5月11日、中央競馬の3歳マイル王決定戦、第30回NHKマイルカップ(G1)が開催される。
ここでは、昨今話題のAIチャットボットサービスを用いて今年のNHKマイルカップの1着馬、2着馬、3着馬の予想を出力。先週の天皇賞(春)では使用した3つのサービス全てがヘデントールを指名したものの、1着予想できたチャットボットはゼロ。2着だったビザンチンドリーム、3着だったショウナンラプンタを挙げることもできなかった。
しかし3歳マイル戦となれば、先月の桜花賞でGeminiが馬券圏内に好走した3頭を全て指名したように、AIの得意分野の可能性も。5月最初のG1での好予想に期待したい!
スポーティングニュース日本版編集部のNHKマイルカップ予想はこちら!
AIに質問した内容
今回も天皇賞(春)に引き続き、Open AI社のChat GPT、X社のGrok(グロック)、Google社のGemini(ジェミニ)を用いてNHKマイルカップを予想。それぞれチャットボットには出走馬に関する情報を与えた上で、NHKマイルカップの1着から3着までの独自の予想を根拠を提示するとともに出力するよう質問した。チャットボットに与えた情報の詳細は以下の通り。
- 枠順
- 血統
- 生産者
- 通算成績
- レース前時点での主な戦績
- 鞍上
- 調教師
Chat GPTの予想
先週は振るわずも予想の内容にはある程度の説得力があったChat GPT。鋭い指名に期待したい今週の予想はこちら。
- 1着:アドマイヤズーム
- 2着:イミグラントソング
- 3着:ヤンキーバローズ
Chat GPTが1着予想したのは2歳王者アドマイヤズーム。前哨戦は取りこぼしたもののG1馬へのAIの信頼は依然厚いようだ。Chat GPTが挙げた主な評価ポイントは前走実績、血統、騎手、ローテーションの4点。アドマイヤズームは前走敗戦も2着には来ており、ローテ的にも一叩きされた状態。鞍上の川田の実力も加味しての1着予想のようだ。
2着予想はイミグラントソング。前走は上がり33.1の凄まじい末脚を繰り出し、AIはこの脚が直線の長い東京に替わっても活きると判断。父マクフィは現役時代に欧州のマイルG1を2勝しており、鞍上ルメールの大舞台での安定感も高評価につながった模様だ。
3着にはヤンキーバローズを予想。前走は中団内で溜めて上がり2位の脚を使っての押し切り勝ち。東京コースへの適性も高いと評価した。父エピファネイアと母父ディープインパクトの組み合わせのバランスも評価ポイントになったとのこと。
Grokの予想
これまでの予想はなかなか振るわずのGrok。悪くない根拠は毎回出力しているだけに、一発が見たい今週の予想はこちら。
- 1着:イミグラントソング
- 2着:アドマイヤズーム
- 3着:ランスオブカオス
Grokの1着予想はアドマイヤズームを差し置いてイミグラントソングとなった。前哨戦勝ちの勢いがあり、血統はスピードと持続力のあるマクフィに瞬発力系のディープインパクトという組み合わせ。そこに東京マイルでの成績が非常に良いルメールがまたがることで、高評価するに足る材料は揃ったと判断したようだ。
2番手評価がアドマイヤズーム。2歳王者の実績に加えて川田も東京を得意とするというところでやはり評価は高いようだが、Grokが注目したのは血統。父モーリスの血は瞬発力勝負では少し分が悪いとし、朝日杯では上がり最速を記録しているためこの点への対応力は証明されてはいるものの、イミグラントソングとの比較で僅差の2着予想となったようだ。
3着には前哨戦を勝利し勢いのあるランスオブカオスを指名。まず血統面では父シルバーステートのスピードとスタミナに母父ローエングリンで持続力が補強されている点をGrokは評価。鞍上の吉村は若手ながら成長が著しく、ここまでの4戦全てで手綱を取るランスオブカオスとの相性も良いと評価した模様。今年既に2つの重賞勝ちを挙げている若武者の勢いをAIが買った形だ。
Grokはその他の注目馬としてヤンキーバローズとモンドデラモーレの2頭の名前を挙げた。前者は血統の組み合わせと鞍上・岩田望来の積極性を評価したがG1での底力が未知数。後者はワールドエースのスピードと底力にクロフネのパワーが増強され、コンビを組む戸崎は東京での実績も十分なものの、G1を勝ち切るまでの力はどうかと説明した。
Geminiの予想
NHKマイルカップと同じ3歳マイルG1の桜花賞ではエンブロイダリー、アルマヴェローチェ、リンクスティップを見事に指名したGemini。さらなるヒットに期待の今週の予想はこちら。
- 1着:アドマイヤズーム
- 2着:イミグラントソング
- 3着:アルテヴェローチェ
1着予想のアドマイヤズームはやはり2歳王者の実績を評価。懸念材料として東京コースの経験がないことを挙げたが、父モーリスは現役時代にマイルG1を複数勝利、そしてその産駒のマイル適性も高いとし、騎乗する川田の大舞台での安定感も評価。懸念を覆して1着予想をするに十分足ると判断したようだ。
2着にはイミグラントソングを予想。Grokと同じく、マイル適性の高い父マクフィに瞬発力のある母父ディープインパクトの組み合わせを評価したようで、鞍上も日本のトップジョッキーかつ東京を得意とするルメール。評価材料は揃ったが、今回がG1初挑戦という未知数さを懸念し2着の予想となったようだ。
1着と2着にはChat GPTとGrokも挙げた2頭を指名したが、Geminiは3着にアルテヴェローチェを推した。サウジアラビアロイヤルカップを制している通り東京マイルでの実績のある馬で、父モーリスに母父ディープインパクトという血統構成も東京コースへの適性につながっているとGeminiはジャッジ。しかし昨年末の朝日杯で1番人気5着に敗れているということもあって、G1に足る実力かどうかは疑問とし3番手評価に収まった模様だ。
3頭以外の有力馬には内枠を引いたショウナンザナドゥと前哨戦勝利の勢いがあるヤンキーバローズを挙げたが、2頭ともに実績があるのは1,400メートルで、1ハロンの延長となるマイルへの対応力を疑って3着以内の評価とはしなかったようだ。
各AIの予想の考察
今回は3つのチャットボット全てが1〜2着までにアドマイヤズームとイミグラントソングが来ると予想。3着は各々違った見解となった。Chat GPTとGeminiはアドマイヤズームの実績を順当に評価した形だが、Grokは前哨戦で2歳王者に勝利しているイミグラントソングに根拠の面で少しの分があるとジャッジした。
興味深かったのはGeminiが3着予想したアルテヴェローチェ。今回は人気が落ち着きそうだが、元々は2歳G1で1番人気にも支持された実力馬。東京マイルでの重賞勝ちもあり、軽視された頃の一撃が怖い一頭だ。Geminiといえば桜花賞で4番人気リンクスティップを3着指名の実績あり。競馬予想はまだまだ人間に一日の長がある分野だと筆者は感じるが、進化を続けるAIの予想も全く侮れないだろう。
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