【独占インタビュー】バトラーが井上尚弥戦への意気込みを語る「ライオンの巣窟に乗り込んでいくのも嫌いじゃない」

Tom Gray

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12月13日(火)東京・有明アリーナで、WBAスーパー・WBC・IBF世界バンタム級統一王者、井上尚弥との4団体統一戦に臨む、WBO同級王者の英国人ファイター、ポール・バトラー。

スポーティングニュースは、6日から来日し、都内のホテルに滞在する英国人ファイターにオンラインでの独占インタビューに成功。取材した本誌トム・グレイ(Tom Gray)記者が一問一答を伝える。

 

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「彼にもミスがある」「自分のプランを信じて戦う」

――スポーティングニュース・ボクシング部門副編集長のトム・グレイです。きょうはバンタム級のチャンピオン、ポール・バトラーに話をお聞きします。今回はプロキャリアで初めての国外での試合です。それが日本になったというのはどのような感覚ですか?

ポール・バトラー(以下バトラー):日本はいい国だと思うよ。国外での試合は、アマチュア時代にたくさん経験した。とても楽しいものだよ。(今回の井上戦では)僕がアンダードッグなのも知っているし、観客は全員が井上を応援するだろう。でも変な話だがそういう状況が好きなんだ。それを楽しみにしているし、ライオンの巣窟に乗り込んでいくのも嫌いじゃない。

――井上についてはどう思いますか? 詳しく聞かせてください。

バトラー:とてもいいボクサーだよ。いちファンとして彼をずっと見てきた。いまは対戦相手として見ているが、間違いなく素晴らしい選手だし、パウンド・フォー・パウンドでも名前が挙がる。でも彼にもミスがあるのでそこをついていきたい。多くの試合はすぐに終わってしまうが、1-2ラウンドより長くなった試合を見ると。隙きが生まれていることがわかる。

これが彼を倒すための青写真だとは言わないが、ドネアとの最初の試合を見ても多くの隙きがあった。あとは勇気を出して自分に自信を持って挑むだけだ。10人中9人は試合前に勝負に負ける。井上のパワーを心配しすぎて自分自身を疑ってしまうんだ。井上との対戦で先に自分のゲームプランを実行するにはとにかく自分を信じることが必要なんだ。

――これまで井上が苦戦したのは実質ノニト・ドネア戦が唯一です。技術的な観点から彼は何に苦戦したのでしょうか?

バトラー:プレッシャーもあったのだろう。それにドネアは他の選手に比べて井上をそこまで警戒していなかった。第1ラウンドから細かいパンチで隙きを見つけ出した。ドネアの最初の3ラウンドはすごく良かった。井上はそこから調子を取り戻したが、その後またもやペースを乱した。相手を押し返すことが増え第9ラウンドではダウン寸前だった。

それでも彼は第11ラウンドでダウンを奪い、力強く試合を終わらせて王者があるべき姿を示した。でも 隙きがあったのは確かだ。警戒しすぎずに挑むことが大事だと思う。

――昨夜ドネアと話し、井上との初戦について聞きました。井上は凄まじいパワーを持っているが、強烈なパンチやコンビネーションは足をマットにとどめた状態で打ってくる。(コンビネーションを打ち切るために)動いている間は隙きが生まれると言っていました。言い当てているのでは?

バトラー:(ドネアの指摘は)正しいと思うよ。井上はジャブで仕掛けて好機を伺うタイプではない。足を踏み入れてドカン 、ドカンと打つ。すべての動作が大きいんだ。勘違いしてはいけないが、彼は常に頭を狙っているのではなくボディに打ってくることもあるから、常に彼がどこを狙ってくるか考えなければならない。

こちらは足を動かして距離を離すことが重要だ。これまでも多くの選手が彼との試合でやってきたことだ。効果的に実践するには自分のプランを信じて戦うことだ。

――(WBO世界バンタム級暫定王者決定戦だった)ジョナス・スルタンとの対戦はいいパフォーマンスでした。素晴らしい動きで正確かつ、多彩なパンチを見せました。井上戦ではこれまで見せたことのない、あれ以上の何かが必要になると思いますか?

バトラー:もちろん必要になるだろうね。あの日はプランに沿っていい試合ができた。井上戦ではそれを上回る必要がある。より強い相手と戦うときは少々の恐怖が生まれる。常に集中する必要があるし、緊張感も高まる。だから試合の日もいい準備が求められる。


井上対バトラーの一戦は、12月13日(火)19~20時台に開始と見られる(前の試合の状況により前後する可能性あり)。試合の中継は、ネット配信がdTV(ディーティービー)独占、テレビ放送が『ひかりTV』(ひかりティービー)の独占となる。


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Tom Gray joined The Sporting News in 2022 after over a decade at Ring Magazine where he served as managing editor. Tom retains his position on The Ring ratings panel and is a full member of the Boxing Writers Association of America.