【2024年版】歴代日本人メジャーリーガー一覧|野茂英雄、イチロー、大谷翔平…MLB挑戦の歴史まとめ

及川卓磨 Takuma Oikawa

佐藤瑞紀 Mizuki Sato

森育海(Ikumi Mori)

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日本のプロ野球選手が初めて海を渡り、アメリカのメジャーリーグベースボールに挑戦したのは、1964年の村上雅則(サンフランシスコ・ジャイアンツ)が初めてだった。

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1990年代には野茂英雄(ロサンゼルス・ドジャース)が大活躍を見せ、2000年代に入ると佐々木主浩、イチロー、松井秀喜といった日本のトッププレイヤーたちが続々とメジャーに挑戦する時代になった。その後も松坂大輔や上原浩治、ダルビッシュ有、田中将大らがメジャーで結果を残すと、近年では大谷翔平が二刀流で大成功を収めている。

ここでは、歴代日本人メジャーリーガーを一覧でまとめるとともに、その歴史について振り返る。

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歴代日本人メジャーリーガー一覧

移籍年選手名守備球団
1964年村上雅則投手サンフランシスコ・ジャイアンツ
1995年野茂英雄投手ロサンゼルス・ドジャース
1996年マック鈴木投手シアトル・マリナーズ
1997年長谷川滋利投手アナハイム・エンゼルス
1997年柏田貴史投手ニューヨーク・メッツ
1997年伊良部秀輝投手ニューヨーク・ヤンキース
1998年吉井理人投手ニューヨーク・メッツ
1999年木田優夫投手デトロイト・タイガース
1999年大家友和投手ボストン・レッドソックス
2000年佐々木主浩投手シアトル・マリナーズ
2001年イチロー外野手シアトル・マリナーズ
2001年新庄剛志外野手ニューヨーク・メッツ
2002年野村貴仁投手ミルウォーキー・ブリュワーズ
2002年小宮山悟投手ニューヨーク・メッツ
2002年石井一久投手ロサンゼルス・ドジャース
2002年田口壮外野手セントルイス・カージナルス
2003年松井秀喜外野手ニューヨーク・ヤンキース
2003年*マイケル中村投手ミネソタ・ツインズ
2004年松井稼頭央内野手ニューヨーク・メッツ
2004年大塚昌則投手サンディエゴ・パドレス
2004年高津臣吾投手シカゴ・ホワイトソックス
2004年多田野数人投手クリーブランド・インディアンス
2005年井口資仁内野手シカゴ・ホワイトソックス
2005年藪恵壹投手オークランド・アスレチックス
2005年中村紀洋内野手ロサンゼルス・ドジャース
2006年城島健司捕手シアトル・マリナーズ
2006年斎藤隆投手ロサンゼルス・ドジャース
2007年岩村明憲内野手タンパベイ・デビルレイズ
2007年岡島秀樹投手ボストン・レッドソックス
2007年松坂大輔投手ボストン・レッドソックス
2007年井川慶投手ニューヨーク・ヤンキース
2007年桑田真澄投手ピッツバーグ・パイレーツ
2008年福留孝介外野手シカゴ・カブス
2008年福盛和男投手テキサス・レンジャーズ
2008年小林雅英投手クリーブランド・インディアンス
2008年薮田安彦投手カンザスシティ・ロイヤルズ
2008年黒田博樹投手ロサンゼルス・ドジャース
2009年上原浩治投手ボルチモア・オリオールズ
2009年川上憲伸投手アトランタ・ブレーブス
2009年高橋健投手ニューヨーク・メッツ
2009年田澤純一投手ボストン・レッドソックス
2010年高橋尚成投手ニューヨーク・メッツ
2010年五十嵐亮太投手ニューヨーク・メッツ
2011年西岡剛内野手ミネソタ・ツインズ
2011年建山義紀投手テキサス・レンジャーズ
2012年ダルビッシュ有投手テキサス・レンジャーズ
2012年青木宣親外野手ミルウォーキー・ブリュワーズ
2012年川崎宗則内野手シアトル・マリナーズ
2012年岩隈久志投手シアトル・マリナーズ
2012年和田毅投手ボルチモア・オリオールズ
2013年藤川球児投手シカゴ・カブス
2013年田中賢介内野手サンフランシスコ・ジャイアンツ
2014年田中将大投手ニューヨーク・ヤンキース
2015年村田透投手クリーブランド・インディアンス
2016年前田健太投手ロサンゼルス・ドジャース
2018年大谷翔平投手/
指名打者
ロサンゼルス・エンゼルス
2018年平野佳寿投手アリゾナ・ダイヤモンドバックス
2018年牧田和久投手サンディエゴ・パドレス
2019年菊池雄星投手シアトル・マリナーズ
2020年秋山翔吾外野手シンシナティ・レッズ
2020年筒香嘉智外野手タンパベイ・レイズ
2020年山口俊投手トロント・ブルージェイズ
2021年澤村拓一投手ボストン・レッドソックス
2021年有原航平投手テキサス・レンジャーズ
2022年鈴木誠也外野手シカゴ・カブス
2022年*加藤豪将内野手トロント・ブルージェイズ
2023年吉田正尚外野手ボストン・レッドソックス
2023年千賀滉大投手ニューヨーク・メッツ
2023年藤浪晋太郎投手オークランド・アスレチックス
2024年山本由伸投手ロサンゼルス・ドジャース
2024年今永昇太投手シカゴ・カブス
2024年松井裕樹投手サンディエゴ・パドレス
2024年上沢直之投手ボストン・レッドソックス

