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【バスケ男子】日本代表アジアカップ合宿コメント:「3Pの成功率、試投数も増やしたい」(金近廉)「どこに行っても重宝される選手に」(渡邉伶音)

牧野豊 Yutaka Makino

【バスケ男子】日本代表アジアカップ合宿コメント:「3Pの成功率、試投数も増やしたい」(金近廉)「どこに行っても重宝される選手に」(渡邉伶音) image

©︎Yutaka Makino

男子バスケ代表第1次強化合宿に参加した渡邉伶音(左)と金近廉

6月27日、味の素ナショナルトレーニングセンターで8月にサウジアラビアで開催されるFIBAアジアカップに臨むバスケットボール男子日本代表の第1次強化合宿(23日が初日)の公開練習が行なわれた。

今回の合宿には11日に発表された日本代表候補42名から18名が選出。そのうち11名は13日から実施された若手主体のディベロップメントキャンプに続き招集され、平均年齢23.8歳という若いメンバー構成になった。

2023年FIBAワールドカップ、2024年パリ五輪でチームの中軸を担ってきたベテランの比江島慎(宇都宮ブレックス)、富樫勇樹、渡邊雄太(ともに千葉ジェッツ)らはそれぞれのコンディションを含めた理由で、河村勇輝、富永啓生は7月のNBAサマーリーグへの参加を含め状況が不透明なため、今合宿には不参加となった。

トム・ホーバス・ヘッドコーチ(HC)は、そうした実績組の状況を踏まえ「若いメンバーがすごく頑張ったら、(ベテランたちは)アジアカップに出ていかなくてもいいと思います。基本的には(今回の)18名の選手からアジアカップを戦うメンバーを選出するつもり」と新戦力の台頭に期待を寄せた。

「3P成功率もそうですが、試投数も増やしていければ」(金近廉)

そんななか、A代表招集歴のある若手でステップアップの期待が掛かるのが金近廉(千葉ジェッツ)だ。

2023年ワールドカップ、2024年パリ五輪では最終候補に残りながらメンバー入りを逃してきたが、今年2月のFIBAアジアカップ2025予選Window3の敵地モンゴル戦では5本の3ポイントを成功させ15得点をマークし、チームの勝利に貢献。Bリーグでも全試合に出場し、好スコアラー揃いの千葉Jのなかで武器である3Pシュートに磨きをかけてきた(成功率38.6%はチーム2位)。今回の日本代表で求められるものも、やはりシューターとしての役割だ。

「一番の武器はシュート。特にホーバスHCから何か言われたわけではないですが、今回は今まで選ばれていたシュータータイプの選手も少ないので、成功率もそうですが、試投数も増やしていければ。ただ、まだまだ、いい時、悪い時が分かれてしまうので、その辺りをうまく直していければと思います」

そのうえで金近はこの合宿に入るまでの期間、アウトサイドシュートのみならず「リングへのドライブも意識して練習してきた」と言い、「代表ではカッティングのプレーも多いので、ドライブも含めて狙える時は狙っていければ」と意欲を見せる。

スコアラーのイメージが強い金近だが、今季のBリーグではPG(ポイントガード/1番)からPF(パワーフォワード/4番)までマッチアップできる守備力の成長にも目を見張るものがあった。「その辺りは国際試合でも生きてくると思います」と自信を覗かせた。

自身もまだ23歳だが、さらに若いメンバーも増えてきたことについて、「U19代表で一緒にプレーした選手も多く、知っている選手も多いので、同級生みたいに接しています。自分のほうから積極的にコミュニケーションを取っていますよ」と自然体で練習に向かっているという。

「どこに行っても重宝されるように」(渡邉伶音)

今年4月に東海大に入学した渡邉伶音も、今回で3回目のトップ代表合宿への参加となった。だが前回、招集された2月のFIBAアジアカップ予選Window3(敵地での中国戦、モンゴル戦)では出場を果たせず。その悔しさを糧に、自身の足りないものを考え、競技に取り組んできたという。

「今回で3回目なので、(A代表が)どういうバスケットなのか、どういう考え方のなかで自分に何が求められているのかも理解できるようになりました。前回のWindows3で試合に出られなかった結果を受けて、自分に何が必要かと考えた時、フィジカルの部分だったのではないかと。そこで大学に入ってからは食生活の面から見直してウェイトトレーニングにもしっかり取り組み体重を(約4kg)増やしましたし、この合宿でもまずはディフェンスから入ることを意識しています」

渡邉は206cmの長身を生かした幅広いプレーが持ち味。現在はPFでのプレーが多いが、将来的には3ポイントも武器にできるSF(スモールフォワード/3番)を目指している。ただ、「その時々のチームの方針によって自身に求められる役割は変わってくるもの」と言い、どんなスタイルでもしっかり対応できるよう、準備している。

「今回の合宿でいえば、自分は4番ポジションをやらなければいけないですし、この前のディベロップメントキャンプでは5番(センター)でプレーすることが多かったです。3番プレーヤーを目指している段階ではあるんですけど、自分がどこに行っても重宝されるように、やっていければと思います」

この合宿には川島悠翔(シアトル大)や湧川颯斗(三遠ネオフェニックス)など、福岡大附大濠高出身の先輩も多く名を連ね、「刺激を受けている」。

また、渡邉が今年1月から3月まで特別指定選手としてプレーしたアルティーリ千葉のPGで、ジョーンズカップ日本代表に選出されている黒川虎徹とは頻繁に連絡を取り合い、互いに鼓舞し合っているという。

日本代表は7月に『日本生命カップ 2025』(対オランダ/7月5、6日/場所:有明アリーナ)、韓国遠征、『SoftBank CUP 2025』(対デンマーク/7月19、20日/場所:ららアリーナ東京ベイ)の強化試合を重ね、8月5日に開幕するFIBAアジアカップ2025に挑む。

FIBAアジアカップ2025組み合わせ抽選結果・グループ

グループA

  1. カタール(87位)
  2. オーストラリア(7位)
  3. 韓国(53位)
  4. レバノン(29位)

グループB

  1. グアム(88位)
  2. 日本(21位)
  3. シリア(71位)
  4. イラン(28位)

グループC

  1. 中国(30位)
  2. ヨルダン(35位)
  3. インド(76位)
  4. サウジアラビア(65位・開催国)

グループD

  1. チャイニーズ・タイペイ(73位)
  2. ニュージーランド(22位)
  3. イラク(92位)
  4. フィリピン(34位)

※カッコ内は2025年3月28日現在のFIBAランキング

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牧野豊 Yutaka Makino

東京・神田生まれの神田育ち。上智大学卒。1993年から約30年間、スポーツ専門出版社で雑誌・書籍・ウェブ媒体の取材・原稿執筆・編集全般に携わる。その間、バスケットボール(NBA含む)、アメフト(NFL含む)のムック、水泳競技、陸上競技の月刊定期誌の編集長を歴任。各競技の国内主要大会をはじめ、アジア大会、世界選手権、オリンピック等、国際大会の現地取材を経験。