東京世界陸上選手権の日本代表選考を兼ねた第109回日本陸上選手権初日が7月4日から6日までの3日間、東京・国立競技場で開催されている。
ここでは、大会2日目(7月5日)の種目別優勝者を紹介する。
■大会初日(7月5日)の優勝者一覧
男子100m:桐生祥秀(日本生命)
- 記録:10秒23/+0.4(5年ぶり3回目)
男子800m:落合晃(駒澤大)
- 記録:1分45秒93(2年連続2回目)
男子110mハードル:泉谷駿介(住友電工)※世界陸上代表内定
- 記録:13秒22/+0.8(2年ぶり4回目)
男子棒高跳:江島雅紀(富士通)
- 記録:5m70(3年ぶり3回目)
男子三段跳:山下航平(ANA)
- 記録:16m67/+0.4(6年ぶり3回目)
男子ハンマー投:福田翔大(住友電工)
- 記録:74m57(2年ぶり3回目)
男子やり投:﨑山雄太(愛媛競技力本部)※世界陸上代表内定
- 記録:87m16(大会新、初優勝)
女子100m:井戸アビゲイル風果(東邦銀行)
- 記録:11秒45/-0.1(初優勝)
女子400m:寺本葵(天理大)
- 記録:53秒14(初優勝)
女子800m:久保凛(東大阪大敬愛高)
- 記録:1分59秒52(日本新、日本高校新、大会新/2年連続2回目)
女子400mハードル:梅原紗月(住友電工)
- 記録:56秒43(初優勝)
女子走幅跳:髙良彩花(JAL)
- 記録:6m48/+0.8(5年ぶり4回目)
女子ハンマー投:村上来花(九州共立大)
- 記録:66m88(大会新、初優勝)
■大会2日目(7月5日)総括:高3の久保凛が日本新記録で女子800m連覇 男子やり投は﨑山雄太が87m超のビッグスローで、男子110mハードルの2人とともに代表内定
この日のハイライトは女子800m。高校3年生の久保凛が、自身が持つ日本記録を更新する1分59秒52で2連覇を達成。久保はこれから高校最後のインターハイを当面の目標に、世界ランキングでの世界陸上出場にもアプローチしていく。
1年前の日本選手権で高校3年生ながら男子800mで日本記録を更新した落合晃も1分45秒93で久保と並び2連覇を達成したが、世界陸上の参加標準記録(1分44秒50)を意識していただけに不満顔も、着実に結果を残した。
また、当初の競技開始時間が暑熱対策として昼から夜に変更された男子やり投は、ナイトゲームの様相のなかでビッグスローが続出したが、その主役となったのは﨑山雄太。4投目に日本歴代2位となる87m16(大会新)を投げ、1989年から未踏のままとなっている日本記録に44cmに迫ると同時に世界陸上の参加標準(85m50)を大きく突破。そのまま優勝し、代表内定となった。またディーン元気も6投目に大会新、実に13年ぶりの自己ベストとなる84m66をマークし2位。世界ランキングで上位にいることもあり、世界陸上に大きく近づいた。
男子100mでは、桐生祥秀が10秒23(+0.4)で5年ぶり3回目の優勝を果たし、「今まで負けて涙を流してきたので、勝って涙を流したのは初めて」と喜びも一入だった。
女子100mは、前日の予選で日本歴代4位の11秒35をマークしていた井戸アビゲイル風果が決勝も11秒45(-0.1)で制して日本選手権初出場初優勝を果たした。
男子ハンマー投は、福田翔大が5投目に日本歴代3位の74m45、最終6投目にその記録をさらに伸ばす74m57と立て続けにビッグスローを放ち、2年ぶりの優勝。東京世界陸上の参加標準記録(78m20)には及ばなかったものの、1国上位3名(各種目の1国あたりの出場上限選手数)を対象にした世界ランキングでは出場枠(ターゲットナンバー)36のところ、34番手につけているだけに、世界陸上出場に向け、大きなパフォーマンスとなった。
男子110mハードルでは13秒22(+0.8)で優勝したパリ五輪代表の泉谷駿介、0秒01差で2位となった野本周成(愛媛競技力本部)は今大会前に世界陸上の参加標準記録(13秒27)を突破済みだったため、今大会の3位以内に入ったことで、日本陸連の選考条件を満たし、東京世界陸上の代表に内定した。
女子走幅跳は髙良彩花と木村美海(四国大)が大激闘を演じ、最終6回目の跳躍で木村が6m47(+0.5)でトップに立てば、その後髙良が木村の記録を1cm上回る劇的V。5年ぶりの頂点に立った。
男子三段跳の山下航平も、6年ぶりと久しぶりの王座奪還を果たした。
また、女子100mハードルの準決勝1組では日本記録保持者の福部真子(日本建設工業)が大会タイ記録の12秒75(0.0)をマークし、トップのタイムで3日目の決勝進出を果たした。