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【NBAトレード評価】レイカーズのラッセル放出とフィニー・スミス&ミルトン獲得をどう見る ネッツとトレード

コントリビューター
Stephen Noh
コントリビューター
坂東実藍 Miran Bando
【NBAトレード評価】レイカーズのラッセル放出とフィニー・スミス&ミルトン獲得をどう見る ネッツとトレード image

18勝13敗のロサンゼルス・レイカーズは良いチームだ。しかし、偉大なチームにはまだ及ばない。そこで12月29日(日本時間30日)、球団は一歩を踏み出した。ブルックリン・ネットとのトレードでディアンジェロ・ラッセルを放出し、ドリアン・フィニー・スミスとシェイク・ミルトンを獲得したのだ。

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一見すると、このトレードは不可解かもしれない。ラッセルのほうがよりダイナミックなスコアラーだ。しかし、ドラフト指名権を差し出したのはレイカーズのほうである。

だが、レイカーズはリーグ21位の守備を強化する選手が必要で、フィニー・スミスはその点で大きなアップグレードとなる。理論上、フィニー・スミスはラッセルよりフィットする選手だ。

フィニー・スミスとミルトンを獲得するのに、レイカーズは多くを手放しすぎたのか。ここでは、両チームのトレードの評価をまとめる。

ディアンジェロ・ラッセルとドリアン・フィニー・スミスのトレード詳細

レイカーズ獲得:

  • ドリアン・フィニー・スミス
  • シェイク・ミルトン

ネッツ獲得:

  • ディアンジェロ・ラッセル
  • マクスウェル・ルイス
  • 2027年2巡目指名権
  • 2030年2巡目指名権
  • 2031年2巡目指名権

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レイカーズの評価

Getty

フィニー・スミスは31歳にしてなお、3&D(3ポイントショットと守備を得意とする選手)優れたロールプレイヤーだ。今季はネッツで平均10.4得点をあげ、3P成功率は43.5%と非常に堅実。一方、今季リーグ27位のレイカーズは3Pの強化を必要としていた。また、フィニー・スミスはシンプルなキャッチ&シュートのジャンプショット以上にプレイの幅を広げ、ネッツでより大きな役割を担っていた。

ラッセルも今季は3P成功率33.3%にとどまっているが、これまでレイカーズでかなりの3Pを担ってきた。だが、プレイが安定しないことと、守備でミスをしがちなことから、放出可能要員となったのだ。JJ・レディック・ヘッドコーチは彼をベンチスタートにし、試合後に批判するなど、ラッセルに対して我慢できなくなり始めていたのが明らかだった。

フィニー・スミスはもっと攻守両面で貢献し、ポジションの万能性ももたらす。6フィート7インチ(約201センチ)、220ポンド(約100キロ)でパワーフォードにサイズアップでき、マッチアップによってはスモールボールのセンターも務められる。

そういったクオリティーから、フィニー・スミスは魅力的なトレードターゲット、そしてダラス・マーベリックスでチームメートだったレディックHCのお気に入りとなったのである。

そのフィニー・スミスを獲得するのに、レイカーズにはライバルがいた。『Substack』のマーク・スタイン記者によると、メンフィス・グリズリーズも獲得に近づいていたという。だが、レイカーズはより良い条件、そしてドラフト1巡目指名権を手放すことなく、フィニー・スミスを獲得したのだ。良い勝利だったと言えるだろう。

また、ミルトンもレイカーズにとってまずまずの補強だ。非常に安価でプレイメークとショットの力をもたらす。彼が機能すれば、年俸わずか300万ドル(約4億7400万円)で今後の2シーズンが保証される。

レイカーズは向上した。だが、それで十分だろうか。契約満了を迎えるラッセルをこのようなかたちのトレードで使ったことにより、2月のトレードデッドライン(トレード期限)が近づく際、より大型移籍に動くのはもっと難しくなるかもしれない。ザック・ラビーンのようにもっとダイナミックな選手の獲得を目指すトレードで、ラッセルの契約は役立ったはずだ。

評価:B

D'Angelo Russell Los Angeles
(NBA Entertainment)

ネッツの評価

ネッツは昨オフシーズン、ミケル・ブリッジズをトレードで放出し、再建への方向性を明確に示した。さらに2週間前にもデニス・シュルーダーをトレードで手放し、さらに踏み出している。そして今度はフィニー・スミスのトレードで2025年のドラフト指名権を優先させた。

『Hoops Hype』のマイケル・スコット記者によると、ネッツは当面、ラッセルの契約をバイアウトするよりも、彼を起用する計画だ。契約は1870万ドル(約29億5460万円)で今季まで。つまり、夏に彼をどうするか、ネッツは柔軟に決めることができる。

ラッセルは2018-2019シーズン、ネッツで自身最高の部類のパフォーマンスを見せた。平均21.1得点、7.0アシストを記録し、オールスターに選出されている。ネッツ復帰で当時のようなハイレベルなプレイを取り戻せるかもしれない。

ルイスはレイカーズで期待されたような活躍を見せられていない。だがまだ、2023年のドラフトで全体40位指名された彼には、サマーリーグで見せたようなポテンシャルを発揮できるようになる余地がある。彼はネッツがチャンスを生かすべき、身体能力に優れた22歳の有望ウィングだ。

そしてネッツにとってこの取引の真の報いは、3つのドラフト2巡目指名権だ。ネッツはこれで今後7年の2巡目指名権が16にのぼる。これらは将来的にチームがもっと競争的になった際、トレードの取引で貴重なものとなるだろう。また、今回のトレードで、2025年のドラフトへの期待も高まる。

今回の取引は、両球団にとってゲームチェンジャーとなるトレードではない。だが、今季の両チームが追い求めている道のどちらにおいても役立った。

評価:B+

原文:D'Angelo Russell trade grades: Lakers upgrade depth with Dorian Finney-Smith, Shake Milton; Nets add picks(抄訳)
翻訳:坂東実藍