メジャーリーグ(MLB)は、クリーブランド・ガーディアンズの投手ルイス・オルティーズに対して調査中のため有給の休職処分を課した。
3日(木)の朝にこのニュースを最初に報じた 米ケーブル局『ESPN』 のジェフ・パッサン氏は当初、リーグは処分理由を明らかにしていないと伝えていた。しかし、パッサン氏はその後、リーグがオルティーズの「賭博行為」について調査中であることを確認した。
オルティーズは3日(木)夜のカブス戦に先発予定だったが、この処分により少なくともオールスターブレイクまでは出場不能となった。MLB4年目、26歳のオルティーズは今季、ガーディアンズでの最初のシーズンを過ごしている。
ルイス・オルティーズの賭博行為に対する調査とは
MLBは木曜日、ルイス・オルティーズに対して懲戒処分なしの即時の有給休職処分を課すことを発表したが、その理由については明言しなかった。ガーディアンズもMLBの決定を確認した声明を発表したが、それ以上の詳細は明かさなかった。
「ガーディアンズは木曜日、選手協会との合意に基づき、リーグの調査が継続していることから、メジャーリーグベースボールがルイス・オルティーズに対して休職措置を課すことを通知された」と声明には綴られている。
「ガーディアンズは現時点ではコメントすることを許されておらず、リーグの機密調査プロセスを尊重する」
同日遅く、ケン・ローゼンタール氏とザック・メイゼル氏は調査が賭博に関するもので、ルイス・オルティーズがはオールスターブレイクまで出場できないと報じた。そのリポートにもリーグからの発表にもそれ以上の情報はなかった。
パッサン氏はその後、ルイス・オルティーズが通常の範囲を超える賭博行為を引き起こしたとされる2つの投球について調査を受けていると報じた。
1つ目は6月15日のマリナーズ戦、2回裏のオルティスの最初の投球だ。その球がボールになるかデッドボールになるかのマイクロベッティングが行われ、結果はスライダーでボールとなった。そして2つ目は6月27日のカージナルス戦、3回表のオルティーズの初球で、こちらもボールかデッドボールのマイクロベッティングが行われ、スライダーでボールとなった。
実際の2つの投球の映像は以下のものだ。
パッサン氏によると、これらの投球がオハイオ州、ニューヨーク州、ニュージャージー州でマイクロベッティング(試合中に起こる様々な事象に対してリアルタイムでベットするギャンブル)の活発な動きを引き起こしていたという。
『パット・マカフィー・ショー』に出演したパッサン氏は現在の状況を議論し、MLBが現在の社会で直面する困難を率直に語ってみせた。
「メジャーリーグベースボールには1つのルールがあり、そのルールは非常にシンプルなものだ。野球に賭けてはならない。もし賭けた場合、永久追放処分を受ける」とパッサン氏は語った。
「スポーツが腐敗を生み出す余地を残す…これはゲームの健全性にとって真の問題となる」
"In Major League Baseball there is one rule and that rule is very simple...
— Pat McAfee (@PatMcAfeeShow) July 3, 2025
Do not bet on baseball and if you do bet on baseball you face a lifetime ban..
This is a real problem for the integrity of the game"@JeffPassan #PMSLive https://t.co/g5BccJv242 pic.twitter.com/EITlUIdMG7
(メジャーリーグベースボールには1つのルールがあり、そのルールは非常にシンプルなものだ...。野球に賭けてはならない。もし賭けた場合、永久追放処分を受ける...。これはゲームの健全性にとって真の問題となる)
ルイス・オルティーズの現在の契約
『Spotrac』 によると、オルティーズは1年78万2600ドル(1ドル144円換算で約1億1268万円)の契約でプレーしているが、調停前の段階にあるため、今後4シーズンはクリーブランドが権利を保有することになる。
MLBの賭博行為に関するポリシー
MLBでは違反の程度に応じて、複数の賭博に対する罰則が定められている。
- 選手、審判、球団関係者が、自分が参加していない試合に賭けた場合、1年間の出場停止処分となる。
- 選手、審判、球団関係者が、自分が参加している試合に賭けた場合、永久追放処分となる。
- 違法なブックメーカーやエージェントを通じて賭けを行った選手、審判員、または球団関係者は、コミッショナーの裁量により処分を受ける。
- 違法なブックメーカーやエージェントを運営またはそこに勤務する選手、審判員、球団関係者は、少なくとも1年間の出場停止処分を受ける。
関連記事:なぜピート・ローズは永久追放されているのか? 野球賭博スキャンダル・殿堂入りできない理由まとめ
賭博行為で出場停止処分を受けたMLBプレイヤー
MLBでは、1919 年の『ブラックソックス事件』からつい最近、その処分が覆されたピート・ローズの永久追放まで、賭博に関するトラブルの長い歴史がある。
昨年も、MLBではリーグの賭博に関するポリシーに違反した5人の選手を出場停止処分にした。最も注目されたのは、違反行為により永久追放処分を受けたトゥクピタ・マルカーノだ。マイナーリーガーのアンドリュー・サールフランク、ジェイ・グルーム、マイケル・ケリー、ホセ・ロドリゲスも違反行為により1年間の出場停止処分を受けたが、4人全員が先月復帰した。
また今シーズン序盤には、スポーツ賭博スキャンダルに関与したとして、審判のパット・ホーバーグを解雇したとMLBは発表した。
原文:Luis Ortiz gambling investigation details: What we know about MLB putting Guardians pitcher on leave
翻訳・編集:石山修二(スポーティングニュース日本版編集部)
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