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メジャーリーグがピート・ローズ氏、『シューレス』ジョー・ジャクソン氏を永久追放リストから削除し資格回復

コントリビューター
石山修二 Shuji Ishiyama
コントリビューター
Colin Capece
メジャーリーグがピート・ローズ氏、『シューレス』ジョー・ジャクソン氏を永久追放リストから削除し資格回復 image

メジャーリーグベースボール(MLB)は、ピート・ローズ氏と『シューレス』ジョー・ジャクソン氏を永久追放リストから削除し、資格回復した。米ケーブル局『ESPN』のドン・ヴァン・ナッタJr.氏が報じた。

ローズ氏は、MLBの調査でシンシナティ・レッズの監督を務めていた時に野球賭博を行なっていたことが判明したため、1989年8月に当時のコミッショナーであるA・バートレット・ジアマッティ氏から資格停止処分を受けていた。今回のロブ・マンフレッド・コミッショナーの決定はその処分を解除するものとなる。

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ジャクソン氏とその他7人のシカゴ・ホワイトソックスの選手たちは、1919年のワールドシリーズでの八百長の嫌疑によって、MLBの初代コミッショナーであるケネソー・マウンテン・ランディス氏によって1921年に永久追放された。

今回の決定により、ローズ氏とジャクソン氏は野球殿堂入りの資格を得ることになる。ここでは今回の決定に関連する情報をまとめる。

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ローズ氏とジャックソン氏の資格回復

MLBは13日(火)に、ピート・ローズ氏と『シューレス』ジョー・ジャクソン氏が永久追放のリストから削除され、資格回復したと発表した。マンフレッド氏はMLBの追放処分が当人の死亡をもって終了するとの判断を下した。

「明らかなことだが、既にこの世を去った人物がゲームの健全性に対する脅威となりうることはない」

1月8日に永久追放リストからのローズ氏の削除を請求した弁護士ジェフリー・M・レンコフ氏宛ての書簡内でマンフレッド氏はそう記した

「したがって、私は処分を受けた個人の死亡により永久資格剥奪が終了すると結論付けた。ローズ氏は永久資格剥奪リストから削除されます」

(独占:MLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏が、ピート・ローズ氏と『シューレス』ジョー・ジャクソン氏をMLBの永久資格剥奪リストから削除した。賭博問題で汚名を着せられた野球界の2人のアウトサイダー、ローズ氏とジャクソン氏には、野球の殿堂入り審査の対象となる道が開けた)

マンフレッド氏の裁定により今回、MLBの永久追放者のリストからは合計16人の選手と1人のオーナーが削除された。この中には、「ブラック・ソックス」スキャンダルに関与したジャクソンのチームメイトも含まれる。

ローズ氏とジャクソン氏はこれにより殿堂入りの資格を得ることとなる。現在の規則に基づき、15年以上前に引退したローズとジャクソンが殿堂入りできるタイミングは、最も早くて次回の「クラシック・ベースボール・エラ・コミッティ」(1980年以前に野球に最も大きな影響を与えた選手を評価する委員会)が開催される2027年12月となる

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ピート・ローズ氏が永久追放された理由は?

正確に言えば、ローズ氏は野球賭博をしたためではなく、その処分に合意したことMLBから永久追放された。ローズの賭博の証拠が積み重なる中、ローズ氏はジアマッティ氏と合意を結び、自身を永久に野球から追放する旨を宣言した。

ローズ氏は当初、すべての賭博の嫌疑を否定していたが、2004年の自伝『My Prison Without Bars』の中で野球賭博をしたことを認めた。

「法律の文言に違反したことは分かっていた。しかし、腐敗を防ぐために制定された法の『精神』には違反していないと考えていた」とローズはその自伝の中で書いている。

「監督として賭博をしていた時期、私は不公平な優位性を得たことはない。怪我や内部情報に基づいて賭けの額を増減させたこともない。賭けが野球の判断に影響を与えることを許したこともない。したがって、私の考えでは、私は腐敗していなかった。確かに微妙な違いであるが、当時の私はそのように信じていた」

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ローズ氏の賭博問題

1989年3月、ローズ氏が野球の賭けをしたという疑惑が浮上した。ローズ氏の所有とみられる複数の賭け票がオハイオ州のレストランで発見され、米スポーツ誌『スポーツ・イラストレイテッド』は、そのレストランのオーナーであるロン・ピーターズ氏とローズの友人であるポール・ジャンゼン氏が、ローズ氏のために賭けを仲介していたと報じた。

1989年4月、ジアマッティ氏がMLBコミッショナーに就任し、特別顧問ジョン・ダウド氏を調査に命じた。その報告書には、選手兼監督としてプレーしていた時期も含め、ローズがレッズの監督を務めていた期間中、野球に賭けていた証拠が含まれていた。

1989年8月24日、ローズ氏はジアマッティ氏と合意書を締結し、野球から永久追放されることを宣言した。その代わりとして、賭博関与に関する正式な発表は行われなかった。

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『シューレス』ジョー・ジャクソン氏が永久追放された理由は?

ジャクソ氏ンはメジャーリーグで13年間にわたってプレーし、1915年から1920年までホワイトソックスに外野手として在籍した。1919年のワールドシリーズで八百長を行おうとしたこと嫌疑で、1921年にランディス氏によってシカゴのチームメイト7人と共にMLBから永久追放された。

ジャクソンは当時最高の打者の一人と考えられた選手で、追放前には殿堂入りが確実視されていた。ジャクソンの通算打率.356は殿堂入り選手の中でも5位に位置する。

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『ブラックソックス・スキャンダル』とは?

『ブラックソックス・スキャンダル』では、シカゴ・ホワイトソックスの8人の選手が1919年のワールドシリーズで故意に負ける八百長の見返りとして、それぞれ5,000ドルを受け取ったとして告発された。その中には、ジャクソン、投手のエディ・シコット、センターのハッピー・フェルシュ、一塁のチック・ガンディル、ユーティリティプレイヤーのフレッド・マクマリン、ショートのスウェード・リスバーグ、三塁のバック・ウィーバー、そして投手のレフティ・ウィリアムズが含まれていた。

選手たちはシカゴの陪審員によって無罪判決を受けたもの、ランディス氏によって出場禁止処分が下された。この事件は、野球史上の汚点の一つと長年考えられている。

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原文:Pirates' Paul Skenes makes exciting announcement
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)


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