※MLB在籍時に日本国籍を有していると推定される選手を記載。球団はMLB移籍当初の所属。太字は2024年シーズン中のMLB在籍選手。*付きのマイケル中村、加藤豪将はメジャーデビュー年。

日本人・日本出身選手のMLB挑戦の歴史

①第1号は村上、近代以降のパイオニアは野茂

Hideo Nomo MLB Dodgers 040398 野茂英雄 ドジャース
(Jiji Press)

日本人メジャーリーガーの第1号は、マッシー・ムラカミこと村上雅則だ。1964年当時、プロ入り2年目だった村上は、南海ホークスからサンフランシスコ・ジャイアンツへ留学し、その年の後半にメジャー昇格を果たした。2年間で通算54試合(89.1回)に登板し、5勝1敗、防御率3.41、100奪三振の好成績を残した。村上は、日本人としてだけでなくアジア人としても初のメジャーリーガーとなった。

村上から30年の時を経て、1995年、史上2人目の日本人メジャーリーガーとなったのが野茂英雄(ロサンゼルス・ドジャース)だ。身体を大きく捻って投げる『トルネード投法』を武器に奪三振を量産。MLB移籍1年目にオールスター出場を果たしてシーズン後に新人王に輝くと、MLBキャリアを通じて2度のノーヒットノーランを達成する大活躍を見せた。こうした活躍と後進のMLB挑戦に多大な影響を与えたことから、『日本人メジャーリーガーのパイオニア』と呼ばれることになる。

1990年代後半には、野茂に続いてNPBから長谷川滋利や伊良部秀輝、吉井理人、木田優夫らが次々と海を渡った。1996年にはマック鈴木が、日本のプロ野球を経ずにメジャーリーガーとなった最初の選手となった。

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②イチロー、佐々木主浩らが活躍した2000年代

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2000年代に入ると、日本を代表するトッププレイヤーたちが続々とメジャーリーグに挑戦する時代となった。

2000年には、横浜ベイスターズからシアトル・マリナーズへ移籍した『ハマの大魔神』こと佐々木主浩がMLBデビューを果たした。日本時代と同様クローザーとして活躍し、野茂以来となる日本人2人目の新人王を受賞。米国でも"DAIMAJIN"(ダイマジン)の愛称で親しまれた。

翌2001年には、オリックス・ブルーウェーブからマリナーズへ移籍したイチローがMLBに活躍の舞台を移す。ポスティングシステムでの移籍は日本人初で、野手としても初の日本人メジャーリーガーとなった。1年目に新人王、首位打者、盗塁王、MVPに輝いたイチローは、そこから10年連続200安打を達成。2004年にはMLBのシーズン最多記録となる262安打を放ち、2016年にはメジャー通算3000安打を達成するなど、数々の金字塔を打ち立てた。

2003年には、読売ジャイアンツ(巨人)の顔であった松井秀喜がニューヨーク・ヤンキースでMLBデビューする。メジャーでも勝負強い打撃と長打力を武器に活躍し、米国でも日本時代と同様に"GODZILLA"(ゴジラ)の愛称で親しまれた。2009年にはアジア人として初めてワールドシリーズMVPを受賞した。

2007年には、ポスティングシステムで西武ライオンズからボストン・レッドソックスへ移籍した『平成の怪物』松坂大輔がMLBのマウンドに立った。譲渡金5111万1111ドル11セント(当時約60億8400万円)という大型契約での移籍となった松坂は、1年目にワールドシリーズ優勝、2年目には18勝という好成績を残した。

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③新時代を切り拓いた二刀流・大谷翔平

Shohei Ohtani

2010年代に入っても、日本からのMLB挑戦は止まらない。

2012年にはダルビッシュ有が、2014年には田中将大が、2016年には前田健太がMLBデビューを果たし、いずれもチームの信頼を得てローテーション投手として活躍を見せた。

2018年には、北海道日本ハムファイターズからロサンゼルス・エンゼルスへ移籍した二刀流の大谷翔平がMLBデビュー。当時23歳だった大谷は、インターナショナル・ボーナス・プール(通称『25歳ルール』)の対象となり、当初は年俸54万5000ドル(約6213万円/1ドル114円換算)のマイナー契約だった。

