絶対王者・井上尚弥に挑むTJ・ドヘニーとは?|戦績・経歴|9.3 スーパーバンタム級4団体統一王座戦

石山修二 Shuji Ishiyama

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千載一遇のチャンス到来に、37歳のベテランは静かに闘志を燃やしている。

9月3日(火)、東京・有明アリーナで開催されるスーパーバンタム級4団体統一王座防衛戦、絶対的な王者『モンスター』井上尚弥に挑むTJ・ドヘニー (アイルランド)は、この好機に感謝しつつ、キャリア最大のビッグマッチに向けて万全を期している。

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この試合の模様は、NTTドコモの動画配信サービス『Lemino(レミノ)』にて独占ライブ配信される。

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TJ・ドヘニーはどんな選手?

テレンス・ジョン・ドヘニー(26勝4敗、20KOs)は、アイルランド・ポートレーイシュ出身。アマチュアで豊富な経験を積んだのち、今も活動拠点を置くオーストラリアに渡って2012年にプロデビューを果たした。現在37歳の元世界王者は「手練れのベテラン」と言っていいサウスポーだ。

デビュー以来、6年間無敗のまま世界戦のチャンスを掴み、2018年にIBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチで王者・岩佐亮佑を3-0の判定で下して初の世界タイトルを手にした。

だが、高橋竜平を相手に一度防衛したのち、WBA世界スーパーバンタム級王者ダニエル・ローマンとの王座統一戦に敗れてタイトルを失うと、ここから5戦して2勝3敗と一転してスランプに陥った。

それでも2023年6月に中嶋一輝をTKOで倒してWBOアジア太平洋スーパーバンタム級王者を獲得してからは、内容的にも(中嶋戦を含めた)直近3試合はいずれもTKO勝利を収めており、調子を取り戻しつつある。

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ドヘニーに井上を倒すチャンスはある?

7月16日、井上とドヘニーの試合が発表された当初は、この試合に対して「消化試合」「ミスマッチ」とった揶揄が飛び交った。

というのも、井上の9月の対戦相手として当初有力視されていたのは、WBO/IBF世界スーパーバンタム級1位でIBF指名挑戦権を持つサム・グッドマン(オーストラリア)だった。5月6日のルイス・ネリ戦の試合直後にもグッドマンはリング上がって、対戦を約束するように井上とガッチリ握手を交わしていた。

だが、グッドマン陣営が9月ではなく12月の試合を要望したことから交渉は迷走。6月にはWBAが同世界スーパーバンタム級1位のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)との指名試合を指示したことで事態はさらに混迷を極め、最終的に伏兵ともいえるドヘニーがチャンスを得たことで、不満の声が上がったのだった。

だが、ドヘニーはそんな風評など意に介せず、大橋会長や井上に対して今回のチャンスを与えてくれたことに感謝しながら、ボストンで10週におよぶキャンプを張ってきた成果を「今が最高の状態」と王座奪還へ意欲を燃やす。

ドヘニーの強みは、『The Power』のニックネームが物語るように、9割近いKO率を誇るパワー、そしてプロデビュー以来一度としてKO負けを喫したことのないタフネスにある。また、初戴冠の時に下した岩佐をはじめ、19年に高橋竜平、23年には井上と同門の中嶋一輝も倒している日本人ボクサーとの相性が良いのも不気味なところだ。

来日後の公開練習を見た井上真吾トレーナーは、ドヘニーのパワー、フィジカルの強さに注目しつつ、普通にやれば大丈夫と言いながらも「足を止めて打ち合うのは怖い」と警戒の色を隠さない。

米大手オッズメーカー各社が軒並み井上に「-5000」という圧倒的有利なオッズをつけるように、王者・井上の優勢は揺るぐ気配はない。そんな中で、ドヘニーがどんな勝ち筋を見出し、世紀のアップセットを呼び込むのか。

最終会見では「歴史を作りにきた」と語ったドヘニーだが、キャリア最大のチャンスを前に、37歳という年齢はむしろ経験的にプラスになっているというベテランの戦いぶりが注目される。

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🥊TJ・ドヘニーのプロフィールと戦績

  • 名前:テレンス・ジョン・ドヘニー(Tereence John Doheny)
  •  国籍:アイルランド
  •  ニックネーム:The Power
  •  生年月日:1986年11月2日(37歳)
  •  身長:166cm
  •  リーチ:173cm
  •  戦績:30戦26勝4敗(20KOs)
  •  スタンス:サウスポー
  • 主要獲得タイトル:PABAパンアジアスーパーバンタム級王座、IBF世界スーパーバンタム級王座、WBOアジア太平洋スーパーバンタム級王座

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