ワールドシリーズのホームランほど、私たちを魅了するものはない。バットからボールが弾かれたその瞬間、どちらのチームを応援しているかによって、その気持ちは蝶のように羽ばたいたり、錨のように海の底深くまで沈み込んだりする。
2024年のワールドシリーズ、ドジャース対ヤンキースの中は、とりわけホームランの応酬で世界中が一喜一憂させている。テオスカー・ヘルナンデス、ジャンカルロ・スタントン、フアン・ソト、トミー・エドマンをはじめ、多くの選手たちが今年のワールドシリーズでムーンショットを放ち、電光掲示板にその名前を輝かせた。
ロサンゼルスが誇るフレディ・フリーマンもその一人で、彼はこの1週間ほど、毎日ホームランを放つことが当たり前のようになっている。
フリーマンは過去にも、ワールドシリーズ史上に名を残す活躍を見せてきた。だが、今年の活躍ぶりで、彼はさらに『フォールクラシック』の歴史にその名を刻もうとしている。
ここでは、ワールドシリーズでの通算ホームラン数記録を紹介していく。
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1回のワールドシリーズでの最多本塁打記録
フレディ・フリーマンは、今年のワールドシリーズでここまで4本塁打を放っている。もし5本目を打てば、チェイス・アトリー（元フィラデルフィア・フィリーズほか）、レジー・ジャクソン（元ニューヨーク・ヤンキースほか）、ジョージ・スプリンガー（トロント・ブルージェイズ）に名を連ねることになる。
ジャクソン、スプリンガー、ジャクソンの3選手は、1回のワールドシリーズでの最多本塁打記録5本で並んでいる。 ジャクソンがドジャースを相手に5本のホームランを放ったのは1977年のワールドシリーズだった。その後、アトリーは2009年にフィリーズの一員として、スプリンガーは2017年にドジャース相手にこの偉業を達成した。
興味深いのはこの3人のうち、記録達成に7試合を必要としたのはスプリンガー1人だけだった。2017年のスプリンガーはアストロズの一員としてドジャースとの7試合の激戦を戦い抜いたが、アトリーとジャクソンは6試合でこの記録を達成してみせた。
現在、フリーマンはバリー・ボンズ（2002年、元サンフランシスコ・ジャイアンツほか）、デューク・スナイダー（1952年、1955年、元ブルックリン/ロサンゼルス・ドジャースほか）、ルー・ゲーリッグ（1928年、元ニューヨーク・ヤンキース）、ベーブ・ルース（1926年、元ニューヨーク・ヤンキースほか）など、MLB史上屈指の強打者たちと肩を並べ、4位タイにつけている。
1回のワールドシリーズでの最多本塁打数の記録保持者は以下の通りだ。
(出典元：Fansided)
| 順位 | ホームラン数 | 選手名 | チーム | 達成年度 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 5 | ジョージ・スプリンガー | ヒューストン・アストロズ | 2017 |
| - | 5 | チェイス・アトリー | フィラデルフィア・フィリーズ | 2009 |
| - | 5 | レジー・ジャクソン | ニューヨーク・ヤンキース | 1977 |
| 4 | 4 | バリー・ボンズ | サンフランシスコ・ジャイアンツ | 2002 |
| - | 4 | フレディ・フリーマン | ロサンゼルス・ドジャース | 2024 |
| - | 4 | レニー・ダイクストラ | フィラデルフィア・フィリーズ | 1993 |
| - | 4 | ウィリー・エイキンズ | カンザスシティ・ロイヤルズ | 1980 |
| - | 4 | ジーン・テナス | オークランド・アスレティックス | 1972 |
| - | 4 | ハンク・バウアー | ニューヨーク・ヤンキース | 1958 |
| - | 4 | デューク・スナイダー | ブルックリン・ドジャース | 1952, 1955 |
| - | 4 | ルー・ゲーリッグ | ニューヨーク・ヤンキース | 1928 |
| - | 4 | ベイブ・ルース | ニューヨーク・ヤンキース | 1926 |
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ワールドシリーズ通算最多本塁打記録
フリーマンは今年を含めて2度のワールドシリーズに出場し、ここまで素晴らしい活躍を見せてきた。現在更新中のワールドシリーズ6試合連続本塁打はMLBの新記録となった。
しかし、ワールドシリーズの通算本塁打記録を樹立するとなると、その道のりはまだ長い。
現時点では、その記録を保持しているのはミッキー・マントル（元ニューヨーク・ヤンキース）で、彼はワールドシリーズ65試合に出場して18本のホームランをマーク、歴代2位のベーブ・ルース（41試合15本塁打）に3本塁打の差をつけている。
ワールドシリーズ通算最多本塁打の歴代ランキングには、当然のことながら出場回数の多いヤンキースのスター選手が数多く名を連ねている。歴代最多本塁打ランキングのトップ10のうち7人は、現役時代にピンストライプのユニフォームを着ていたことがある選手だ。
ワールドシリーズ通算最多本塁打のトップ20は以下の通りである。ちなみに、15位タイには日本の野球ファンには懐かしい、読売ジャイアンツでプレーした経験もあるレジー・スミスの名前がある。
(出典元：Statmuse)
| 順位 | ホームラン数 | 選手 | チーム | 出場試合数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 18 | ミッキー・マントル | ニューヨーク・ヤンキース | 65 |
| 2 | 15 | ベイブ・ルース | ニューヨーク・ヤンキース | 41 |
| 3 | 12 | ヨギ・ベラ | ニューヨーク・ヤンキース | 75 |
| 4 | 11 | デューク・スナイダー | ブルックリン・ドジャース | 36 |
| 5 | 10 | レジー・ジャクソン | ニューヨーク・ヤンキース オークランド・アスレティックス | 27 |
| - | 10 | ルー・ゲーリッグ | ニューヨーク・ヤンキース | 34 |
| 7 | 8 | フランク・ロビンソン | シンシナティ・レッズ ボルティモア・オリオールズ | 26 |
| - | 8 | ムース・スコーロン | ニューヨーク・ヤンキース | 39 |
| - | 8 | ジョー・ディマジオ | ニューヨーク・ヤンキース | 51 |
| 10 | 7 | ジョージ・スプリンガー | ヒューストン・アストロズ | 14 |
| - | 7 | チェイス・アトリー | フィラデルフィア・フィリーズ ロサンゼルス・ドジャース | 15 |
| - | 7 | ギル・マクドゥガルド | ニューヨーク・ヤンキース | 53 |
| - | 7 | ハンク・バウアー | ニューヨーク・ヤンキース | 53 |
| - | 7 | グース・ゴスリン | ニューヨーク・ヤンキース | 32 |
| 15 | 6 | フレディ・フリーマン | アトランタ・ブレーブス ロサンゼルス・ドジャース | 10 |
| - | 6 | コーリー・シーガー | ロサンゼルス・ドジャース テキサス・レンジャース | 18 |
| - | 6 | レニー・ダイクストラ | ニューヨーク・メッツ フィラデルフィア・フィリーズ | 13 |
| - | 6 | レジー・スミス | ボストン・レッドソックス ロサンゼルス・ドジャース | 73 |
| - | 6 | ロジャー・マリス | ニューヨーク・ヤンキース | 41 |
| - | 6 | アル・シモンズ | フィラデルフィア・アスレティックス シンシナティ・レッズ | 19 |
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原文：Most home runs in a World Series: How Freddie Freeman can catch Reggie Jackson, others for MLB record
翻訳・編集： 石山修二（スポーティングニュース日本版）