウィリアムソンのフィットぶりも良くない。両選手とも似たような役割を担うし、スペースもかぶる。ジョーダン・プールのトレードも合わせ、奇妙なチームづくりだ。

ペリカンズはジョー・デュマーズが責任者となったが、デトロイト・ピストンズ時代の終盤に向けて知られた不可思議な傾向がすでに続いている。

ブルックリン・ネッツ

1巡目指名権を5つ保有していたネッツだが、最も上位の指名で疑問符がつく選択をした。

イェゴール・デミンは今回のドラフトで最も意見が割れていたひとりだ。ことし最高のパサーで、6フィート9インチ(約206センチ)というガードとしては素晴らしいサイズを持ち、リードプレイメーカーとなるPテンシャルを備えているとの見方がある。一方で、ショットが不安定で、アドバンテージをつくるのに苦労し、守備面が力不足との批判もある。

デミンはロッタリー指名の後半と予想されていた。それがネッツの全体8位指名で、今ドラフト最初のビッグサプライズとなったのだ。指名が早すぎたと思われる。

原文:NBA Draft 2025 winners & losers: Mavs get best pick, Hawks pull off top trade, Pelicans & Suns make puzzling moves(抄訳)
翻訳:坂東実藍


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