当初は、メジャーリーグでの二刀流挑戦に懐疑的な目が向けられていたが、大谷は1年目から投打の両方で実力を発揮する。右肘のトミー・ジョン手術により投手としては離脱した期間もあったが、MLB4年目の2021年にはアメリカン・リーグMVPを受賞、翌2022年には史上初となる規定投球回&規定打席のダブル達成を果たし、さらに2023年には44本塁打でアジア人初の本塁打王に加えて2度目のア・リーグMVPに輝いた。

エンゼルスでMLB史上有数の選手と目される存在にまで上り詰めた大谷は、2023年オフにはスポーツ史上最大とも言われる10年7億ドル(約1015億円/1ドル145円換算)の超大型契約でドジャースへと移籍。まさに新時代を切り拓く活躍を見せ続けている。

2024年シーズン前にはオリックス・バファローズの山本由伸もドジャースと12年総額3億2500万ドル(約465億円/1ドル143円換算)という、投手としては史上最高額の契約を結んだほか、今永昇太、松井裕樹といった、2023年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で活躍した日本代表・侍ジャパンの選手たちがNPBからMLBへと移籍した。

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現役日本人MLB選手一覧

2024年シーズンの現役日本人メジャーリーガーは12人だ。最年長37歳で開幕を迎えるダルビッシュ有から、MLBのルーキーとして今季1年目を迎える山本由伸、今永昇太、松井裕樹らまで、全米各地の7球団に日本人選手が所属している。

パドレス(ダルビッシュと松井)、ドジャース(大谷と山本)、メッツ(千賀滉大と藤浪晋太郎)、カブス(鈴木誠也と今永)と、4球団に2名ずつ日本人選手が所属している。レッドソックスには吉田正尚と5月にメジャーデビューを果たした上沢直之が所属していたが、7月に上沢がDFA(=Designated For Assignment)となり、40人ロスター枠から外れている。

2024年シーズンのスプリングトレーニングをサンフランシスコ・ジャイアンツのマイナー契約として迎えた筒香嘉智は開幕メジャー入りを果たせず4月に日本球界へ復帰した(横浜DeNAベイスターズへ)。

選手名P球団
ダルビッシュ有投手サンディエゴ・パドレス
前田健太投手デトロイト・タイガース
大谷翔平投手
指名打者
ロサンゼルス・ドジャース
菊池雄星投手トロント・ブルージェイズ
→ヒューストン・アストロズ
鈴木誠也外野手シカゴ・カブス
吉田正尚外野手ボストン・レッドソックス
千賀滉大投手ニューヨーク・メッツ
藤浪晋太郎投手ニューヨーク・メッツ
山本由伸投手ロサンゼルス・ドジャース
今永昇太投手シカゴ・カブス
松井裕樹投手サンディエゴ・パドレス
上沢直之投手ボストン・レッドソックス

※P=ポジション。手術明けの大谷は2024年中の投手としての出場はない見込み。

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米国挑戦もMLB出場はなかった主な選手

日本プロ野球からMLBに挑戦、もしくはNPBを経ずに渡米したものの、メジャーリーグでの出場には至らなかった選手もいる。

2000年代にはG.G.佐藤や入来祐作、2010年代には中島裕之(当時。登録名改名後は中島宏之)など、NPBで実績を残した有力選手がMLB挑戦を表明したものの、惜しくもメジャーリーグでの公式戦出場を果たすことはできなかった。

移籍年選手名P球団
2002年G.G.佐藤内野手フィラデルフィア・フィリーズ傘下
2004年水尾嘉孝投手アナハイム・エンゼルス
2006年森慎二投手タンパベイ・デビルレイズ
2006年入来祐作投手ニューヨーク・メッツ
2013年中島裕之内野手オークランド・アスレチックス
2018年吉川峻平投手アリゾナ・ダイヤモンドバックス傘下

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及川卓磨 Takuma Oikawa

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スポーティングニュース日本版編集長。千葉県生まれ、茨城県育ち。2000年日本大学卒。大学在学時を含めて丸14年間バスケットボール専門誌の編集者として企画立案・取材・執筆・編集・誌面制作・マルチメディア運営等に携わる。2013年秋にNBA日本公式ウェブサイト『NBA Japan』編集長就任。サイトやNBA日本公式ソーシャルメディアの新規開設に携わると同時にメディア運営を主導。2022年4月より現職。主な競技経験はバスケットボール、野球、サッカー。

佐藤瑞紀 Mizuki Sato

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京都府生まれ、立命館大学卒。The Sporting Newsのアシスタントエディター。大学在学中は、ファッションに携わり、Levi'sやセレクトショップでスタッフとしてキャリアをスタート。大学卒業後に上京し、ファッションとカルチャーを結びつけた記事を執筆。バスケ未経験ながら、2015年にカリーのプレーに魅了され、NBA観戦が大好きになる。

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フリーランスのライター、エディター。子供の頃から野球が好きで、プロ野球、高校野球、大学野球など幅広く応援・観戦。学生時代には新聞社のアルバイトで高校野球の紙面作りに携わる。大学卒業後は一般企業を経て、スポーツメディア業界に転職、独立。