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ナショナルズがMLBドラフトを目前に控えてデイブ・マルティネス監督とGMを解任した理由

コントリビューター
石山修二 Shuji Ishiyama
コントリビューター
Teddy Ricketson
ナショナルズがMLBドラフトを目前に控えてデイブ・マルティネス監督とGMを解任した理由 image

ナショナルズがデイブ・マルティネス監督とマイク・リゾGMを解雇し、フロントを大幅刷新する動きを見せている。2025年のMLBオールスターゲーム、2025年のMLBドラフトを約1週間後に控えた現地7月6日(日)に発表された。

(ワシントン・ナショナルズ代表オーナー、マーク・D・ラーナーの声明)

ワシントンは直近のシリーズでボストン・レッドソックスに3連敗を喫した。この3連敗を通じてナショナルズはトータル9-27と圧倒され、シーズン成績を37勝53敗に落とした。ワシントンはリーグでも注目される若手選手たちを多数擁するチームながら、現在ナ・リーグ東地区の最下位に沈んでいる。マッケンジー・ゴアとジェームズ・ウッドは、マルティネス監督の解任が発表される直前にナショナル・リーグのオールスターチームに選出されていた。

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米ケーブル局『ESPN』のジェフ・パッサン氏によると、アシスタントGMのマイク・デバートロ氏が暫定GMに就任する。暫定監督には誰が就任するかはまだ決定していない。

マルティネス監督解任の理由

マルティネスは2018年、ダスティ・ベイカー氏の後任としてインタビューを受け、ナショナルズの監督に就任した。MLBでの監督職はこれが初だったが、2008年からレイズの組織内でコーチを務めていた。2014年までタンパベイに在籍した後、2015年からはカブスのベンチコーチを3シーズン務めた。

マルティネスはワシントンで即座に結果を残した。就任初年度に地区2位となると、2年目の2019年にはワールドシリーズを制した。しかし、その後急激に調子を落とす。新型コロナの影響で短縮された2020年を地区4位に終えると、その後3シーズン連続で地区最下位に終わり、2024年も4位に沈んだ。

チームは2019年以来、シーズン71勝以上を挙げたことがなく、今シーズンもここまで90試合で37勝53敗の成績だった。また2019年にワールドシリーズを制してはいるが、ナショナルズはマルティネス監督の下で地区優勝を果たしたことがない。

ナショナルズは今、『MLB.com』のトップ100プロスペクトリストに3人の選手が選出されている。この中には、今シーズン大きな注目を集めているジェームズ・ウッド、ディラン・クルーズ、CJ・エイブラムスの3人は含まれていない。それだけのタレントを誇るファームシステムを擁しながら、マルティネスは選手を十分に育成できず、勝ち越しシーズンを築くことができなかった。

デイブ・マルティネスの監督成績

マルティネスのナショナルズでの監督としての成績は以下の通り。

シーズン戦績地区内順位
2018年82勝80敗2位
2019年93勝69敗2位(ワールドシリーズ制覇)
2020年26勝34敗4位
2021年65勝97敗5位
2022年55勝107敗5位
2023年71勝91敗5位
2024年71勝91敗4位
2025年37勝53敗5位(解任時点)

2025年MLBドラフトはいつ

2025年のMLBドラフトは現地7月13日(日)に始まる。ナショナルズはロッタリー(抽選会)での確率は4番目だったにも関わらず、MLBドラフトの全体1位指名権を獲得した。ナショナルズが全体1位指名権を獲得するのはこれが3度目で、フランチャイズの再建に向けてこの指名をどう活用するかプレッシャーが高まっている。

今回ナショナルズのフロントは、短期的な対応としてマルティネスを解任するとともに、組織の長期的な展望を考慮してリゾも解任することを決定した。デバートロ氏がチームの再建を任され、このドラフトでその第一歩を踏み出すことになる。

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原文:Why did the Nationals fire Dave Martinez? Washington cleans house of manager, GM days before MLB draft
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)


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